1巻レビュー→ここは男が絶滅してから2000年後の世界:阿仁谷ユイジ「テンペスト」1巻
2巻レビュー→人類の命運よりも守りたいものが生む歪み:阿仁谷ユイジ「テンペスト」2巻
3巻レビュー→“普通”から“特別”への昇華:阿仁谷ユイジ「テンペスト」3巻
阿仁谷ユイジ「テンペスト」(4)
私も
キラルを示したかった
■4巻発売しました。
2000年間、誕生し得なかった〈男〉の創出のため、冷凍保存精子による受精実験を開始した中央。すべての被験者が着床に失敗する中、唯一〈妊娠〉に成功したカヤシマに異変が。一方、女性消滅を引き起すサキュバス現象が中央付近で観測され、隔離中の皇がサンプル回収に向かう。男であることを隠し続ける姫と、彼を嫌悪する皇、二人の距離が限りなく縮まっていく……!?
〜ド変態のキリエさんばかり印象に…〜
4巻発売致しました。今月のITANは「昭和元禄落語心中」に「梅鴬撩乱」と、結構主力そろい踏みな感があります。さて、「テンペスト」ですが4巻に差し掛かって俄然盛り上がってきましたよ!…キリエさんが。いや、色々見どころはあったと思うんですけど、今回ばかりは最初から最後までキリエさんしか印象に残ってないです。もう、圧倒的な存在感でした。こんなにも存在感を放っているのに、なお表紙を飾れずにいるという不憫さ。いや、それ以上に、作中でも不憫だったような…。そのお話は後々にするとして、まずはキリエさんの変態っぷりからの赤面をご覧ください。
まずはこちら、ヘルスチェックをするために服を脱いでいる姫に「私がみてやろうか?」なんて早速変態チックに恍惚の表情で言ってみたら、靴が飛んできて頑なに拒否されてからの…

このドキドキが止まらない感
ど変態じゃないですか!こうして姫の知らない部分を引き出すことに快感を覚えてしまう、なんて不器用で質の悪い人なんだ。正直姫に対して歪んだ感情のままに悪事を働くだけ印象悪いのですが、こういう表情見せられちゃうと1センチぐらい肩入れしたくなっちゃうという。しかもキリエさん、こっからもう一発ありますから。それは、サキュバスが中央付近を襲った時。逃げ遅れたカヤシマさんを、姫が助けに行こうとしたときのこと。カヤシマは放っておけと言ったキリエを、姫がビンタ。

そこで本音と赤面を
なんですかこの仄かなデレは…!かなり緊迫したシチュエーションであったのですが、この一瞬だけはそれも吹っ飛ぶという、キリエさんの純情っぷり。ただの恋する素直になれない女の子です。このページの最後とか、完全にしおらしくなってしまって、「誰だお前」って感じです。この4巻で、この様子をみて、キリエさんが好きになった人は少なからずいるであろう、と。
〜ついに物語は動いたけれど〜
さて、最初の方で「キリエさんは不憫」と書きましたが、何が不憫だったかって、そりゃあもう最後の幕引きですってば!4巻ラストでネタバレになるので、あまり触れたくないのですが、この最後のシチュエーション、キリエからしてみれば、これ以上ない感動の場面だったわけですよ。密かに想いを寄せて寄せて寄せた相手が、自分の髪を優しく撫で「行ってきます」と言ってくれた相手が、壁の向こうで絶対に死んだと思っていた相手が、奇跡的に生きていて、今自分の腕の中にいる。すぐに思うのは、キセキなんて言葉でしょうか。それこそ感動の再会。しかしそんな想いを寄せる相手は、自分の姿なんか目もくれず、別の人を見ていた。感動も束の間、壁で隔てられた際に思い浮かんだ疑問が、一瞬の喜びの後、みるみると大きくなっていくのでしょう。さて5巻、キリエさんはどんな様子になるのやら。というか、たぶんキリエさんにとってはダブルパンチなんですよね。男ってことと、姫が誰を好きかってこと、それが目の前にボンっと表れた時、どんな表情をするのやら。あれ、これって姫に対するキリエさんの感覚ですかね?いや、そんなことはないない…(ニヤニヤ)
■購入する→Amazon
2巻レビュー→人類の命運よりも守りたいものが生む歪み:阿仁谷ユイジ「テンペスト」2巻
3巻レビュー→“普通”から“特別”への昇華:阿仁谷ユイジ「テンペスト」3巻

