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Tag [続刊レビュー] 2013.03.08
作品紹介→女子高の王子様を巡る青春純愛物語:サトーユキエ「愛しの可愛い子ちゃん」1巻



1106246735.jpgサトーユキエ「愛しの可愛い子ちゃん」(2)


今のこの気持ちのままで
この花の匂いを覚えてる



■2巻発売しました。
 今まで冴えない人生を歩んで来た教師・撫子。男ウケのいい夕奈の本音は?クールで品方向性な中島先輩の秘密…。女子校の王子様・潮を巡って織り成される純愛オムニバスシリーズ、第2弾!!
 

〜2巻発売です〜
 2巻発売しました。1巻、すごく良かったのですがタイトルと表紙で損しているような…。そして2巻も同じく…ということで、地道にレビューをして行くことにしましょう。とりあえず2巻で終わりではなく、まだ続くみたいなので良かった良かった。
 

〜1巻より一層ビターな2巻〜
 2巻も1巻と同様、毎回主人公が変わりオムニバス形式で進行していく内容になっています。物語の軸となるのはもちろん王子様・潮。ここまでは1巻と全く同じなのですが、読んだときの印象は、「1巻よりも更にビターだな」というものでした。今回収録されているのは4話なのですが、どれも恋愛を絡めつつ、話中で成就する恋愛というのは一つもないという状況。もちろんその中に希望を見出したり、救いは提示されるようになっているのですが、その過程としてどうしても痛みを伴うという。これがおそらくサトーユキエ節であり、魅力なのだと思いますが、なかなか読むのにエネルギーを使いますな。
 

〜男女の恋愛一色ではない〜
 1巻と大きく異なるという点では、今回収録されているお話のうち男女のガッツリ恋愛ものは1話しかなかったというところでしょうか。2つは自分自身の存在・生き方について、そしてもう一つは百合要素のあるお話でした。
 
 個人的に印象的だったのは、最初の2話「私の憧れの人」と「可愛い女の子」でしょうか。なによりこの2話の対比がとにかく徹底していて。「私の憧れの人」は、学生時代に自分らしさ・女らしさを出せずにコンプレックスとして抱えたまま大人になってしまった女性がヒロイン。学生時代の憧れの存在を前に、ダメな自分を変えようと鼓舞するお話です。一方「可愛い女の子」は、とにかく男の子の目を気にするような恋愛体質で可愛い女子生徒がヒロイン。この子もまた理想的な女の子を目の前に、自分と対比してイヤな気持ちを溜め込みます。片や歳相応の女子らしく生きれずに悩むヒロインで、片や女子らしく生きすぎたがために生き辛いヒロイン。わかりやすいほどに正反対の主人公を連続した物語に持ってきながら、どちらも現状不幸せで、どうにか抜け出そうともがいている。どこまでいっても女性というのは生きにくさを抱えるもので、大変なんだなぁ、と(若干他人事なのは、男なので口が割けても「わかる」とか言えないから)。
 

愛しの可愛い子ちゃん2−2
 ここから見るに、潮という存在は、生きにくさ=対象との比較で生まれる劣等感を吹き出させるための良い装置の役割を果たしているんですね。発露の仕方はひとそれぞれで、そして解決へのアプローチも人それぞれ。ここでのバリエーションの持たせ方が、物語の幅につながってくる。劣等感をぶつけられるなんて、潮は作中でもとばっちり食らって可哀想な役回りなのですが、そもそもの人物配置の時点で結構可哀想なのかも。なんて今回は潮に関しては、描写少ないとはいえずっとラブラブでしたから、当の本人は至って幸せなんでしょうけど。
 

〜やっぱり恋愛の話が好き〜
 3話目は百合要素が含まれており、そして今までの物語の中で一番ビターな内容となりました。ここまで来るとなかなか読み進めるのがしんどいのですが、4話目が実に少女漫画って感じのストレートな内容でして!とても良かったです。


愛しの可愛い子ちゃん2−1
ザ・青春恋愛もの


ここで改めて思ったのは、私はやっぱり青春恋愛ものが好きで、その純度が高い方が好みなのだな、ということ。4話目の二人は実に初々しくて、一生懸命恋してることが伝わってきて素敵でした。
 
 というわけで、2巻も引き続き面白かった本作。次回作も非常に楽しみでございます。


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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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