
ギャルの生け花
やってやろーじゃんっ
■3巻発売しました。
華道の名門・国栖原の本家のひとり娘・つぼみは、華道に全く興味なし。興味があるのはもっぱら遊びにオシャレ、恋愛だってしてみたい。今日もメイクは完璧に、ギャルファッションで渋谷へ…と思っていたら、父に捕まってしまう。しかもいきなり華道の師匠を紹介され、弟子になれとのたまってくる。ところがその師匠、どんな男かと思ったら、若くて超絶イケメンだった…!!
華道をひとつのテーマとして、ふたりの恋愛を描いていくラブコメディです。稽古を受けるのは承諾するも、華道への情熱があるわけではないヒロイン・つぼみは、不真面目な態度で師匠の楓の反感を買います。そしてついには「バカギャル」呼ばわりされる始末。そんなある日、偶然楓の生け花ショーに遭遇。そこで楓に無理矢理ステージに上げられたつぼみは、伝統やルールに囚われない、独自のセンスを発揮した「ギャルの華道」を披露。期せずして彼女のセンスを目の当たりにした楓は、つぼみを見直します。一方のつぼみも、それをきっかけに華道に興味を持ち出す。そして再び稽古を受けるようになり、やがてふたりは惹かれあっていきます。

華道の本質を教えられ、華道へのイメージを一新させるつぼみ。
ギャルと華道の融合というのはなかなかできない着想。とはいえメインはあくまで恋愛なので、新感覚の華道を提案していくとかっていく方向にはいきません。ここでの華道は、ヒロインの気持ちを現す媒体として機能していて、さながら料理マンガの料理のような存在になっています。こういうやりとりを恒常的にやるような作品は少女マンガではあまり見られないので、そういう意味で注目に値する作品といえるかもしれませんね。
ギャルものっていうのは少女マンガにおいて一定のニーズがあるのですが、そのニーズのほとんどはギャル世代ではなく、ギャルに憧れる小中学生だったりします。だから自然とそちらにシフトするようなストーリー展開に。そうなると年長組の、特に男となると読むのはしんどい。つーかそもそも少女マンガ読む男にギャル好きはいないと思ってるんですが、どうなんでしょ。
【オトコ向け度:☆ 】
→前述の通り。女の子向けだと思います。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→好き嫌いじゃなく、ギャルと華道を出した後、どう展開させるかが大切なわけで。テーマは面白いと思うのですが、物語の展開はありきたりかな、と。明るく楽しいですけどね。
作品DATA
■著者:咲坂芽亜
■出版社:小学館
■レーベル:Sho-Comiフラワーコミックス
■掲載誌:Sho-Comi('08年第13号~連載中)
■既刊3巻
■価格:各400円+税