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Tag [新作レビュー] 2013.02.25
adusayumi.jpg釣巻和「あづさゆみ」


もっともっと大人になるから
今だけ
ずっとよ



■子どもだからって、恋を知らないなんて思わないで。
 中学2年、春。いつも一緒に学校に行く仲の、幼なじみのはるの様子が少しおかしいことに気がついた、なる。なるを避けるようなはるの態度に、なるは戸惑ってしまうけれど…。14歳同士。不器用な二人が初めて味わう、淡く、苦い、幼なじみの恋のものがたり。

 「くおんの森」や「水面座高校文化祭」などを描かれている釣巻和先生のCocohana連載作でございます。どちらの作品もネットで話題になっていたりするので気にはなっていたのですが、今の今まで手つかずで、本作が初めての釣巻和先生作品になりました。
 
 本作は、とある町の男女の幼なじみの関係を描いたお話。中学2年から卒業までの、多感な時期を描きます。ヒロインは、幼なじみ相手では勝ち気ながら、外ではおとなしいメガネの“なる”。そしてそんな彼女に振り回されつつも、いつも優しく受け入れてくれる“はる”。二人の家は真向かいにあり、どちらの家庭もシングルマザーと、幼い頃から家族同然で一緒に過ごしてきたのでした。しかし中学が統合されて新しい中学に行くようになってから、はるはなんだか、なるを避けるように…。おかしいとは思いつつも、お互い素直になれない二人は、なぜだかすれ違うように…。


あづさゆみ1
「家族」だと思っていた関係の変容。お互いに男女として意識し始め、その想いは加速していく。


 表紙からもわかるかと思いますが、独特の絵柄が特徴的でございます。なんだかエロティックさも感じられる表紙ですが、そういうシーンはありませぬ。けれども、なんだか、とっても、エロい。これは絵柄がもたらすものなのか、意図的にそういう描き方をしているからなのかわかりませんが、なんだか終始、どこか見てはいけないものを見ているかのような感覚が、心の奥底に…。これって私だけなんでしょうかね。読んだ方に聞いてみたいです。
 
 さて、物語の方ですが、二人の幼なじみの「恋の自覚」→「恋心の発露」→「相手に見合うだけの男女になれているかの葛藤」といった段階を踏んで卒業までが描かれます。何か大きい事件が起こるわけではないですが、その局面で常に何かと戦いあがき続ける様子が、どこか痛々しくて、切ない。青春時代を、幼なじみという関係を、キレイに描こうという感じはあまりなく、汚い歪な形の心情も含めて全部落とし込みます。ゆえにスムーズに進むことはなく、どこかしらでやきもき感を抱くので、読むと結構疲れます(笑)


あづさゆみ
こんなところがエロティックというか。雨に濡れた中で、手のひらにキス。


 物語はなる視点が多いですが、私は男なので、どちらかというとはるの心情の方がより共感できる部分がありました。そんんでもってなるの行動には一部イライラしてしまったり(笑)一筋縄で行かない幼なじみを好きになっただけでも大変なのですが、まぁ何かと多感な時期ですし、ましてやシングルマザー家庭でありながら離婚はしていないので、その辺の複雑な事情も背伸びして受けとめてしまったり…。そういった過程を経て、はるは段々と良い男になっていくんです。


【男性へのガイド】
→リュウとかフェローズとかに載ってても違和感ないようなイメージです。ので、男性も是非。
【感想まとめ】
→一部イライラする所もありましたが(笑)1巻でしっかりとまとめてくれました。最後はやっぱり、ほっこり。幼なじみの関係の変化だけでなく、一人一人の成長という面で切り取ってみても、面白い作品であったと思います。


作品DATA
■著者:釣巻和
■出版社:集英社
■レーベル:Cocohana
■掲載誌:Cocohana
■全1巻
■価格:619円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
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高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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