作品紹介はこちら→*新作レビュー*水城せとな「失恋ショコラティエ」
2巻レビュー→徐々に他のもので浸食されていく、爽太のチョコへの想いがどうしようもなく面白い物語を生む《続刊レビュー》「失恋ショコラティエ」2巻
3巻レビュー→恋をするからこそ飛び出す、迷言&名言集:水城せとな「失恋ショコラティエ」3巻
4巻レビュー→諦めるための恋愛思考:水城せとな「失恋ショコラティエ」4巻
5巻レビュー→前向きな失恋と正しい恋愛:水城せとな「失恋ショコラティエ」5巻
6巻レビュー→失恋すら想い通りにさせてもらえない:水城せとな「失恋ショコラティエ」6巻
関連作品紹介→水城せとな「黒薔薇アリス」
恋の予感に、脳内会議は紛糾!?新感覚ラブパニック:水城せとな「脳内ポイズンベリー」1巻
水城せとな「失恋ショコラティエ」(7)
もしも生まれ変われるなら
彼女の赤血球になりたい
■7巻発売しました。
チョコ好きな人妻・サエコに恋するショコラティエの爽太。長年に渡る想いに決着をつけるべく、バレンタインを機についに告白。潔くフラれて終わりにするはずが、彼女からの返事がないまま迎えたホワイトデー。家出してきたサエコを店に泊めてしまった爽太は…!?忘れられない夜がくる……。
〜ついに来ちゃいましたよ〜
7巻にしてついに訪れました。はい、サエコさんとの情事が…。もう前々巻あたりから雰囲気バリバリだったのですが、一気にいきましたかー。弱っている所につけ込んで…というのは恋愛における常套手段ではあるのですが、こちらの場合はちょっと勝手が違うようで、爽太からしたら完全に青天の霹靂。主導権は完全にサエコさんで、来たその夜に抱かせるって手腕がもう凄すぎる。

一旦落ち着いたら後日立て直しってな感じになりそうなものの、抜け目無く忘れた携帯をゲットして引き寄せるっていう。シャワーも完全に狙って浴びてたでしょう。まったく、翻弄されたい(願望)。
しかし爽太もずぶずぶです。正直必死に靴占いしてるあたりでは「お?頑張ってる頑張ってる。もしかしたらちゃんと逃げ切れるんじゃね?」とか期待していたのですが、やっぱりダメでしたねー。携帯を取りに行ったのが運の尽きといいますか、意思の尽きと言いますか。このどうしようもなさが、なんともやるせないです。これまで散々願っていたことだとはいえ、タイミングは最悪で、どちらを選んでも正解であり不正解であるというか。一旦落ちてしまえば後は楽なもので、あとは転がり続けるだけ。「えれななんていなかった」ばりにその後はサエコさんに溺れていきます。そりゃあ積年の想いが成就したわけですから、そこに夢中になるのは当たり前ではあるのですが、それでも一度は心に決め、ギリギリまで迷った女の子の事を割とさらっと流せてしまうのはスゴいというか、怖いなぁと。

だってラストなんか、めっちゃワクワクしてましたからね。えれなに対する後悔や罪悪感なんて皆無というか、すげー心強いですよね。
〜二大不憫の激突〜
斯くしてえれなは爽太にフラれてしまったわけですが、確かにこの二人、付き合ったとしてもあまり上手くは行かなかったのではないかと思います。お互いに別に好きな存在がいて、同じ傷を舐め合えたからこそ成り立っていた関係ですから、好意的には見れども、やっぱりどこか不健全。そして振り返ってみれば、えれなってものすごく不憫な役回りだなぁと。
登場後少しして、いきなり想い人にフラれますし、さらにその後別の男(爽太)に散々期待させられておいて捨て置かれるという。この子この作品でなんか良い事あったかな、ってぐらいの勢いで不憫です。
そしてもう一人不憫なのが、薫子さん。いやーこの人もえれなに負けてない!すげーサバサバしていそうで一番メンタル弱めっていいますか、気にしぃですよね。タダでさえサエコさんのことが嫌だったのに、あろうことか職場の上で寝泊まりして挙げ句好きな人とやってるっていう。また彼女からしたら、職場(カウンターのこちら側)はサエコさんに邪魔されることのない、薫子さんと爽太が唯一交われる場所=聖域のような感覚があって、そこを冒されたというショックも、イライラをより募らせる要因となっているのではないかと思ったり。
そんな不憫な二人が、今回夢破れた後に相見えるという(私にとって)最高のシチュエーションが訪れました。

