作品紹介→フェチが過ぎて可愛い子がよだれダラダラ流しちゃったり:亜樹新「フェティッシュベリー」1巻
2巻レビュー→変態大集合が一変、切ない青春物語に:亜樹新「フェティッシュベリー」2巻
3巻&4巻レビュー→なんて自業自得すぎる展開…!:亜樹新「フェティッシュベリー」4巻
亜樹新「フェティッシュベリー」(5)
触れたい
って思うのはフェチだからなのかな?
■5巻発売、完結しました。
水原ひよりが理想とする、数多あるフェチパーツを全て兼ね備える俺様なクラスメイト・成田。成田には今でも忘れられない女性がいることを知って傷つくひよりに、幼なじみの貴臣が長年のひよりへの恋心を告げて来たけれど…。多角関係の恋の行方は ?それぞれの想いが交錯して混線中のフェティッシュラブコメ、感動の最終巻です。
〜完結しました〜
5巻発売で完結しました。段々と物語の結末へ向かって進んでいっている感じはありましたが、正直もう2〜3巻は少なくとも続くだろうと思っていたので、このタイミングでの完結はかなり驚きました。打ち切りか?なんて思いもしましたが、作者さんのブログを見た限りではそうではないみたいですね。完結すべくして、完結したのだと思います。
〜怒濤の告白ラッシュ〜
さて、4巻まで巻を重ねて来たわけですが、ここまで正式に告白をした人の数、ゼロ!!…というわけで、5巻はこれでもかという程に、怒濤の告白ラッシュとなっています。想いを告げられないままに、自分の心の奥底に押し込んで前に進むという選択肢もあるかと思うのですが、しっかりと皆に告白の場を用意してくれました。物語全体のバランスなんて関係ない。各キャラがしっかりと答えを出すためには、やっぱり告白が不可欠だったようです。
まず先陣を切ったのは、4巻で既に告白の匂いを漂わせていた貴臣。なんと彼、2回も告白したんです…!こういういかにもかませ犬って感じのキャラの告白は、私にとってこの上ないご褒美なんですが、それが2回もあったということで、大満足でした。そして貴臣の告白で一番素敵だったのが…

同い年の幼なじみなのに敬語で、精一杯
これは萌える。何気にみんな敬語だったりするのですが、貴臣が最も“らしい”といいますか。ポイントを良くわかっていらっしゃいます。さすがです。
この後、トワコに浅雛さんも続き、最後にひよりと成田です。それぞれの告白の顛末は、見てからのお楽しみということで…。どれも告白する側、される側、どちらを取っても良いシーンでした。
〜一番切なかった浅雛さん〜
4巻でかなり自業自得な展開に陥った浅雛さんですが、5巻もひよりの告白を食い止めようとするなど、思わず邪魔してしまうシーンが見られました。ひよりは成田に行こうとしていたのですが、それを止めるというのが少々不思議で。単純に貴臣のことが好きで付き合いたいのであれば、ライバルが他の人に向くのはむしろ歓迎すべき事なはずです。けれども彼女は、それを食い止めようとしました。その心が明らかになるのは、その少し後…

何よりも、大好きな貴臣の笑顔を守りたかった
彼のことが好きだから、彼の気持ちが自分に向いていないということは重々承知しています。そして、彼が誰を好きでいるかということも。4巻の時点では、自分の欲望を抑えられないでいて、かつそのために周りを抑制しようとする子なのかな、なんて思っていたのですが、何よりも貴臣の笑顔を最優先していた、という。彼の告白を止めようという時点で彼想いなのかはよくわかりませんが、それでも自分そっちのけで彼の笑顔が一番というスタンス、嫌いじゃないです。けれども抑えきれない周囲の人物たちの動きに引っぱられるように、彼女自身もまた自分の想いをぶつけることになるのでした。
そして想いを伝えるも、撃沈。けれどもそれは、貴臣にとっては確かに意味のあるものとなりました。

