作品紹介→私は砂糖でできた、恋するためのお人形。:榎木りか「シュガーガール,シュガードール」1巻
榎木りか「シュガーガール,シュガードール」(2)
せなかがあつい
このまま
とけてしまいそうです
■2巻発売、完結しました。
彼女の産みの親である研究者・嵐が見せる、シュガードールを憎む素振り。その原因は、彼の幼い日の出来事にあった…。嵐の持つ過去を六菓が知った時2人の関係にも変化が訪れる……。
〜完結しました〜
2巻にて完結しました。本作、あんまり市場に出回っていないのか、複数の大きめの書店に行ってもなかなか置いておらず、結局ネットで注文しました(私の探し方が悪かったのか…)。お気に入りでもあり、凄く良い作品だと思うのですが、あまり話題にならないのは寂しいのです。
〜何気に泣かせにかかるんですよ……〜
さて、1巻はどちらかというとアホなヒロインの可愛さが前面に押し出されたハートウォーミングなコメディという印象が強かったわけですが、2巻ではそのテイストはそのままに、若干ビター感が増しています。何気に泣かせにかかってくるんですよ…!もうね、変な捻りとかせずに、ド直球でベタな泣きエピソードをぶっ込んでくるんです。
物語では、六菓の製作者である嵐が違法ドールを作るようになるまでの経緯が中心として描かれます。昔は感情のあるドールが作られていて、けれども規制によりそれらは廃棄されるようになったという。

そこで登場するドールの六吉。けっこうファンシーでふざけた造形ですが、これがまた温かくて良いのですよ。あとショタ嵐がものすごくかわいい。ものすごくかわいいんです。
このエピソードがベタでベタで切なくて。当時の嵐のイノセンスさと、六菓が持っている素直さが、ド直球でベタなエピソードとガッチリマッチして、スッと心に沁み入ってくる感じ。最近仕事でのストレスが多かったからなのか、わかりやすい感動がむしろ良かったのかも。
〜良作B級映画っぽい素敵なラブロマンス〜
物語終盤は、もちろん六菓と嵐のラブロマンス。もっとゆっくりと描き出して行くのかと思っていたのですが、2巻完結ということで割と早足でのロマンスと相成りました。こう、二人が想い合って行く過程というのもみてみたかったですが、大人になり頑になってしまった嵐の心を解かすには、これくらいのアクシデントが無いとダメだったのかもしれません。最後も何げに大きなことをしでかしており、二人がキスすれば世界が救われる的なハリウッド映画ばりのスケール感も感じられたり。いや、これは言いすぎか。けれども、風呂敷を広げるだけ拡げておいて畳むことができなかったり、いつの間にかものすごくこじんまりとしてお話に収束していたりする物語が多い中で、しっかりとこの世界・キャラなりの物語を拡げ、しっかりとまとめあげたのは個人的にスゴいと思える所です。

しかし振り返ってみると、嵐の友人である大河がものすごくいい人すぎて…。いい人っていうか、この人嵐のこと大好きだな、おい、と。結局彼の思惑通りとなっていたわけですが、その中でめちゃめちゃ巻き込まれているのが彼らしいというか(笑)本作での魅力は何よりも六菓の可愛らしさとプッシュしていましたが、物語が完結した今、何よりもその存在を気にかけて欲しいのが、脇役の大河だったりするのです。全2巻でお手に取りやすいと思いますし、気になった方はこの機会に是非ともチェックを!

せなかがあつい
このまま
とけてしまいそうです
■2巻発売、完結しました。
彼女の産みの親である研究者・嵐が見せる、シュガードールを憎む素振り。その原因は、彼の幼い日の出来事にあった…。嵐の持つ過去を六菓が知った時2人の関係にも変化が訪れる……。
〜完結しました〜
2巻にて完結しました。本作、あんまり市場に出回っていないのか、複数の大きめの書店に行ってもなかなか置いておらず、結局ネットで注文しました(私の探し方が悪かったのか…)。お気に入りでもあり、凄く良い作品だと思うのですが、あまり話題にならないのは寂しいのです。
〜何気に泣かせにかかるんですよ……〜
さて、1巻はどちらかというとアホなヒロインの可愛さが前面に押し出されたハートウォーミングなコメディという印象が強かったわけですが、2巻ではそのテイストはそのままに、若干ビター感が増しています。何気に泣かせにかかってくるんですよ…!もうね、変な捻りとかせずに、ド直球でベタな泣きエピソードをぶっ込んでくるんです。
物語では、六菓の製作者である嵐が違法ドールを作るようになるまでの経緯が中心として描かれます。昔は感情のあるドールが作られていて、けれども規制によりそれらは廃棄されるようになったという。

そこで登場するドールの六吉。けっこうファンシーでふざけた造形ですが、これがまた温かくて良いのですよ。あとショタ嵐がものすごくかわいい。ものすごくかわいいんです。
このエピソードがベタでベタで切なくて。当時の嵐のイノセンスさと、六菓が持っている素直さが、ド直球でベタなエピソードとガッチリマッチして、スッと心に沁み入ってくる感じ。最近仕事でのストレスが多かったからなのか、わかりやすい感動がむしろ良かったのかも。
〜良作B級映画っぽい素敵なラブロマンス〜
物語終盤は、もちろん六菓と嵐のラブロマンス。もっとゆっくりと描き出して行くのかと思っていたのですが、2巻完結ということで割と早足でのロマンスと相成りました。こう、二人が想い合って行く過程というのもみてみたかったですが、大人になり頑になってしまった嵐の心を解かすには、これくらいのアクシデントが無いとダメだったのかもしれません。最後も何げに大きなことをしでかしており、二人がキスすれば世界が救われる的なハリウッド映画ばりのスケール感も感じられたり。いや、これは言いすぎか。けれども、風呂敷を広げるだけ拡げておいて畳むことができなかったり、いつの間にかものすごくこじんまりとしてお話に収束していたりする物語が多い中で、しっかりとこの世界・キャラなりの物語を拡げ、しっかりとまとめあげたのは個人的にスゴいと思える所です。

しかし振り返ってみると、嵐の友人である大河がものすごくいい人すぎて…。いい人っていうか、この人嵐のこと大好きだな、おい、と。結局彼の思惑通りとなっていたわけですが、その中でめちゃめちゃ巻き込まれているのが彼らしいというか(笑)本作での魅力は何よりも六菓の可愛らしさとプッシュしていましたが、物語が完結した今、何よりもその存在を気にかけて欲しいのが、脇役の大河だったりするのです。全2巻でお手に取りやすいと思いますし、気になった方はこの機会に是非ともチェックを!