このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2013.11.19
1106339904.jpg絹田村子「花食う乙女」


この粗忽者


■野草を食べて空腹をしのぐほど貧乏な占い師・谷口遠子が住み込みバイトでもぐりこんだのは、大学付属の薬用植物園。冷徹な研究者・宇佐美に振り回されたり、園内の植物がらみのトラブルに巻き込まれながらも、満腹時のみ百発百中の占いで、次々難関を乗り越えていく…!?植物うんちくあり、ミステリーあり、ちょっぴりラブもありの新感覚ネイチャーコメディ!!

 「さんすくみ」(→レビュー)の絹田村子先生の連載作です。巻数ついていないのでこれで完結でしょうかね。コメディなので、きちっとした締めがないという(笑)本作、タイトルから色々と想像する所があるかと思いますが、薬用植物園でのお話です。決してベジタリアンとか、女版岡本信人的なお話ではありません。ヒロインは、食うや食わずのギリギリの生活を送っている占い師・谷口遠子。所持金がなく、野草を求めて徘徊しているうちに、とある大学の薬用植物園へと迷い込んでしまいます。最近頻発しているという薬草泥棒として捕まったものの、占いによって犯人を見つけ出し、さらにバイトとして雇ってもらう所までこぎつけます。食い扶持を見つけたのは良かったものの、そこには冷徹で変わり者な研究者・宇佐美がおり、何かと振り回されてしまうのですが…というお話。
 
 花食うと言いつつ、花を食べるシーンはあまりなく、むしろ草、それも毒草を口にする描写が非常に多いのが印象に残りました。大学付属の薬用植物園ということで、そこには様々な薬用効果のある植物が栽培されています。中には食用のものに見えて全然違う毒草があったり。そういったものに尽く引っ掛かるのが、このヒロイン。あらまし紹介だと、ヒロインがまともで研究者の宇佐美が変人かのように受け取られるかもしれませんが、二人ともかなり変わっています。ただタイプは真逆で、ヒロインが短絡的でアホなのに対し、宇佐美はやや身長で捻くれた感じ。
 

花食う乙女
ヒロインは自分が得しようとしてドツボにはまり、結果まわりに迷惑をかけるような展開が多く、また宇佐美にあれこれ嵌められるパターンも多いという。一歩間違えればTRICKでの仲間由紀恵的なのですが、彼女の挽回ってそんなに多くなくて、結局やられっぱなしっていう所が泣ける。そこが魅力でもあるのですけれど。このパターンで毒草を引く率の高さたるや。


 恋愛要素はほぼナシ。もしこれが連載続くという形になればあるのかもしれませんが、ひとまず現時点ではなし。恋愛よりも何よりも、まずは衣食住という感じが強いからでしょうか。占いの力は満腹時にしか発揮されないため、余計にその感が強くなります。読んでいて、これ占い料金を現物(ご飯)にしたいいんじゃないかとか思ったのですが、そうもいかないのか。
 
 私は大学時代農学部だったので、こういった植物園というか農園は懐かしさを覚えます。ケシの花とか、そういえば栽培されているとかあったっけ。私は専攻がこういう系統ではなかったので、何ヶ月か限定で通っただけなのですが、キウイを収穫したりネギを植えたりと、なかなか長閑な日々でした。やはりそういう場では「これちょっと採っちゃっても大丈夫かな」とか下心が芽生えるわけですが、そんな欲求を心置きなく発揮してくれているヒロイン、ちょっと羨ましいです。


【男性へのガイド】
→専門知識が身につくほどでもなく、単純に職場コメディをみたいという方に。
【感想まとめ】
→絹田村子先生の作品らしい、ゆるめのコメディ。なのでポイントを絞って説明するのが難しいのですが、相変わらずなので、「さんすくみ」がお好きな方は変わらず楽しめると思いますよ。


作品DATA
■著者:絹田村子
■出版社:小学館
■レーベル:フラワーコミックス
■掲載誌:flowers
■全1巻
■価格:429円+税


試し読み

カテゴリ「flowers」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。