
ユーグレナ王子か…
■微生物研究者の松江留架は孤独だった。彼の研究対象のユーグレナ
またおバカな作品が登場しましたよ。いや、テーマはとっても学術的なんですが、発想がおバカというか。というわけで、「ミドリムシは植物ですか?虫ですか?」のご紹介です。物語の主人公は、ユーグレナ(ミドリムシ)をこよなく愛する生物学者の松江教授。若くして教授の地位を射止めた才能溢れる彼なのですが、その伝えたいミドリムシ愛を受けとめてくれる人はなかなかおらず、いつも孤独に研究を重ねていたのでした。そんなある日、研究室で「ユーグレナ王子」と呟いたところ(端から見ると結構アブナイ人)、突如目の前に全裸の外国人が登場。どうやら彼は、ユーグレナ王子だと言うのですが…
のっけから興味を惹かれる長いタイトルですが、答えは単行本を読めばわかります。ちなみに作中では、ミドリムシは人間です。いや、ちょっと語弊があるか。擬人化ものとは異なり、完全に人の形をしてミドリムシが登場してきます。普通にものは食べれるし、喋れるし、人間世界に適応している。目的は全く分かりませんが、特に語られない所を見ると、愛が強すぎて具現化してきてしまった…って程度に捉えておくとしっくり来るかもしれません。愛を持て余した孤独な研究者の想いを、全身で受けとめてくれる存在とでもいいますか…。

また本作、イケメンのユーグレナ王子だけでなく、クマムシが人間化したゴスロリ美少女・クマ子も登場します。こちらもまたクマ子の目的はよくわからず、ユーグレナ王子と同じような位置付けで良いかと。画像は、覚醒した後の決めゼリフ。かっこいいです。普段は大人しくて眠そうな女の子です。しかしすごいですよね、本作のメインテーマがミドリムシとクマムシっていう。
ユーグレナは最近栄養補助食品などで注目を集めていますし、クマムシはその過酷な条件への耐性という部分でネットで話題になっていたりしますが、それでも…。ちなみに物語は大学の研究生活でのトラブルを、みんなで解決していくというもので、その中でユーグレナやクマムシの特殊能力は活かされていきます。かといってそれである必要があるかと言われると、疑問ではあるのですが、そもそもこういう発想のお話にそんな考えは無用なわけで。とにかく不思議で楽しい世界を楽しみましょう。楽しんだもの勝ちなんです、こういうのは。また何気に巻数付いていますし、本誌での支持も集められているのかもしれませんね。
【男性へのガイド】
→レーベルからもわかるように、モロ女性向け、ということで男性はちょいとハードル高いか。
【感想まとめ】
→いや、正直物語に関して言えばどう紹介して良いのか困るのですが、このインパクトだけは伝えておきたいな、ということで今回ピックアップしてみました。好き放題描いている感は伝わってくるので、全体的に楽しい物語に仕上っています。
作品DATA
■著者:羽鳥まりえ
■出版社:エンターブレイン
■レーベル:ビーズログコミックス
■掲載誌:コミックビーズログエアレイド
■既刊1巻
■価格:620円+税
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