
俺は
こいつには敵わない…
■9巻発売しました。
ようやくお互いの気持ちを確認した真一と遥。ふたりの間に流れる空気に変化を感じた杉田は、遥に再び告白するが…。そんな杉田の想いを知る詩子はフクザツな気持ちを抱えていた…。「なんでやめられないんだろう?」一途に相手を想い続けても、「叶う恋」と「叶わぬ恋」があることを少年少女は知る。「なにも変わらない恋」なんてありえない。
〜久々のレビューです〜
「これは恋のはなし」ですが、気がつけば9巻まで発売されています。早いもので二桁巻数も目前。ARIAが創刊されたのがついこの間のような感覚なので、びっくりです。でもやっぱり刊行ペース早いですよね?
さて、9巻で遥は中学生。そしてさらに、高校生へと成長していきます。小学生の時なんか、「恋愛ものになるのか」なんて話をして盛り上がっていたのですが、もうこういう年齢になってきたら普通に「恋のはなし」になっちゃうんですよね。内海も自分の恋愛感情を認めていますし、こうなってくると目下の問題となるのは「手を出したいけど出せない」問題。じれったいあれです。内海って不真面目そうに見えて根はもの凄い真面目なんですよね。だからこそゲスメガネ大垣の存在が際立つのですが。大垣にそそのかされて、けれどもそうするわけにはいかないと葛藤する内海の姿が今から目に浮かびます。
〜ロリコン疑惑〜
さて、そんな思い悩む大人達を横目に、遥はとあることに思い悩んでいました。それが、内海のロリコン疑惑。

いや、むしろ心配のタネはそっちではなく、成長してしまうことで大好きなロリコン内海のお眼鏡にかなわなくなってしまうのではないかという心配。なんてかわいらしい心配でしょう。てか普通相手がロリコンだって知ったらドン引きそうな気がするのですが、大前提として「真一さん大好き」ってのがあるので、ロリコンでも問題ないのです(当事者からしたら)。この泣きのシーンだって、裸を見られた恥ずかしさだけでなく、むしろ成長したことがバレてしまうっていう恐怖の方が勝ってるんじゃないかっていう“泣き”ですからね。歳の差恋愛のこじれから、なんだか変な感性の持ち主にならないか、おじさんちょっと心配です。
〜詩子が良い子すぎてもう〜
さて、今回大きな動きがあったと言えば、脇役として活躍する二人でしょうか。特に詩子の活躍がもう…。9巻最初の登場シーンでいきなり遥をいじめようとする女子を牽制する格好良さを見せたと思えば、その後内海家へ行き辛い杉田を気遣う優しさを見せ、さらにその後…

恋する乙女としての切なさを見せる
数ページで彼女の魅力がたっぷり。何気に気が回る子なんで、こういうシチュエーションにおかれると人一倍気苦労してしまうタイプのように映ります。3人の中でも一番大人びた性格をしているからか、他の二人に弱みを見せ辛いんじゃないかという感も。なのでサトミさんを前にすると、

思わず本音を漏らしてしまう
この涙も、彼女だけの問題じゃなくて、遥のことも考えつつの涙ですから、本当に優しい子です。そういえば高校生編では、ピアスをして一層大人びていましたが、それでも家庭教師の元で勉強をするなど、真面目な一面を匂わせるシーンが。高校生編ではどういう形で物語に絡んでくるのかわかりませんが、この子は将来絶対イイ女になりますから、その過程を少しでも追えたら嬉しいです。
杉田はなんかすごく胡散臭くなりましたが、あれはフェイクだと思ってますので。でもなんか、予告では杉田が遥との関係を変えてしまうとか書いてあるので、何気に気になっているのですが。さて10巻ではどんな動きがあるのやら。