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Tag [新作レビュー] 2013.07.22
1106245707.jpgねむようこ「トラップホール」(1)


じゃあここはどこ?
私が落ちた
ここはどこなの?



■2巻発売しました。
 29歳、三十路目前。ハル子の幸せは、婚約者の突然の一言であっけなく崩れ去ってしまった。優しく慰めてくれる家族や友人に励まされながらも、どこか息苦しさを感じてしまう毎日。そんな逃げ場を求める彼女に、東京に住む同級生・浅野は「上京してきちゃいなよ」ともちかけてきて…。幸せ絶頂からの急転直下。崖っぷちを通り越して、どん底に落ちたハル子の人生リスタート、開始!
 
 「午前3時の〜」シリーズのねむようこ先生の、祥伝社での新連載になります。2巻発売したのですが、1巻ご紹介していなかったので、このタイミングでレビューをお届け致します。今回のヒロインは、三十路目前のアラサー女子。地方都市の大企業に務め、同じ会社の人と婚約までして、順風満帆…だったはずが、婚約者に別に好きな人が出来たことであっけなく婚約破棄。幸せは手のひらからあっという間に逃げていってしまいました。しかも相手の好きな人というのが同じ会社の後輩だから、会社にも居辛くなり、さらに周囲の慰めの言葉もなんだか息苦しい。そんな時、東京に住む同級生の男から、東京へ来ないかと誘われ、そのまま上京してみるのですが…というお話。


トラップホール
 東京に出て来たは良いものの、これといった明確な目的もあるわけでもなく、あくまで「再出発」という位置付けで、過去からの脱却を試みつつ日々を消費します。甘えた先は同級生の男の子…ということで、寂しさもあり、当然そういう関係に。もちろん本気でないわけですが、そういう関係は一時の癒しは与えてくれても、最終的に何か形になるものを残してくれるわけではありません。斯くしてトラブルに巻き込まれ、とんでもない状況に陥ったりするわけですが、それもまたこの物語の魅力。


 ねむようこ先生の作品は、どちらかというと巻き込まれ系の物語展開で、なかなか無いような慌ただしいイベントが何度か起こり、その中で女の子が逞しく変化・成長していく…というような印象があります。本作も様々なイベントが発生し、その中でヒロインが自分というものを見つめていくパターン。ただちょっとこれまでと違うのは、ここで起こるイベントが尽くトラブル(要はヒロインにとって良くないこと)であり、そしてその大半が、ヒロイン自身が選びとったことで、呼び込んでしまったものであるということ。ヒロイン自身にも多少の非はあるのですが、どちらかというとツイていないというか。全てが裏目裏目に行ってしまう感じが、なんとも。「思い描いていた自分」の姿から外れてしまい、そこからの軌道修正(というか新たな自分の姿を思い描くこと)の難しさたるや。そしてもがいて深みにはまる、というわけで、なかなか読み味の良い作品では決してないですよ、と。
 

トラップホール2
 ヒロインは間違いなく、あまり経験できないような“どん底”にいるわけですが、きっかけは誰にでもありそうなちょっとした出来事なわけで。ほんのちょっとの行き違いで、もしかしたら幸せを手に入れていたかもしれないことを思うと、人生なんて紙一重のきっかけでいくらでも変わるんだな、としみじみ思うのでした。
 

 また“トラップ”は一つに留まらず、落とし穴から逃れれば、また次の落とし穴が登場します。そのため、1巻と2巻は全く違うフィールド、人間関係での物語展開に。しかも1巻も2巻もラストにスゴイの持って来るから、次も見ちゃいますってこれ、という感じ。正直心打たれるとか心躍る的な大きな感動は現時点ではなかったりするのですが、それでもこれを最後にやられたらもう続き気になるし、買うよねっていう。


【男性へのガイド】
→フィールはオシャレ男子が好む印象なんですが。って何の話だ。本作は女性の幸せというか、再出発で自分の姿を見つめ直すというもので、やはり女性こそ共感できる内容となっているのかな、と。個人的に“気の毒”という感情がどこか先行しがちではあるのですが、それだけじゃないんでしょうし、それを感じとれてこその作品なのか。
【感想まとめ】
→ここまで転がって、正直東京での“これから”の姿が全く見えないんですが、落としどころはどこになるんでしょうか。気になります。


作品DATA
■著者:ねむようこ
■出版社:祥伝社
■レーベル:フィールコミックス
■掲載誌:フィールヤング
■既刊2巻
■価格:933円+税


■購入する→Amazon

カテゴリ「フィール・ヤング」コメント (1)トラックバック(0)TOP▲
コメント

「穴」が対比的に描かれていて面白かったです。
主人公のお姉さんが婚約者に「後輩と恋に落ちた」と告げられた時、
「自分だけそんな楽し気なもんに落ちやがって」と、
ドン底の暗い穴の中から恨めしそうにボヤいてる姿に、
ちょっと笑ってしまいました。

せっかく安住の穴(同級生の男子)を見つけたと思ったら、
まさかの奥さんがいたんですもんねw
この修羅場も結構面白かったです。

あと、いづきさんと同じような漫画の感想を自分も書いているので、
もし良かったら相互リンクお願いできたら嬉しいですm(_ _)m
http://subcham.blog.fc2.com/
From: ドルジ露瓶尊 * 2013/08/08 22:59 * URL * [Edit] *  top↑

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