結果薫子さんがえれなに言いたい放題言って勝ちを収めるわけですが、彼女が放った言葉ってそのまんま薫子さんの心に突き刺さるブーメランという。言えば言うほど自分に返ってくるし、悪役になってはみたものの、それで平気でいられるほど強い心も持っていない。結果一番負けてるのって、薫子さんなのかもしれません。
これでえれなは撤退になってしまうんでしょうか?ひとまず薫子さんが不憫役を一手に担うことになりそうですが、その後薫子さんは変な方向に。

何故かサエコさんに薫子さんが恋愛のレクチャーを受ける。
薫子さんはこの一連の流れを「洗脳」と表現していましたが、本当に端から見たら洗脳そのもので、薫子さんが今後どう迷走するのか非常に楽しみです。てか何よりもまず目が行くのが二人の服装の違いですよ。サエコさんは女性っぽい感じのある服装で、一方の薫子さんは媚び売り一切ありません的なニット+パンツスタイル。あからさますぎて結構辛い。女性受けはどっちが良いのかはわかりませんが、男は基本前者が好き(だと思います。もちろん私も。)。あ、ただ普段薫子さんみたいな格好している人が、突然ちょっと男ウケする感のある服とかを着て、過剰に意識して恥ずかしがっているのとか見ると、すごくキュンとします(実体験)。
〜これから爽太はどうするのか問題〜
さて、今後の展開はどうなるのか。なんていうか、一応爽太の願いは成就してしまったわけで、これからの方向感と言いますか、どうするのかなぁと。もちろん問題は山積していますが、えれなのことに後ろ髪ひかれる感もなく溺れまくっている彼の様子を見ると、問題がちゃんと問題として機能するのか不安もあり。なんて、絶対このあとドロドロですもの。楽しみでもあり、怖くもあり。さてさて、8巻ではどんな泥仕あ…ではなく、掛け合いが見られるのか、じっくり待ちたいと思います。
2巻レビュー→徐々に他のもので浸食されていく、爽太のチョコへの想いがどうしようもなく面白い物語を生む《続刊レビュー》「失恋ショコラティエ」2巻
3巻レビュー→恋をするからこそ飛び出す、迷言&名言集:水城せとな「失恋ショコラティエ」3巻
4巻レビュー→諦めるための恋愛思考:水城せとな「失恋ショコラティエ」4巻
5巻レビュー→前向きな失恋と正しい恋愛:水城せとな「失恋ショコラティエ」5巻
6巻レビュー→失恋すら想い通りにさせてもらえない:水城せとな「失恋ショコラティエ」6巻
関連作品紹介→水城せとな「黒薔薇アリス」
恋の予感に、脳内会議は紛糾!?新感覚ラブパニック:水城せとな「脳内ポイズンベリー」1巻

もしも生まれ変われるなら
彼女の赤血球になりたい
■7巻発売しました。
チョコ好きな人妻・サエコに恋するショコラティエの爽太。長年に渡る想いに決着をつけるべく、バレンタインを機についに告白。潔くフラれて終わりにするはずが、彼女からの返事がないまま迎えたホワイトデー。家出してきたサエコを店に泊めてしまった爽太は…!?忘れられない夜がくる……。
〜ついに来ちゃいましたよ〜
7巻にしてついに訪れました。はい、サエコさんとの情事が…。もう前々巻あたりから雰囲気バリバリだったのですが、一気にいきましたかー。弱っている所につけ込んで…というのは恋愛における常套手段ではあるのですが、こちらの場合はちょっと勝手が違うようで、爽太からしたら完全に青天の霹靂。主導権は完全にサエコさんで、来たその夜に抱かせるって手腕がもう凄すぎる。

