
危なく
自分の立場
忘れるところだった
私は ただの
メイドなのに…
■事故に遭った母親の代わりとして、名門・高井戸家で家政婦をすることになったあゆみ。行った先で待っていたのは、4男坊の慶太。どんな仕事をするのかと思いきや、いきなり慶太専属のメイドにさせられてしまう。しかも慶太は超生意気で、超エッチで…!?
まーた少コミはネタありきのとんでもないものを…なんて思っていたらベツコミでびっくり。デラックスベツコミのネタ要員なのかな?たしかに少しくらいは毛色の異なったものを混ぜた方が良いよね、と。さてストーリーの方ですが、生意気でセクハラばかりの慶太の専属メイドとして働くことになったヒロイン・あゆみが、裏でマジメに頑張る彼の姿に心惹かれていき、ついには両想いになるというお話。ちょっと!慶太簡単に落ちすぎ!!なんて思ったら、実は慶太は家政婦をしているあゆみの母から彼女のことを聞いており、ずっと憧れていた、という設定が。なるほど、これなら納得です。以降身分違いの二人の恋の様子を、コメディタッチで描いていきます。

いきなり鷲掴む慶太。これも好きゆえの行動!?
全体として整然とはしているものの、なんとなく味気ない作品になってしまった印象です。ああ、こういうことをやりたかったんだろうな、というのはものすごく伝わってくるのですが、限られたページ数に収めるとなると、ポイントポイントのみを詰め込んで展開させる、こういう形にならざるを得ないのでしょう。結果として骨組みだけ見えて、肉付けが出来なかったな、という感じ。この設定、展開であればもう少しページ数が欲しかったというのが作者さんの本音なんじゃないでしょうか。
他に読切り2作も収録されていますが、どちらもオーソドックスな恋愛もの。こちらはメイドなどの色モノネタは使わず、ベツコミらしい、高校生の等身大の題材で勝負。個性には欠けるかもしれないけれど、物語としてはちゃんと機能しており、楽しんで読むことができました。これぐらいの腕があるのですから、やはり表題作はページ不足ないし詰め込みすぎが原因かと。いや、単純にネタ選びが…?
【オトコ向け度:☆ 】
→表題作に限らず、ベツコミ比較では甘めの部類。男性というよりは女性が楽しむ話でしょう。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→表題作のみで考えると微妙も、同時収録の読切りはそれなりに面白く、過去の作品ではあるものの、次回を期待させる出来になっていたと思います。
作品DATA
■著者:森田富士
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:デラックスベツコミ(2008年初秋の超!特大号,秋の超特大号,春待ち超!特大号)
■全1巻
■価格:400円+税