このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [続刊レビュー] 2013.02.13
作品紹介はこちら→*新作レビュー* ろびこ「となりの怪物くん」
2巻レビュー→《気まぐれ続刊レビュー》ろびこ「となりの怪物くん」2巻
3巻レビュー→三者三様の考え方…女の子たちがとっても魅力的です《続刊レビュー》「となりの怪物くん」3巻
4巻レビュー→あさ子の可愛さに、目が離せない!《続刊レビュー》ろびこ「となりの怪物くん」4巻
5巻レビュー→あなたがわたしにくれたもの:ろびこ「となりの怪物くん」5巻
6巻レビュー→頑張る女の子は、かわいい:ろびこ「となりの怪物くん」6巻
7巻レビュー→それでも、人を求めてしまう:ろびこ「となりの怪物くん」7巻
8巻レビュー→はじまりはいつもこの階段で:ろびこ「となりの怪物くん」8巻
9巻レビュー→選択したときの後悔を無くすために:ろびこ「となりの怪物くん」9巻
10巻レビュー→二人の価値観を形成するもの:ろびこ「となりの怪物くん」10巻




1106237800.jpgろびこ「となりの怪物くん」(11)


そうだ
最初から
こう言えばよかったんだ



■11巻発売しました。
 順調に付き合い続けて来た水谷雫と吉田春。しかし、ふとしたことからハルへの嫉妬を感じはじめた雫は、次第に自分とハルとの違いが許せなくなっていく。そして、ハルの兄・優山の誕生日パーティで言い争いをしてしまった翌日から…ハルは再び学校に来なくなってしまって…!?
 
 
〜アニメ面白かったです〜
 11巻発売しております。アニメ化もされましたが、評判はどうだったんでしょうかね?個人的には非常に面白くて、最後まで見てしまいましたとも。思っていた以上にポップで、カラフルで、見ていて全然飽きなかったです。アニメ放映中に11巻が発売されるかと思ったのですが、終わったタイミングで刊行というのは、ちょっと珍しいような気も。
 
 そういえばアニメ公式サイトでは人気投票がされていたみたいですが、誰が1位になるんですかね?私はササヤンないし夏目さんが好きなのですが、果たして。結果は3月ということで、まだもうちょっと待たないといけないみたいです。


〜ササヤンと夏目さん〜
 そんな私が好きなササヤンと夏目さんですが、11巻ではちょっとドキッとするような絡みがありました。ササヤンが告白をしたものの、以降これといったアクションを見せるどころか、むしろいつもと変わりない素っ気ない態度で、夏目さんが逆に意識しちゃう…みたいな状態になっている二人、もうこの時点でニヤニヤものなのですが、今回はさらにニヤニヤなポイントが。
 
 珍しく中学時代の部活仲間との関係で思い悩むササヤン。そんな彼を見つけて、夏目さんは、
 

となりの怪物くん11−1
ちょっと距離を取るような言い方で慰める


 なかなかない種類の、夏目さんの優しさ。この照れ具合がなんともカワイイです。そして断れないであろう事を良いことに、ササヤンもちょっぴり大胆に…
 


となりの怪物くん11−2
肩に頭を。


 なんといってもこのド赤面がかわいすぎる。なんだってんですか、この赤面は!この赤面の意味は!?好きなの、ねえ、ササヤンのこと好きなの!?なんて思いたくなりますが、まだ「意識し始めた程度」という所で、「好き」には程遠いのでしょう。でも意識してくれただけでも大進歩です。この「お礼ですから!」という言葉は、ササヤンにクギをさすという意味合いだけでなく、自分自身に言い聞かせている部分も多分にあるんだろうなぁ、なんて。
 
 意識し始めたとはいえ、やはり二人でいる時限定で、今はまだ決して強い感情ではなさそうです。この後巻き起こった雫とヤマケンの一件でも、ササヤンと一緒に行動するのですが、全く意識していない様子。ササヤンがハルに言ったように、多分まだ全然、夏目さんの中では「雫>ササヤン」なんでしょうね。だって、初めてで一番の同性の友達ですし、「友達で良かった」って言われて思わず波だしちゃうくらい好きなんですもの。
 
 今回は夏目さんが結構頑張っていて、この一件だけでなく、雫に友達らしいアドバイスをしていたり。「友達に幸せになって欲しい」という一心からくる、彼女の一生懸命な行動の数々に、勇気づけられました。最後、ヤマケンの告白の骨を折らなければ完璧だったんですが、これもまた想いが強すぎるが故の行動。最後まで決まらない感じは、いかにも彼女らしいです。


〜ヤマケンの告白〜
 さて、本編でのもう一つのハイライトといえば、ヤマケンの告白でしょう。一度振られて以降、ちょっと大人しかった彼ですが、ハルの不在をチャンスと受け取ったのか、再度しっかりと自分の想いをぶつけることにしたのでした。
 
 一度「付き合って欲しい」と言うものの、夏目さんに妨害されてしまったがために、断念。しかし帰りしなたまたま一緒になり。そこで思わず告白ですよ。「どうしたい」以前の、ありのままの自分の気持ち。「好き」だと、素直に伝えたのでした。

 結局雫の気持ちが動くことはなく、今度こそしっかりとフラレてしまうわけですが、ヤマケンの表情はどこかスッキリ。ちゃんと自分の気持ちを伝えられたのが良かったのでしょうか。そして、こんな台詞を吐くわけですよ。


となりの怪物くん11−3
かませ犬が言いがちな台詞


 これ、かませ犬キャラが振られた際に言う台詞の定番なんですよね。もう、さすがかませ犬の鏡です、期待を裏切らないですね。これ以降、ヤマケンの登場回数ってどうなるんでしょうか。なんだかんだ登場してちょっかいかけてきそうな気がしますが、果たして。これといって大好きというキャラでもないのですが、いないならいないで、寂しいんですよね。



〜ヤマケンの告白がもたらしたもの〜
 ハルを相手にしている時に「自分の気持ち」が何かわからず悶えていた雫に、自分の「好きだ」という気持ちをぶつけてきてくれたヤマケンのこの告白は、決してムダ撃ちではなかったのではないかと思います。相手の気持ちを受け取って、自分の気持ちを考える。この過程は、ヤマケンに取って何も恩恵は無かったかもしれませんが、少なくとも雫には気持ちを前進させる作用があったんじゃないかと思います。
 
 
となりの怪物くん11−4
 結果雫がハルに向けて絞り出した言葉は、不格好で「ムカつく」なんて言葉ばかりでしたが、「ムカつく」なんて感情をそもそもしっかりと発露できる子でもなかったわけで。や、最後のハルとのやりとりは、何気に名シーンなんですって。元々あんまり「ムカつく」なんて言葉も使ってなかった気がしますし、これも人付き合いの中で変わって来たんですかね。色々と、交友関係が作用しての雫の言葉、感情なんです、あれはきっと。


■購入する→Amazon

カテゴリ「デザート」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。