作品紹介→31歳の男と10歳の少女の間に芽生える“恋”:チカ「これは恋のはなし」1巻
2巻レビュー→はやく大人になりたいです:チカ「これは恋のはなし」2巻
3巻レビュー→守ると決意した少女の瞳の力強さ:チカ「これは恋のはなし」3巻
関連作品レビュー→雄々しき女子が、恋に奮闘!:チカ「番長乙女」
チカ「これは恋のはなし」(7)
ああ…
俺…こいつのこと…
好きだ
■7巻発売しました。
トラウマを刺激する出来事により、放心状態になった真一。彼に寄り添う遥にたいしてm衝動的に芽生えた感情。男はついに、恋に落ちた。自分の気持ちを自覚した真一は…。本当に本気なのか?でも、手は出しちゃだめだ。それなら、我慢するかないよな…。
〜久々のレビューでございます〜
「これは恋のはなし」のレビュー書くの、本当に久しぶりな気がするのですが、振り返ってみれば以前書いたのは3巻ですか。いや、いつも書こう書こうとは思っているのですが、なかなか書くきっかけがつかめずに、続々と続刊が発売されて、気がつけばもう7巻ですよ。出会ったときは小学生だった遥も、気がつけばもう中学生。6巻の表紙ではわかりやすく背が伸びていて、一気に大人っぽくなりました。もう「恋愛」なんて関係性に足を踏み入れてもおかしくない時期です。そして7巻、これまでとは趣の違う、白背景の表紙なのですが、それよりも帯ですよ帯!「男はついに恋に落ちた。」の文字。ネタバレも良い所なんですが、どうしたって読まずにはいられまい。そして、レビューせずには居られまい。てか裏表紙側の帯ー!!「何をしたんだ」ってそんなの見ればわかんだろおい!
〜やはりろくでもなかった大垣〜
と、真一と遥の恋愛の前に、ちょっと取り上げておきたかったのは、大垣の結婚秘話。前回衝撃の結婚宣言をした彼ですが、今回は巻末に、その経緯が収められていたのでした。「出来婚」という前情報はあったものの、まさか酔っての一晩の気まぐれでヒットしちゃった子どもだなんて聞いてないですって!当人たちには、それなりの納得感はあったのかもしれませんが、出来ちゃって、水ぶっかけられてキュンと来て結婚だなんて、さすが大垣さん、ファンキーですな。
大垣と言えば、詩子ちゃんともちょっとした出来事がありました。彼の結婚話を聞いて、残念がる詩子ちゃんでしたが、そんな彼女に大垣は、躱すのではなく

ビシッと痛い所を突く
大垣さん一本のように見せていた詩子ですが、その実ずっと杉田くんのことを想っていたのでした。元々詩子は、杉田のことが好きで、この物語にも深く介入してきたというきっかけがあります。しかしあっさりと杉田のことを好きだというのは撤回、4巻以降は大垣のことを好きだとずっとアピールしてきたのでした。あの時「切り替え早いし年上に憧れるなんて、さすがませた子ども…」なんて思っていたのですが、なんだ彼女もしっかりと自分の気持ちを温める純粋な片想い人だったんじゃないですか。それをしっかりと見抜いていた大垣は、敢えてあんな返しをして、そして突き放すべき所で突き放した、と。「ちゃんと言わないとわからない」ってのは、彼なりの最大限の助言なんでしょうね。何気に良い関係の二人なのでした。これ、やりとりだけ抜き出すと大垣が一枚上手なんですが、自分の気持ちを隠すには、大垣という存在は格好の相手なんですよね。上手くあしらってくれるし、内海の家に杉田と行く言い訳にもなるし、自分磨きをするにも仮置きのターゲットとしてはこの上ないですし、即座に彼を見出した詩子ちゃんもまた、なかなかの策士であったのだな、と。
〜ついに自覚!〜
さて、そんな横では内海と遥の仲が一気に進展していました。内海は親との心中事件がきっかけとなり、火事がトラウマとなっていたようです。そんな中、彼の家で起きた、ボヤ騒ぎ。遥が駆けつけたことで大事には至らなかったものの、内海は参って放心状態に。いつもは自分のことは頑なに口を噤んで話そうとしない彼ですが、その日は珍しく、自分の過去と弱い部分を一気にさらけ出したのでした。お互いに想っているところを伝えあって、また一歩心が近づいたように見えた中、

