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Tag [新作レビュー] 2013.09.03
1106306557.jpg中原アヤ「ダメな私に恋してください」(1)


そういうの
私 弱いです 主任



■会社が倒産して以来、収入ゼロにも関わらず、年下の大学生に貢ぐ日々を送っていた柴田ミチコ(29歳)。再就職活動は惨敗で、気がつけば所持金は15円に…。そんな時、怖くて大嫌いだった元上司・黒沢に偶然再会。果たして、彼は天使か悪魔か!?そしてミチコの生活は……!?中原アヤが描く、ダメダメ女子のラブコメディ!

 「ラブ☆コン」の中原アヤ先生のYOUでの連載作になります。描かれるのは、アラサーダメ女の恋愛。物語の主人公は、務めていた会社が倒産して現在無職の29歳・柴田ミチコ。再就職先を探すも、なかなか採用されません。そんな彼女の心の支えは、合コンで出会った医大生の男の子。プレゼントを贈ると、食事をおごってあげると、凄く喜んでくれるので、お金がないのについつい貢いじゃう。そして気がつけば、所持金15円。そんな中、前の職場で怖くて仕方なかった鬼営業・黒沢に再会。現在の事情を説明すると、バカにされつつも、なぜか彼がはじめるという、洋食屋に雇われて…。というお話。
 

ダメな私に恋してください
 今回描かれるのはダメ女の哀しき恋愛模様なわけですが、もうのっけから大学生に貢ぎまくってすごいイライラします(笑)合コンで出会った医大生という時点で結構地雷臭い感じがするのですが、そんな子の笑顔(というか顔)にベタ惚れして、何も考えずに貢ぎまくり。周囲の人たちが「いや、それはダメだろ…」と諭してくれるのですが、一瞬我にかえるも最終的には元通り、と筋金入りのおバカさんです。この「顔が好き」という発言の身も蓋もない感じが。。。
 

 30手前、職なし、彼氏なし…と3重苦なのですが、ヒロインが将来を見ずに「今を生きる!」と決めているからか、そのプロフィールから想像できるほどの辛さが伝わってこないという。ピンチというのも「将来が危うい」じゃなくて「今が危うい(死ぬかもしれない)」という危うさ。そんな可哀想なヒロインを拾ってくれたのが、元上司の黒沢。非常に厳しい先輩で、ミチコは毛嫌いしていたのですが、背に腹はかえられないと、彼の元で働くことに。面倒見の良い先輩で、これでいよいよちゃんとした生活を…と思いきや、再びあの大学生につかまり、今度はサラ金までして貢いでしまう…というアホっぷり。
 
 物語を表層的に見ていると、学習能力のないバカなヒロインがどんどん深みにはまっていく中で、手を差し伸べてくれる王子様が登場してなんとか救われるという、割と主人公に都合の良いお話。正直これを男性的な視点で見ていると結構イライラするのですが(笑)、こういう女性って少なからず存在しますよね(もちろん男も)。守ってくれる人が誰もいない孤独で不安な環境の中で、味方してくれそうな人が現れたら、全力でそこに取り入ろうとしますし、信奉してしまうという。こういう孤独な環境下で、ひとりでちゃんと行動出来る人と、出来ない人ってのがいて、本作は出来ない人の辛さや悲哀みたいなものが、コミカルな雰囲気で隠しつつ、ガッツリ落とし込まれているように受け取れます。孤独な(周囲が敵だらけに見える)中で、味方してくれそうな人に頼って全てを捧げて生きざるを得ないという性質が誇張された形で表現されたのが、「きみが心に棲みついた」(→レビュー)のキョドコあたりでしょうか。作中で大学生が、ヒロインのことを「犬みたい」なんて言うわけですが、そういう環境で手綱つけてあげなくちゃいけないって意味では、遠からず当たっていて、二重の意味でしんどい発言だな、と。


ダメな私に恋してください1−2
 というわけで、結構根の深い、重いテーマが見え隠れするのですが、テンポ良くコミカルなので、あんまりそれが伝わってこないという。たぶんそれは狙ってやっていることで、笑って見てあげないとしんどいからか。会話での小ネタは相変わらず面白く、ちょいちょい笑ってしまいます。「ラブ☆コン」のような前向きな恋物語というわけではありませんが、今までとは少し違った、悲哀が奥底にある中原アヤ作品を、楽しんでみてください。


【男性へのガイド】
→これヒロインに結構ムカつく男性いらっしゃるのでは(笑)ダメ女が好きという方は。(適当)
【感想まとめ】
→作品が持つ雰囲気は中原アヤ先生のそれなのですが、根底にあるものがちょいと異なる印象の作品。一段落ついて感のある1巻ラスト、2巻以降でまたちょっと違った雰囲気になるのかも。


■作者他作品レビュー
天然女子と強面男子のドギマギラブコメ:中原アヤ「純情ドロップ」


作品DATA
■著者:中原アヤ
■出版社:集英社
■レーベル:コミックスYOU
■掲載誌:YOU
■既刊1巻
■価格:419円+税


試し読み:第1話

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