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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2013.02.28
1106237627.jpgツナミノユウ「彗星継父プロキオン」(1)


ヒーローとよき父親…
二重生活は成立するのか?



■地球の平和を守るため、とある星から派遣された彗星人・プロキオン。自分が彗星人だということは隠し、世をしのぶ仮の姿、流星士郎として、ひっそりと暮らしていく……はずだった。あの人に出会い、恋に落ちるまでは!!!うっかり地球人のバツイチ子持ちの美人に恋して、再婚までしてしまったプロキオン!妻の連れ子・イクルくんは、父親として認めてくれるのか!?

 ツナミノユウ先生のITANでの2作目の連載作品でございます。タイトルは「彗星継父プロキオン」なのですが、彗星継父で“メテオトウサン”と読みます。これをルビなしで読める人はまずおるまい。そして読み方と共に、気になるのがその意味ですよね。彗星と継父ですから、全く想像がつきません。ということで、あらすじをご紹介しましょう。
 
 主人公は、とある星から地球に派遣された彗星人・プロキオン。日々エイリアンからの侵略の危機にさらされている地球を、異星人の魔の手から救い平和を保つのが、彼の任務です。そんなヒーローとして活躍するプロキオンですが、ある日地球人の女性(子持ちバツイチ)に一目惚れ。相手も即座に恋に落ち、その日のうちに結婚してしまいます。ところがどっこい、あろう事か妻は直後に海外転勤となり、家には連れ子のイクルくんとプロキオンだけが残されてしまいます。なんとかイクルくんと仲良くなろうとするプロキオンですが、自分がヒーローであることは明かせないため、見ためも相まってイクルくんの不信感は募るばかり…。地球の平和と、家族の平和、その両方をプロキオンは掴み取ることができるのか…!?というストーリー。


彗星継父プロキオン
ヒーローであることは隠さなくてはなりません。上手くごまかせればいいものの、そんな器用さはプロキオンにはないため、イクルくんに募る不安と不満。それはやがて怒りに変わり、時に爆発するのです。


 ヒーローものっぽく見せて、ヒーローものではありません。ヒーロー業(そんな業種あるのか)を生業とする異星人が、地球の連れ子を相手に四苦八苦する、家族もののコメディです。ってどちらにせよ女性向けであるITANに連載されているというのが驚きなのですが、この辺は編集部さんは気にしていないみたいです。
 
 物語は1話ごとに完結する形で進行。1話ごとにエイリアンがやってきて、それを成敗して完結という形になります。しかし物語の本題はそこに非ず。プロキオンにとって切実な問題なのは、むしろイクルくんとの関係の方。あの手この手で関係改善を計るのですが、どこか地球の感覚とずれているのか、空回りしてばかり。そしてタイミングの悪い時に出動要請と、ヒーローでありながらもの凄く不憫なんです。実はイクルくんはプロキオンの大ファン。しかし正体は、決して明かすことはできません。簡単に一発逆転できるのに、それは禁じ手、しかも彼の不信感を煽る一因にすらなるというこのジレンマ。不憫すぎて、不憫芸の域に達しているというか。
 
 また侵略してくるエイリアンをはじめとして、非常に登場人物が多いのもまた、本作の特徴と言えるでしょう。一発キャラから、レギュラーに定着してくキャラまで様々。そしてさすが男性の漫画家さんだからか、女性キャラが軒並みカワイイです。個人的にプッシュしておきたいのは、3人。イクルくんの学校で先生をして日銭を稼ぐ、リュカド星人の苅原瑠花(これまた空回り不憫かわいい)。イクルくんのクラスメイトでシャックブライガ星人の釈莉花ちゃん(凛として自由な所がかわいい)。そしてプロキオンの義妹にあたる諏訪子(変態かわいい)。


彗星継父プロキオン1
 中でも一番のお気に入りは、苅原先生です!!家を飛び出して賞金稼ぎをするも、プロキオンが先に狩っちゃって全然賞金稼げず、教師業が段々本業に…というこの寂しい感じがまずステキです。そしてプロキオンに恋をしてアプローチするも、全く相手にしてもらえないという、この不憫さ。もう完璧です。一人盛り上がってますが、めげない前向きさも良いですよね。もっと登場して欲しいですし、どこかで少しだけ報われて欲しいです(あくまで少しだけ)

 この作品の面白さは、レギュラーキャラないし準レギュラーキャラが、めげずに頑張るもどこか報われない…というサイクルの積み重ねによって生まれるような印象があって、いわゆる一発の勢いで笑いを生み出すような系統の作品とは異なるかと思います。積み重ねて笑いが生み出されるタイプで、ボディーブローのようにジワジワと効いてきます。前作「隠慎一郎」の時も同じ印象で、後半尻上がりに笑っていた記憶が。というわけで、2巻も非常に楽しみです。


【男性へのガイド】
→これはむしろ男性向けの媒体に載っている方がしっくり来るんじゃなかろうか。というくらい、男性にもオススメです。
【感想まとめ】
→ツナミノ先生には以前お会いしたので、あからさまに「面白い」とか書いちゃうとあれかなぁなんて思っていたのですが、面白いのだからもうレビュー書くしかないだろう、と思っていまして。もっと先生を不憫可愛く描いて欲しいです!(願望)


作品DATA
■著者:ツナミノユウ
■出版社:講談社
■レーベル:ITANコミックス
■掲載誌:ITAN
■既刊1巻
■価格:581円+税


■購入する→Amazon

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