一旦落ち着いたら後日立て直しってな感じになりそうなものの、抜け目無く忘れた携帯をゲットして引き寄せるっていう。シャワーも完全に狙って浴びてたでしょう。まったく、翻弄されたい(願望)。
しかし爽太もずぶずぶです。正直必死に靴占いしてるあたりでは「お?頑張ってる頑張ってる。もしかしたらちゃんと逃げ切れるんじゃね?」とか期待していたのですが、やっぱりダメでしたねー。携帯を取りに行ったのが運の尽きといいますか、意思の尽きと言いますか。このどうしようもなさが、なんともやるせないです。これまで散々願っていたことだとはいえ、タイミングは最悪で、どちらを選んでも正解であり不正解であるというか。一旦落ちてしまえば後は楽なもので、あとは転がり続けるだけ。「えれななんていなかった」ばりにその後はサエコさんに溺れていきます。そりゃあ積年の想いが成就したわけですから、そこに夢中になるのは当たり前ではあるのですが、それでも一度は心に決め、ギリギリまで迷った女の子の事を割とさらっと流せてしまうのはスゴいというか、怖いなぁと。

だってラストなんか、めっちゃワクワクしてましたからね。えれなに対する後悔や罪悪感なんて皆無というか、すげー心強いですよね。
〜二大不憫の激突〜
斯くしてえれなは爽太にフラれてしまったわけですが、確かにこの二人、付き合ったとしてもあまり上手くは行かなかったのではないかと思います。お互いに別に好きな存在がいて、同じ傷を舐め合えたからこそ成り立っていた関係ですから、好意的には見れども、やっぱりどこか不健全。そして振り返ってみれば、えれなってものすごく不憫な役回りだなぁと。
登場後少しして、いきなり想い人にフラれますし、さらにその後別の男(爽太)に散々期待させられておいて捨て置かれるという。この子この作品でなんか良い事あったかな、ってぐらいの勢いで不憫です。
そしてもう一人不憫なのが、薫子さん。いやーこの人もえれなに負けてない!すげーサバサバしていそうで一番メンタル弱めっていいますか、気にしぃですよね。タダでさえサエコさんのことが嫌だったのに、あろうことか職場の上で寝泊まりして挙げ句好きな人とやってるっていう。また彼女からしたら、職場(カウンターのこちら側)はサエコさんに邪魔されることのない、薫子さんと爽太が唯一交われる場所=聖域のような感覚があって、そこを冒されたというショックも、イライラをより募らせる要因となっているのではないかと思ったり。
そんな不憫な二人が、今回夢破れた後に相見えるという(私にとって)最高のシチュエーションが訪れました。

結果薫子さんがえれなに言いたい放題言って勝ちを収めるわけですが、彼女が放った言葉ってそのまんま薫子さんの心に突き刺さるブーメランという。言えば言うほど自分に返ってくるし、悪役になってはみたものの、それで平気でいられるほど強い心も持っていない。結果一番負けてるのって、薫子さんなのかもしれません。
これでえれなは撤退になってしまうんでしょうか?ひとまず薫子さんが不憫役を一手に担うことになりそうですが、その後薫子さんは変な方向に。

何故かサエコさんに薫子さんが恋愛のレクチャーを受ける。
薫子さんはこの一連の流れを「洗脳」と表現していましたが、本当に端から見たら洗脳そのもので、薫子さんが今後どう迷走するのか非常に楽しみです。てか何よりもまず目が行くのが二人の服装の違いですよ。サエコさんは女性っぽい感じのある服装で、一方の薫子さんは媚び売り一切ありません的なニット+パンツスタイル。あからさますぎて結構辛い。女性受けはどっちが良いのかはわかりませんが、男は基本前者が好き(だと思います。もちろん私も。)。あ、ただ普段薫子さんみたいな格好している人が、突然ちょっと男ウケする感のある服とかを着て、過剰に意識して恥ずかしがっているのとか見ると、すごくキュンとします(実体験)。
〜これから爽太はどうするのか問題〜
さて、今後の展開はどうなるのか。なんていうか、一応爽太の願いは成就してしまったわけで、これからの方向感と言いますか、どうするのかなぁと。もちろん問題は山積していますが、えれなのことに後ろ髪ひかれる感もなく溺れまくっている彼の様子を見ると、問題がちゃんと問題として機能するのか不安もあり。なんて、絶対このあとドロドロですもの。楽しみでもあり、怖くもあり。さてさて、8巻ではどんな泥仕あ…ではなく、掛け合いが見られるのか、じっくり待ちたいと思います。