
この家族ごっこも
もしかしたら長くは続かないかもしれない
でもしばらくは
こうしていたい
■4巻発売、完結しました。
人々の悪夢を食べる獏。獏といっても動物ではなく、悪夢を振り払う術師のことを言う。ネオンもそんな貘の一人。といってもまだ半人前の見習いで、正式な獏であるリンのアシスタント・夢人として、同じく夢人のセレンと3人で生活している。今日もまた、悪夢に苦しむ人々の依頼に応えるべく、夢を食べ続ける…。
夢を食べる術師・獏の一行を描いたファンタジーです。夢を食べると言いますが、文字通り獏は悪夢を食べて生きています。そういう意味で、人間とは異なるものの、彼らも元々は人間。獏として契約することで、人間とは異なる存在になります。そしてそんな獏と遠い昔から敵対するのが夢魔。夢魔は人間に悪夢を見せ、精神が弱ったところでその魂を食べる生き物で、彼らの作り出す悪夢は獏曰く「マズい」とのこと。そんな不思議な世界で繰り広げられる夢を巡る物語を、読切り形式で展開させていきます。

リンたち御一行。ケンカしつつも仲良くやっている。
ケンカしながらも、仲良く通常通りに依頼をこなすリン達3人。ところがココにきて夢魔たちの活動が活発になってきます。どうやら狙いは獏の中でも特に強力な力を持つと言う獏三強の存在。彼らの魂を食べると、夢魔は強大な力を手に入れることができるというのだ。そんな獏三強のうちの一人であるリンも当然狙われてきます。それに対し獏達も団結して徹底抗戦。そんな争いの始まりから終わりを、作品では追っていきます。
基本は読切りで展開。そこに大筋である獏と夢魔の交戦を絡め、物語は進んでいきます。そのバランスの取り方が絶妙で、毎回出来事が完結して楽しめつつも、全体としての物語の進行も楽しめるという2度美味しい内容。設定も上手くまとまっていて、下手に広がりを見せることはせず、条件相応にコンパクトにきっちりまとめてあります。これは上手ですね。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→万人に読みやすいファンタジーだと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→物語の設定から、展開、いずれもお上手。それぞれキャラも立っているし、良作だと思います。
作品DATA
■著者:びっけ
■出版社:一迅社
■レーベル:ZERO-SUMコミックス
■掲載誌:MAGAZINE ZERO
■全4巻