作品紹介→無口なおっとり美少女×無口で硬派なメガネ男子:森下suu「日々蝶々」
森下suu「日々蝶々」(3)
その気がないなら
やさしくしないで
■3巻発売しました。
縮まったかに思えた2人の距離。でも…もっと近づきたいと思うすいれん。初めての感情に戸惑う川澄。おたがいを思う気持ちがすれ違いを生んで…!?純粋すぎて、不器用すぎて、胸いっぱいの3巻です。
ついこの間ご紹介したばかりなのですが、3巻が発売されましたのでここでもう一度レビューをば。というわけで、「日々蝶々」でございます。面白い作品だと思うのですが、世間ではさほど話題になっていないんですかね?書店での積み方も割と地味目でした。あと表紙が小春さんだったんで、一瞬気づけなかったっていう。前回のレビューを見直してみても、小春さんの名前は一度も登場しておらず…いや、正直このまま段々とフェードアウトしてくと思ってたんですよ。まさか3巻で、あんなにもスポットが当てられて、さらに表紙まで飾ってしまうなんて、その時は思ってもいなかったのです…。
〜恋する美少女小春さん〜
3巻はとにかく小春さんが素敵でした。もちろんメイン二人もいい感じでその想いを育てているのですが、やはりその歩みは非常に遅く、2巻ラストからさほど進まず。そんな2人の横で、誰よりも恋しているオーラを出していた小春さんに目が行くのは、当然の成り行き(?)というわけです。
すいれんと川澄が夏祭りに行ったことを知って引き下がると思いきや、それでも諦めきれな彼女。変な男に絡まれている所を川澄に助けられ、むしろその想いを一層強くします。これまでは川澄に色目を使ったり、すいれんの邪魔をしようとしたりと、よろしくない方面の表情ばかりが目立っていた彼女ですが…

こんな表情だってできるんですよ!!!!
なんですか、このかわいい恋する乙女は…!その恋心は、決していい加減なものではありませんでした。しかしそれだけ大切で、相手のことを想うからこそ、見えてきてしまうこともあるのです。そう、決して川澄は自分を好きにはならないということが。抱いていた予感は、直接彼に問いかけることで明確なものとなり、以降彼女のこの恋におけるスタンスに変化が見られるようになります。

せめて誰のものでもない川澄くんでいて欲しい
これは性格が悪いというか、なんというか。この感覚って、どちらかというと女子が川澄に抱くというよりも、男子がすいれんに抱く方がしっくり来る感じがありますよね。手が届かないという前提があって、それでいて相手を非常に祭り上げている。「高嶺の花に恋なんて、上手くいくわけない…」そんなことを川澄に言っていた彼女自身が、自らをそのポジションに落としてしまっていたという。
それでもそうして納得出来るほど、彼女も落ちぶれてはいません。やっぱり諦められないものは、諦められない。表向きのスタンスと、内側で抱いている感情とのせめぎ合い。一緒にお昼を食べながらも、非常にストレスフルな日々を送っていたのではないかと、勝手に妄想してしまったり…。そして最後の最後、本当に自分の気持ちを出しきったシーンは、非常に感動的でありました。今回作中で2回も泣いちゃっててなかなかかわいそうだったのですが、これできっとファンが増えたはず。かく言う私も、3巻で完全に彼女の虜ですとも。しかしこれで「君に届け」のくるみちゃんみたいに、だんだん影が薄くなっていくのでしょうが…。だとしたら、少し寂しいです。
〜川澄がすいれんに惹かれる理由は?〜
しかし川澄はなぜ小春さんではなくてすいれんなんでしょう?すいれんは、ピンチを救ってもらったとか、一目で好きになられなかったとか、わかりやすいきっかけが描かれているのですが、川澄の場合そういうのがないんですよね。花火大会でのドキドキとかあったのかもしれないですが、こう、他の男子とは違うって所が見られると嬉しいというか。
すいれんが惹かれるきっかけとなっている、一目惚れの素振りがなかったってのは、まさにそれになるのかもしれませんが、でも川澄はすいれんのことしっかりとかわいいって思ってたりするんですよね。高嶺の花だ、って。
ここでポイントとなってくるのは、すいれんの恋愛をどう描くかという作り手側のスタンスなんじゃないでしょうか。この物語を「高嶺の花と目される少女の恋」として描くのか、「高嶺の花と言われているけれど、その実普通の女の子の恋」として描くのか。前者であれば現在の背景強化で充分なのですが、後者であるのなら、それに足る理由付けが欲しいところ。帯で「王道少女漫画」と謳っているのであれば、やっぱり後者で行って欲しいし、私も後者を望みたいところ。そこについてはこれからのやりとりで醸成されてくる部分なのかもしれませんが、そのための動機が、ね。なんて、

こんなことされたらもうどうしたって「かわいい」って思っちゃいますし、結果相手のペースにはまっちゃいますし。川澄、ここ踏ん張りどころです。
■購入する→Amazon