私も
キラルを示したかった
■4巻発売しました。
2000年間、誕生し得なかった〈男〉の創出のため、冷凍保存精子による受精実験を開始した中央。すべての被験者が着床に失敗する中、唯一〈妊娠〉に成功したカヤシマに異変が。一方、女性消滅を引き起すサキュバス現象が中央付近で観測され、隔離中の皇がサンプル回収に向かう。男であることを隠し続ける姫と、彼を嫌悪する皇、二人の距離が限りなく縮まっていく……!?
〜ド変態のキリエさんばかり印象に…〜
4巻発売致しました。今月のITANは「昭和元禄落語心中」に「梅鴬撩乱」と、結構主力そろい踏みな感があります。さて、「テンペスト」ですが4巻に差し掛かって俄然盛り上がってきましたよ!…キリエさんが。いや、色々見どころはあったと思うんですけど、今回ばかりは最初から最後までキリエさんしか印象に残ってないです。もう、圧倒的な存在感でした。こんなにも存在感を放っているのに、なお表紙を飾れずにいるという不憫さ。いや、それ以上に、作中でも不憫だったような…。そのお話は後々にするとして、まずはキリエさんの変態っぷりからの赤面をご覧ください。
まずはこちら、ヘルスチェックをするために服を脱いでいる姫に「私がみてやろうか?」なんて早速変態チックに恍惚の表情で言ってみたら、靴が飛んできて頑なに拒否されてからの…

このドキドキが止まらない感
ど変態じゃないですか!こうして姫の知らない部分を引き出すことに快感を覚えてしまう、なんて不器用で質の悪い人なんだ。正直姫に対して歪んだ感情のままに悪事を働くだけ印象悪いのですが、こういう表情見せられちゃうと1センチぐらい肩入れしたくなっちゃうという。しかもキリエさん、こっからもう一発ありますから。それは、サキュバスが中央付近を襲った時。逃げ遅れたカヤシマさんを、姫が助けに行こうとしたときのこと。カヤシマは放っておけと言ったキリエを、姫がビンタ。

そこで本音と赤面を
なんですかこの仄かなデレは…!かなり緊迫したシチュエーションであったのですが、この一瞬だけはそれも吹っ飛ぶという、キリエさんの純情っぷり。ただの恋する素直になれない女の子です。このページの最後とか、完全にしおらしくなってしまって、「誰だお前」って感じです。この4巻で、この様子をみて、キリエさんが好きになった人は少なからずいるであろう、と。
〜ついに物語は動いたけれど〜
さて、最初の方で「キリエさんは不憫」と書きましたが、何が不憫だったかって、そりゃあもう最後の幕引きですってば!4巻ラストでネタバレになるので、あまり触れたくないのですが、この最後のシチュエーション、キリエからしてみれば、これ以上ない感動の場面だったわけですよ。密かに想いを寄せて寄せて寄せた相手が、自分の髪を優しく撫で「行ってきます」と言ってくれた相手が、壁の向こうで絶対に死んだと思っていた相手が、奇跡的に生きていて、今自分の腕の中にいる。すぐに思うのは、キセキなんて言葉でしょうか。それこそ感動の再会。しかしそんな想いを寄せる相手は、自分の姿なんか目もくれず、別の人を見ていた。感動も束の間、壁で隔てられた際に思い浮かんだ疑問が、一瞬の喜びの後、みるみると大きくなっていくのでしょう。さて5巻、キリエさんはどんな様子になるのやら。というか、たぶんキリエさんにとってはダブルパンチなんですよね。男ってことと、姫が誰を好きかってこと、それが目の前にボンっと表れた時、どんな表情をするのやら。あれ、これって姫に対するキリエさんの感覚ですかね?いや、そんなことはないない…(ニヤニヤ)
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