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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2013.05.10
1106266033.jpgアサダニッキ「ナビガトリア」(1)


あるから
いたいの



■突然クビを宣告されてしまった東京在住のこより……。頼れるのは一度行った島根県の野々村家だけ。到着するなり、長男・昭との色恋が騒がれ、結婚祝いの品が続々到着……!?はじめは温かく迎えてくれた島根の人々にも、それぞれ事情があるようで……!?幸せの指針・北極星を探す旅。縁結びの神様のいる島根県を舞台に、地方ドラマスタートです!!

 「青春しょんぼりクラブ」(→レビュー)を描かれているアサダニッキ先生のBE・LOVE連作でございます。何やら角川書店でも新刊が出るらしく、合同フェアが催されています。いつの間にやらこんなに連載持ってたのですか、すごい!
 
 というわけで、「ナビガトリア」のご紹介です。物語のヒロインは、東京で働くOLのこより。仕事に追われる毎日の中、ネットで知り合った島根在住の女性を訪ねて行くと、そこに待っていたのは中学生の男の子と、その兄と姉。同世代の女性だと思っていたら、実は騙されていたのでした。出会い目的の男を騙して遊んでいたらしいのですが、さすがに今回は申し訳ないと、彼らの家に泊めてもらい、楽しい一夜を過ごしたのでした。それから数ヶ月…こよりに突きつけられたのは、まさかのクビ宣告。頼る相手もおらず、前に訪れた島根の野々村家にリフレッシュを兼ねてお世話になりに行ったのですが、なぜか長男・昭の結婚相手と認識され、事態は思わぬ方向に…!?というお話。


ナビガトリア1
ナビガトリアとは、北極星のこと。一家を支える昭が、自分のことをそう例える。


 都会の生活に疲れた女性が、田舎の温かい家族に触れて自分の居場所を見出していくという、ゆったりスローライフなホームドラマ。ネットのプロフィールを鵜呑みにして会いに行ったり、一度お世話になっただけなのに転がり込んでしまったりと、なかなか素直でかつ甘える相手がいないヒロインと、ついつい人を招いてしまう懐の大きさとちょっとした寂しさを抱える家族との思惑が一致したことで実現したシチュエーション。つながりとして大丈夫なのかという感はあるものの、良い感じでタイミングがあう相手ってのはいるわけで、ヒロインは迎えられるべくして迎えられたんじゃないかな、と勝手に思っています。
 
 物語のメインになるのは、こよりと、野々村家の長男である昭との恋愛模様。両親は既に他界しており、親代わりとなって弟と妹を育てている昭は、面倒見がよく、この歳で既に自分の未来よりも妹たちの未来を優先しているような人。非常に良い青年なのですが、田舎ですから出会いもなく、そこに現れたこよりはまさに相手にうってつけ。彼自身は「東京出身の相手でここに留まるはずもない」と思ってはいるものの、周囲は既に後押しモードで、こよりも段々とこの土地に居場所を見出すようになっていきます。お互いに好意は見え隠れするものの、「東京の人を引き止めては悪い」と遠慮する昭に、部外者として引け目を感じるこよりは、互いに牽制しあいその関係は遅々として進展しません。田舎ならではのゆったりとした時間の中で、ゆっくりと育まれる二人の関係は、なかなか微笑ましいものがあります。


ナビガトリア
お互いに好意は持っているけれど、いざ決心するにはまだ微妙な距離。駆け引きというほどアグレッシブでもないけれど、そんな二人のゆらゆらとした関係が、なんだか心地良い。


 また、物語は田舎ならではのご近所付き合いやご近所さんの抱える問題に巻き込まれる、なんてお話もたびたび投入されてきます。田舎だからこそ、それぞれに鬱屈した想いみたいなものを抱えていて、物語全体に流れる雰囲気は決して優しいものだけではありません。田舎の社会で生きる上の、酸いも甘いも受けとめて、だんだんとこの土地に馴染んでいく、その過程が面白い。自ら選び取って地方暮らしを選択している感が、よりヒロインを応援したくさせるというか。物語の終着点はもう見えているので、あとはそれをどう彩るのか。一筋縄ではいかなそうな環境で、ヒロインがどのように自分の居場所を獲得していくのか、注目です。


【男性へのガイド】
→ホームドラマ的な温かさのある作品。4コマのまんがタイムとか、そういう系統がお好きな方は良いのではないでしょうか。
【感想まとめ】
→こぢんまりとした中で紡がれる、人と人のつながりを描いた物語。やや地味な感はありますが、結構好きです、こういうの。2巻が楽しみですねー。



作品DATA
■著者:アサダニッキ
■出版社:講談社
■レーベル:KC BE・LOVE
■掲載誌:BE・LOVE
■既刊1巻
■価格:429円+税


■購入する→Amazon

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
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王国の子
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レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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