
3日に一回でいいから
タケル君におはようって言ってもらえるなら
お父さんや瞬ちゃんに迷惑かけても
同じ高校に行きたかったんだもん
■昨日第3巻発売しました。
ヒロインの秋姫は天狗の娘で、山にすむ天狗の父親とは離れ、下界で人間の母親と暮らしながら中学校に通っていた。天狗の血を引く彼女は、当然後継者として期待されているのだが、本人には全くその気はなく、もっぱら同級生のタケル君のことで頭がいっぱい。中学を卒業したらお山に入って修行をするという言いつけも聞かず、タケル君も通う町から少し離れた高校に入学する。娘の身を案じた天狗の父は、秋姫の幼なじみで、お山で天狗になるため修行を積んでいる瞬を同じ高校に入学させるのだが…。
天狗がごく普通に存在する世界で、天狗の娘が後継者という宿命に抗いながら、ごく普通の女の子として生活することを願うという青春ファンタジー。なんて書くと大層なストーリーのように見えるかもしれませんが、ヒロインが天狗の子というだけで、後は普通の少女マンガです。天狗の子といっても、見た目は全く普通の女の子で、ごく普通に高校に通っています。ただかなりの大食いで、力がとっても強いぐらいで。じゃあ別に天狗の子って設定でなくてもって思われるかもしれませんが、ちゃんと天狗の子ならではのイベントを用意していて、ストーリー中で生かしています。それでも基本は、好きな男の子がいて、どうやって距離を縮めようかっていうオーソドックスな少女マンガのもの。またその描き方がものすごく自然で、あっという間にその世界に引き込まれてしまいます。
岩本ナオさんの作品は、その魅力を説明するのが結構むずかしくて、わかってもらうためにはとりあえず読んでいただきたいというか。3巻では、女の子たちそれぞれの恋がゆっくりと動きだします。だけどそこだけに終始しないのがこのお話の魅力。どうやら瞬ちゃんが今後のキーになってきそうな雰囲気ですねぇ。次巻も楽しみです。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→基本は少女マンガ。それでも男性に読ませてしまう雰囲気を持っているのが岩本作品の特徴。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→「雨無村~」の方が好みなので星4つですが、それでも強くお薦めしたい作品です。でもなんとなく、マンガ読みの人こそが好みそうな作品ではあるんだよなぁ。
作品DATA
■著者:岩本ナオ 作者ブログ→「岩本ブログ」RSS購読してますが面白いですよ
■出版社:小学館
■レーベル:flowersフラワーコミックスα
■掲載誌:flowers(2007年6月号~連載中)
■既刊3巻
■定価:各400円+税
■「このマンガがすごい! 2009
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