その気がないなら
やさしくしないで
■3巻発売しました。
縮まったかに思えた2人の距離。でも…もっと近づきたいと思うすいれん。初めての感情に戸惑う川澄。おたがいを思う気持ちがすれ違いを生んで…!?純粋すぎて、不器用すぎて、胸いっぱいの3巻です。
ついこの間ご紹介したばかりなのですが、3巻が発売されましたのでここでもう一度レビューをば。というわけで、「日々蝶々」でございます。面白い作品だと思うのですが、世間ではさほど話題になっていないんですかね?書店での積み方も割と地味目でした。あと表紙が小春さんだったんで、一瞬気づけなかったっていう。前回のレビューを見直してみても、小春さんの名前は一度も登場しておらず…いや、正直このまま段々とフェードアウトしてくと思ってたんですよ。まさか3巻で、あんなにもスポットが当てられて、さらに表紙まで飾ってしまうなんて、その時は思ってもいなかったのです…。
〜恋する美少女小春さん〜
3巻はとにかく小春さんが素敵でした。もちろんメイン二人もいい感じでその想いを育てているのですが、やはりその歩みは非常に遅く、2巻ラストからさほど進まず。そんな2人の横で、誰よりも恋しているオーラを出していた小春さんに目が行くのは、当然の成り行き(?)というわけです。
すいれんと川澄が夏祭りに行ったことを知って引き下がると思いきや、それでも諦めきれな彼女。変な男に絡まれている所を川澄に助けられ、むしろその想いを一層強くします。これまでは川澄に色目を使ったり、すいれんの邪魔をしようとしたりと、よろしくない方面の表情ばかりが目立っていた彼女ですが…

こんな表情だってできるんですよ!!!!
なんですか、このかわいい恋する乙女は…!その恋心は、決していい加減なものではありませんでした。しかしそれだけ大切で、相手のことを想うからこそ、見えてきてしまうこともあるのです。そう、決して川澄は自分を好きにはならないということが。抱いていた予感は、直接彼に問いかけることで明確なものとなり、以降彼女のこの恋におけるスタンスに変化が見られるようになります。

せめて誰のものでもない川澄くんでいて欲しい
これは性格が悪いというか、なんというか。この感覚って、どちらかというと女子が川澄に抱くというよりも、男子がすいれんに抱く方がしっくり来る感じがありますよね。手が届かないという前提があって、それでいて相手を非常に祭り上げている。「高嶺の花に恋なんて、上手くいくわけない…」そんなことを川澄に言っていた彼女自身が、自らをそのポジションに落としてしまっていたという。
それでもそうして納得出来るほど、彼女も落ちぶれてはいません。やっぱり諦められないものは、諦められない。表向きのスタンスと、内側で抱いている感情とのせめぎ合い。一緒にお昼を食べながらも、非常にストレスフルな日々を送っていたのではないかと、勝手に妄想してしまったり…。そして最後の最後、本当に自分の気持ちを出しきったシーンは、非常に感動的でありました。今回作中で2回も泣いちゃっててなかなかかわいそうだったのですが、これできっとファンが増えたはず。かく言う私も、3巻で完全に彼女の虜ですとも。しかしこれで「君に届け」のくるみちゃんみたいに、だんだん影が薄くなっていくのでしょうが…。だとしたら、少し寂しいです。
〜川澄がすいれんに惹かれる理由は?〜
しかし川澄はなぜ小春さんではなくてすいれんなんでしょう?すいれんは、ピンチを救ってもらったとか、一目で好きになられなかったとか、わかりやすいきっかけが描かれているのですが、川澄の場合そういうのがないんですよね。花火大会でのドキドキとかあったのかもしれないですが、こう、他の男子とは違うって所が見られると嬉しいというか。
すいれんが惹かれるきっかけとなっている、一目惚れの素振りがなかったってのは、まさにそれになるのかもしれませんが、でも川澄はすいれんのことしっかりとかわいいって思ってたりするんですよね。高嶺の花だ、って。
ここでポイントとなってくるのは、すいれんの恋愛をどう描くかという作り手側のスタンスなんじゃないでしょうか。この物語を「高嶺の花と目される少女の恋」として描くのか、「高嶺の花と言われているけれど、その実普通の女の子の恋」として描くのか。前者であれば現在の背景強化で充分なのですが、後者であるのなら、それに足る理由付けが欲しいところ。帯で「王道少女漫画」と謳っているのであれば、やっぱり後者で行って欲しいし、私も後者を望みたいところ。そこについてはこれからのやりとりで醸成されてくる部分なのかもしれませんが、そのための動機が、ね。なんて、

こんなことされたらもうどうしたって「かわいい」って思っちゃいますし、結果相手のペースにはまっちゃいますし。川澄、ここ踏ん張りどころです。
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