遥が再度想いの丈を告白
問いかけるように真一に投げかけた言葉ですが、この時の心の目線は全く同じ。いやむしろ、真一は彼女の言葉に救われてすらいました。弱い所をさらけ出して、なお受けとめてくれた上でのこの言葉に、内海の心は一気に動かされます。散々積もりに積もらせた気持ちは、やっと彼に「遥が好き」と自覚させるだけの量になり、そして…

思わずキス
急展開!自覚してからキスをするまで、その間実に1コマという超速でございます。しかもこの後真一は、取り乱して外に駆け出すという乙女っぷりを発揮。マジでヒロイン過ぎる。キスの後に赤面で駆け出すってのは昔からヒロインと相場が決まっていたものですが、本作では30代も中盤に差し掛かろうとしているオッサンがソレをするという、この素晴らしさ。久しぶりに真一に萌えましたですよ、はい。
さて、物語はここで成就→完結という形にはなりません。キスをしたからと言って、遥に気持ちをちゃんと伝えたわけではないですし、ましてや保護者という立場である以上、これ以上ヘタに動くこともできないのです。このモヤモヤをどう晴らすのか、これから長い間、彼は葛藤し続けなくてはならないわけですが、だとしても読者からしたらニヤニヤ必至なわけで。もう楽しみとしか言いようがありません。とりあえず自分が好きだと自覚した後、その気持ちを小説にぶつけることになるのですが、小説の完成と共に、本作も完結、という流れになるんでしょうか。何はともあれキスをして以降、どんな感じになるのか、今から楽しみでございます。
■購入する→Amazon
2巻レビュー→はやく大人になりたいです:チカ「これは恋のはなし」2巻
3巻レビュー→守ると決意した少女の瞳の力強さ:チカ「これは恋のはなし」3巻
関連作品レビュー→雄々しき女子が、恋に奮闘!:チカ「番長乙女」

ああ…
俺…こいつのこと…
好きだ
■7巻発売しました。
トラウマを刺激する出来事により、放心状態になった真一。彼に寄り添う遥にたいしてm衝動的に芽生えた感情。男はついに、恋に落ちた。自分の気持ちを自覚した真一は…。本当に本気なのか?でも、手は出しちゃだめだ。それなら、我慢するかないよな…。
〜久々のレビューでございます〜
「これは恋のはなし」のレビュー書くの、本当に久しぶりな気がするのですが、振り返ってみれば以前書いたのは3巻ですか。いや、いつも書こう書こうとは思っているのですが、なかなか書くきっかけがつかめずに、続々と続刊が発売されて、気がつけばもう7巻ですよ。出会ったときは小学生だった遥も、気がつけばもう中学生。6巻の表紙ではわかりやすく背が伸びていて、一気に大人っぽくなりました。もう「恋愛」なんて関係性に足を踏み入れてもおかしくない時期です。そして7巻、これまでとは趣の違う、白背景の表紙なのですが、それよりも帯ですよ帯!「男はついに恋に落ちた。」の文字。ネタバレも良い所なんですが、どうしたって読まずにはいられまい。そして、レビューせずには居られまい。てか裏表紙側の帯ー!!「何をしたんだ」ってそんなの見ればわかんだろおい!
〜やはりろくでもなかった大垣〜
と、真一と遥の恋愛の前に、ちょっと取り上げておきたかったのは、大垣の結婚秘話。前回衝撃の結婚宣言をした彼ですが、今回は巻末に、その経緯が収められていたのでした。「出来婚」という前情報はあったものの、まさか酔っての一晩の気まぐれでヒットしちゃった子どもだなんて聞いてないですって!当人たちには、それなりの納得感はあったのかもしれませんが、出来ちゃって、水ぶっかけられてキュンと来て結婚だなんて、さすが大垣さん、ファンキーですな。
大垣と言えば、詩子ちゃんともちょっとした出来事がありました。彼の結婚話を聞いて、残念がる詩子ちゃんでしたが、そんな彼女に大垣は、躱すのではなく

