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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2013.03.01
1106245211.jpg中村明日美子「君曜日 ─鉄道少女漫画2─」


うわなんか急に…
恥ずかしくなってきた…



■塾に行くことになった。そんな先で出会ったのは、違う学校同士の倉木アコちゃんと小平くん。隣の席で、消しゴムを貸したことをきっかけに、二人は言葉を交わすようになります。小平くんは、アコちゃんに興味津々。けれどもアコちゃんは、小平くんには興味はない様子。それもそう、アコちゃんは電車が好きで、そしてそれ以上に電車を愛する年上の男の人が好きなのだから。走り出した恋の列車の行き先は…?

 裏表紙とかにあらすじがないと、冒頭のあらまし紹介を書くのもひと苦労です。だってあれは言葉を職業にしている人たちが書いているもなわけですから、それに匹敵するものを書くのはなかなか難しいってものですよ。というわけで、初っぱなからヘタレていますが、「鉄道少女漫画2 君曜日」のご紹介です。前作「鉄道少女漫画」(→レビュー)は以前ご紹介しましたが、とても良い作品でした。こちらはそんな「鉄道少女漫画」に収録されていた「木曜日のサバラン」に登場した少女・倉木アコちゃんの物語。前作は1話読切り形式でしたが、こちらは全編彼女が主人公のお話です。
 
 あらすじは先に書いたとおりなのですが、中心となるキャラクターは二人。一人がアコちゃんで、もうひとりは同じ塾に通う元気な男の子・小平。誰とも気兼ねなく話せる社交的な性格の持ち主である小平は、口数少なく大人しいアコちゃんにも積極的に話しかけます。最初から興味があったのか、いつしか気になっていったのか、気がつけば彼女に恋していた小平は、積極的にアコちゃんにアプローチしますが、どうにもつれません。それもそのはず、彼女には叶わないとはわかっていても、それでも好きなお相手が…。


君曜日1
内気な性格のアコちゃんと正反対の、積極的で明るい性格の小平。名前を知るやいなや、すぐに名前で呼び捨てにできるようなフランクさを持っています。先生曰く、空気が読めない子。


 話が転がるパターンはいつも同じで、小平がアコちゃんのことをデートに誘ったり、勝手に帰りについて来たりと、彼の一方通行なアプローチを起点にしています。小平のことが全く好みでないため、アコちゃんは素っ気ない態度をとってしまいがちなのですが、一方で誘われたら断れない性格であるため、誘いには乗っちゃうという。序盤は明らかな小平の空回り。けれどもめげずに誘い続ける熱心さに、アコちゃんの鉄の心も段々と溶け、彼の存在を受け入れるようになっていきます。一方的に押し込む側と、強く反発できずに押し込まれる側で、なんともアンバランスな二人の関係なのですが、最終的にそれで収まりが良くなってくるのだから不思議。
 
 前作に引き続いて全体的にさらっとした印象(淡いというか)なのですが、これはメインの二人が自分の心情をわかりやすい言葉にして、相手に伝えることが少ないからかな、なんて思います。例えば小平はかなり積極的でありながら、決してアコちゃんに「好き」と言うことはありません。他の行動、言葉で気持ちを表す、このバランス感。一方のアコちゃんもそれは同じで、わかりやすくもどこか回りくどい心情描写が多め。だからこその、この雰囲気なのでしょう。
 

君曜日
 一方で、そんな彼女の対極を成すように、小平の幼なじみである女の子が投入されたりします。彼女は明確に小平のことを「好き」だと言い、若さと力強さに溢れており、これがまたとても印象的でした。


 前作は鉄道がテーマになっていたわけですが、本作も前作ほどではないものの、ちょこちょこと電車が登場します。今回は電車だけでなく、SLまでもが登場。高校生二人が秩父鉄道で旅をするなんていう、とっても渋いシチュエーションを楽しむことができます。SLと美少女なんてのも、オツなものですよ。


【男性へのガイド】
→楽園の作品ですから、元々男女両方向けという位置付けです。ですので、全く問題ないのでは。
【感想まとめ】
→言葉で表すのが難しいのですが、とにかく良い雰囲気が流れていて、そして面白いです。さすが中村明日美子先生という感じ。前作読んでいなくとも楽しめますが、前作を知っているとなお楽しめるかと思います。



作品DATA
■著者:中村明日美子
■出版社:白泉社
■レーベル:
■掲載誌:楽園
■全1巻(シリーズ2巻)
■価格:714円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
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レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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レビュー
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