自分だけのものだったその気持ちを
誰かが見つける
叶わなくても
それはそこにちゃんと存在していた
5巻で一番印象的だったのはこのシーンなんですよね。叶わなかった想いも、誰かがそれを知っていれば、それはそこにちゃんと存在していたことになる。ふられた人の想いを、全肯定するようなこの言葉に、なんだかすごく勇気づけられました。自分の中にはあまりなかった感覚なので。しかし浅雛さん、この言葉に照らし合わせると、貴臣の想いを記憶しておく=肯定するだけの存在ということになりかねないわけで、ここまで頑張ってちょっと不憫だなぁ、なんて思ったり。その後、何か進展があるのですが、そこは何も描かれず、心の中で思い描くことにしましょう。
〜死んだライバルがいる時のジレンマ〜
さて、最後にひよりと成田です。この二人の間に横たわっていたのは、前回スポットが当たった成田の過去の想い人。既に亡くなっている彼女の存在をどう乗り越えて行くかという所がポイントとなっていたわけですが、あれだけの匂わせがあったにも関わらず、5巻では割とあっさりと乗り越えてしまいまいした。
このライバルが亡くなっているシチュエーションというのは、結構悩ましいものなんですよね。いない相手と戦わなくてはいけないしんどさというか。ライバルが存在している場合は、恋愛戦線において明確な勝ち負けが「付き合う/付き合わない」といった結果として出るので、非常にわかりやすいのですが、相手が亡くなっている場合はその軍配を上げることができないという。勝負分けというよりは、あくまで残された側の人たちによる「納得感」での勝負になってきてしまうんですよね。例えば「僕等がいた」はそれととことん戦った作品なのですが、やっぱり長引けば長引く程重たくなるわけで。本作はどちらかというとポップな作風ですし、お互いのトラウマと悩みはしっかりとお互いに補い合う形を作ることができました。手短かな展開ではあったものの、割と納得感のある結末だったように思います。
〜新連載〜
既にアヴァルスでは、亜樹新先生の新連載が始まっているようです。「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」というタイトルらしいのですが、なんだかとってもラノベっぽいというか。割とそういうノリの強い作風の亜樹新先生ですから、この作品も期待です。
■購入する→Amazon
2巻レビュー→変態大集合が一変、切ない青春物語に:亜樹新「フェティッシュベリー」2巻
3巻&4巻レビュー→なんて自業自得すぎる展開…!:亜樹新「フェティッシュベリー」4巻

触れたい
って思うのはフェチだからなのかな?
■5巻発売、完結しました。
水原ひよりが理想とする、数多あるフェチパーツを全て兼ね備える俺様なクラスメイト・成田。成田には今でも忘れられない女性がいることを知って傷つくひよりに、幼なじみの貴臣が長年のひよりへの恋心を告げて来たけれど…。多角関係の恋の行方は
〜完結しました〜
5巻発売で完結しました。段々と物語の結末へ向かって進んでいっている感じはありましたが、正直もう2〜3巻は少なくとも続くだろうと思っていたので、このタイミングでの完結はかなり驚きました。打ち切りか?なんて思いもしましたが、作者さんのブログを見た限りではそうではないみたいですね。完結すべくして、完結したのだと思います。
〜怒濤の告白ラッシュ〜
さて、4巻まで巻を重ねて来たわけですが、ここまで正式に告白をした人の数、ゼロ!!…というわけで、5巻はこれでもかという程に、怒濤の告白ラッシュとなっています。想いを告げられないままに、自分の心の奥底に押し込んで前に進むという選択肢もあるかと思うのですが、しっかりと皆に告白の場を用意してくれました。物語全体のバランスなんて関係ない。各キャラがしっかりと答えを出すためには、やっぱり告白が不可欠だったようです。
まず先陣を切ったのは、4巻で既に告白の匂いを漂わせていた貴臣。なんと彼、2回も告白したんです…!こういういかにもかませ犬って感じのキャラの告白は、私にとってこの上ないご褒美なんですが、それが2回もあったということで、大満足でした。そして貴臣の告白で一番素敵だったのが…