ビシッと痛い所を突く
大垣さん一本のように見せていた詩子ですが、その実ずっと杉田くんのことを想っていたのでした。元々詩子は、杉田のことが好きで、この物語にも深く介入してきたというきっかけがあります。しかしあっさりと杉田のことを好きだというのは撤回、4巻以降は大垣のことを好きだとずっとアピールしてきたのでした。あの時「切り替え早いし年上に憧れるなんて、さすがませた子ども…」なんて思っていたのですが、なんだ彼女もしっかりと自分の気持ちを温める純粋な片想い人だったんじゃないですか。それをしっかりと見抜いていた大垣は、敢えてあんな返しをして、そして突き放すべき所で突き放した、と。「ちゃんと言わないとわからない」ってのは、彼なりの最大限の助言なんでしょうね。何気に良い関係の二人なのでした。これ、やりとりだけ抜き出すと大垣が一枚上手なんですが、自分の気持ちを隠すには、大垣という存在は格好の相手なんですよね。上手くあしらってくれるし、内海の家に杉田と行く言い訳にもなるし、自分磨きをするにも仮置きのターゲットとしてはこの上ないですし、即座に彼を見出した詩子ちゃんもまた、なかなかの策士であったのだな、と。
〜ついに自覚!〜
さて、そんな横では内海と遥の仲が一気に進展していました。内海は親との心中事件がきっかけとなり、火事がトラウマとなっていたようです。そんな中、彼の家で起きた、ボヤ騒ぎ。遥が駆けつけたことで大事には至らなかったものの、内海は参って放心状態に。いつもは自分のことは頑なに口を噤んで話そうとしない彼ですが、その日は珍しく、自分の過去と弱い部分を一気にさらけ出したのでした。お互いに想っているところを伝えあって、また一歩心が近づいたように見えた中、

遥が再度想いの丈を告白
問いかけるように真一に投げかけた言葉ですが、この時の心の目線は全く同じ。いやむしろ、真一は彼女の言葉に救われてすらいました。弱い所をさらけ出して、なお受けとめてくれた上でのこの言葉に、内海の心は一気に動かされます。散々積もりに積もらせた気持ちは、やっと彼に「遥が好き」と自覚させるだけの量になり、そして…

思わずキス
急展開!自覚してからキスをするまで、その間実に1コマという超速でございます。しかもこの後真一は、取り乱して外に駆け出すという乙女っぷりを発揮。マジでヒロイン過ぎる。キスの後に赤面で駆け出すってのは昔からヒロインと相場が決まっていたものですが、本作では30代も中盤に差し掛かろうとしているオッサンがソレをするという、この素晴らしさ。久しぶりに真一に萌えましたですよ、はい。
さて、物語はここで成就→完結という形にはなりません。キスをしたからと言って、遥に気持ちをちゃんと伝えたわけではないですし、ましてや保護者という立場である以上、これ以上ヘタに動くこともできないのです。このモヤモヤをどう晴らすのか、これから長い間、彼は葛藤し続けなくてはならないわけですが、だとしても読者からしたらニヤニヤ必至なわけで。もう楽しみとしか言いようがありません。とりあえず自分が好きだと自覚した後、その気持ちを小説にぶつけることになるのですが、小説の完成と共に、本作も完結、という流れになるんでしょうか。何はともあれキスをして以降、どんな感じになるのか、今から楽しみでございます。
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