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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2013.12.05
1106339843.jpg羽柴麻央「花と天秤」


12さい

初恋です



■『先生がときどきクラスの男子みたいな喋り方をすると
先生が先生に見えなくなってなんかドキドキします』
理科教師・須玉がすこし気になる羽衣子。巡る季節が、少女の成長とともに想いのつぼみをはぐくんで……?

 「私日和」(→レビュー)や「箱庭ヘヴン」(→レビュー)などを描かれている羽柴麻央先生の新作です。1巻完結の連載作。物語は、主人公の少女・羽衣子が中学1年の時から始まります。成長期で貧血気味の羽衣子は、バスで立ちくらみを起こして倒れてしまいます。気がついたら保健室。聞くところによると、理科の須玉先生が助けてくれたよう。お礼を言おうと探すけれど、すれ違いばかりでなかなかみつかりません。探し続けて何日目か、想像が様々膨らんだ中で初めてのご対面。初めての印象は、なんかかわいい。けれども顔を見つめられ、別れ際、名前を呼ばれたら、なんだか心が浮き立った。そんな中学生の、淡い淡い初恋の軌跡を、季節と共に描き出していきます。
 
 羽柴麻央先生の描くお話って、なんでこんなに心に沁みるんでしょうね。派手さはないし、青春ならではのキラキラ感(光沢感?)も、別冊マーガレット連載の他作品比では低めだと思うのですが、それでもど真ん中で思春期の恋愛ものでして。もうどうしようもなく読み入ってしまいます。


花と天秤
無表情な相手役と対比するように表情豊かなヒロインですが、一番グッとくる表情は泣き顔でしょう。羽柴麻央先生のキャラは泣き所を知っているというか、先生が泣かせどころを知っていると言った方が良いのか。


 本作は4話+1話の計5話構成。春にはじまり、夏、秋、冬と季節は巡っていきます。ただ面白いのが、それで合計1年というわけではなく、中学卒業までの飛び飛びの季節をかいつまんで描いていくため、最終話では3年生になっているというところ。その4話はそれぞれ起承転結で当て嵌めることができて、大よそ“出会い”→“一層募る思い”→“失恋”→“卒業”という流れとなっています。
 
 って違う、そういう話をしたいのではなくて。構成ももちろん大事なのですが、この作品の魅力はそこだけじゃなくて、とにかく「静かに恋する思春期の女の子」の心の揺れ動きが心底丁寧に、シンプルに描かれているというところ…だと思います。先生が好きだから、理科を一生懸命勉強したり、お祭りでいるかもわからない先生の姿ばかり探してしまったり、思い通りにいかなくて思わず涙を流してしまったり…。その時の表情が、台詞が、どれも印象的。


花と天秤1
 心掴まれたのはやっぱり1話目でしょうか。まぁとにかく二人が出会わない。1話目の中盤も越えた所でようやく出会えるのですが、それまではその先生の情報を集めつつ、自分の中でその姿を思い描くという過程。なかなか会えずにいて、そしてやっと出会えた時、そしてその相手が思っていたよりも好きな人だった時、なんだか運命めいたものを感じてしまいます。喜びもひとしおで、思わず好きになっちゃうといいますか。出会っただけでガシっと心掴まれる感覚を、ヒロインと共に味わうことが出来、ものすごく印象に残りました。この流れを丁寧と表して的確なのかはわかりませんが、とにかく独特のゆったりとしたリズムで物語は流れていきます。


 このゆったりした流れと、終始温度が感じられる表情・台詞まわしで、読み終わりにはすっかり心が温かくなっている感覚が。この作品に限らず、羽柴麻央先生の作品は秋や冬に読みたいですね。今月来月と1冊ずつ単行本を刊行予定とのことで、今から非常に楽しみです。


【男性へのガイド】
→シンプルな思春期恋愛ものがお好きな方は。教師と生徒って関係に萌える方も。但しヒロインの一方通行の想いがメインで描かれるため、“禁断”って匂いはあまりしません。
【感想まとめ】
→良かったです。1巻完結ものでは個人的に今年1〜2を争うツボっぷりでした。何度も読み返したくなるお話です。


作品DATA
■著者:羽柴麻央
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■全1巻
■価格:419円+税


■試し読み:第1話

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かくかくしかじか
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レビュー
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2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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BEARBEAR
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レビュー
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