同い年の幼なじみなのに敬語で、精一杯
これは萌える。何気にみんな敬語だったりするのですが、貴臣が最も“らしい”といいますか。ポイントを良くわかっていらっしゃいます。さすがです。
この後、トワコに浅雛さんも続き、最後にひよりと成田です。それぞれの告白の顛末は、見てからのお楽しみということで…。どれも告白する側、される側、どちらを取っても良いシーンでした。
〜一番切なかった浅雛さん〜
4巻でかなり自業自得な展開に陥った浅雛さんですが、5巻もひよりの告白を食い止めようとするなど、思わず邪魔してしまうシーンが見られました。ひよりは成田に行こうとしていたのですが、それを止めるというのが少々不思議で。単純に貴臣のことが好きで付き合いたいのであれば、ライバルが他の人に向くのはむしろ歓迎すべき事なはずです。けれども彼女は、それを食い止めようとしました。その心が明らかになるのは、その少し後…

何よりも、大好きな貴臣の笑顔を守りたかった
彼のことが好きだから、彼の気持ちが自分に向いていないということは重々承知しています。そして、彼が誰を好きでいるかということも。4巻の時点では、自分の欲望を抑えられないでいて、かつそのために周りを抑制しようとする子なのかな、なんて思っていたのですが、何よりも貴臣の笑顔を最優先していた、という。彼の告白を止めようという時点で彼想いなのかはよくわかりませんが、それでも自分そっちのけで彼の笑顔が一番というスタンス、嫌いじゃないです。けれども抑えきれない周囲の人物たちの動きに引っぱられるように、彼女自身もまた自分の想いをぶつけることになるのでした。
そして想いを伝えるも、撃沈。けれどもそれは、貴臣にとっては確かに意味のあるものとなりました。

自分だけのものだったその気持ちを
誰かが見つける
叶わなくても
それはそこにちゃんと存在していた
5巻で一番印象的だったのはこのシーンなんですよね。叶わなかった想いも、誰かがそれを知っていれば、それはそこにちゃんと存在していたことになる。ふられた人の想いを、全肯定するようなこの言葉に、なんだかすごく勇気づけられました。自分の中にはあまりなかった感覚なので。しかし浅雛さん、この言葉に照らし合わせると、貴臣の想いを記憶しておく=肯定するだけの存在ということになりかねないわけで、ここまで頑張ってちょっと不憫だなぁ、なんて思ったり。その後、何か進展があるのですが、そこは何も描かれず、心の中で思い描くことにしましょう。
〜死んだライバルがいる時のジレンマ〜
さて、最後にひよりと成田です。この二人の間に横たわっていたのは、前回スポットが当たった成田の過去の想い人。既に亡くなっている彼女の存在をどう乗り越えて行くかという所がポイントとなっていたわけですが、あれだけの匂わせがあったにも関わらず、5巻では割とあっさりと乗り越えてしまいまいした。
このライバルが亡くなっているシチュエーションというのは、結構悩ましいものなんですよね。いない相手と戦わなくてはいけないしんどさというか。ライバルが存在している場合は、恋愛戦線において明確な勝ち負けが「付き合う/付き合わない」といった結果として出るので、非常にわかりやすいのですが、相手が亡くなっている場合はその軍配を上げることができないという。勝負分けというよりは、あくまで残された側の人たちによる「納得感」での勝負になってきてしまうんですよね。例えば「僕等がいた」はそれととことん戦った作品なのですが、やっぱり長引けば長引く程重たくなるわけで。本作はどちらかというとポップな作風ですし、お互いのトラウマと悩みはしっかりとお互いに補い合う形を作ることができました。手短かな展開ではあったものの、割と納得感のある結末だったように思います。
〜新連載〜
既にアヴァルスでは、亜樹新先生の新連載が始まっているようです。「ぼくのとなりに暗黒破壊神がいます。」というタイトルらしいのですが、なんだかとってもラノベっぽいというか。割とそういうノリの強い作風の亜樹新先生ですから、この作品も期待です。
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