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Tag [続刊レビュー] 2013.12.24
作品紹介→囲碁の世界に生きると決めた少女の奮闘:モリエサトシ「星空のカラス」




1106349660a.jpgモリエサトシ「星空のカラス」(3)


前に進めるんだもん
楽しみ!



■3巻発売しました。
 母との約束を守る為、囲碁を辞めた和歌。だが鷺坂と首藤の対局を見て、再び囲碁への強い想いが甦る。対局後、鷺坂の孤独を垣間見た和歌は…!?
 

〜舞台が変わる〜
 3巻発売しました。「ちはやふる」に似た系統なので、このマンガがすごい!でランクインするんじゃないかと思っていたのですが、結果は案外(44位)。「ちはやふる」も20位圏外でしたし、流れが良くなかったでしょうか。
 
 さて、物語の方は一つ転換点へと差し掛かっています。鷺坂と首藤の対局を目の当たりにした和歌は、これまで押さえ込んでいた碁への情熱を再び爆発させ、母親に土下座をしてまで「囲碁をしたい」と頼み込みます。その甲斐あって、再び囲碁をすることを許された和歌は、院生となってプロ棋士を目指すのでした。

 はい、3巻からは舞台が院生研修の場、日本棋院会館へと移ります。ここからが、鷺坂と対戦するための第一歩。長く険しい道のはじまりです。


〜仲間が増える〜
 同じ夢を追う者たちが集う場所ということで、切磋琢磨を期待して会館へと足を運ぶ和歌。首藤さんの妹・蘭子ちゃんがロリロリ癒し枠で登場しただけでなく、意外にも顔なじみのあの人まで登場するのでした。
 

星空のカラス3−1
八日町吟


 あの生意気な関西弁ですよ。「関西の人」そして「プロは目指さない」というダブルの縄を突破してのまさかの登場。東京に越してきて、さらに中学の間だけプロを目指したいと、親を説得しての上京だそう。そして和歌が囲碁を指していない間に、A級にまで昇格していたとのことで、「これは中ボス的ライバルとして君臨するのか!?」なんて思わせたのですが…
 
 
星空のカラス3−2
まさかのかませ犬



〜ライバルが増える〜
 はい、彼はライバルにはなりませんでした。彼はA級の中では力は下の方。しかもアマチュア時代の生意気っぷりが祟り、上位勢から相手にすらされていないというツライ状況に陥っているのでした。そりゃあ、そう簡単にはいきません。バトル漫画のアレのように、戦うフィールドが変われば、さらに強いキャラ達が登場してくるのです。今回もバーゲンのように新キャラが続々登場しております。今回もバトル漫画のテンプレートを流用したかのように、ナンバーワンが会場入り前にヒロインと邂逅していたり、群れる上位陣が形成されていたり。
 

星空のカラス3−3
 バトル漫画では得てして登場シーンからしてかませ犬臭を漂わせているキャラがいるわけですが、今回だと轟くんですかねー。負けて、そして人情熱い心強いガヤ要員になる所まで見えた(適当)。
 


 なんとなく皆しっかりキャラ付けされていて、どういう戦い方をして、その後どういう立ち位置に落ち着くのかまで、なんとなく想像付く感じが不思議。良い意味で予想を裏切ってもらいたいところです。

 八日町吟にももちろんライバルとしてのポジションを獲得する可能性はあるとは思うのですが、そうだとしたら、本作のラストは葉月じゃなくて吟自身が打つんじゃねーの、と。この一番の見せ場でお役御免になっているところから、「多分実績はありつつも活躍がそんなに描かれないまま、ちょっと力足らずな印象のある仲間」というポジションに落ち着くんだろうなぁ、なんて想像してしまいました。キャプテン翼の森崎くんみたいな。


〜熱い囲碁対決は4巻から〜
 さて、3巻では新たなフィールドで登場人物が揃ったところで幕引き。熱い戦いは4巻以降に持ち越しです。全部のキャラと対戦していったら相当長い時間がかかりそうな気がするのですが(少年漫画とかで考えると)、果たしてどのくらい続くのでしょうか。最高峰には四天王とかいうのが控えていますが、こちらは尺足らずで鷺坂がぶつかって終わると予想。そもそも和歌との対戦は想定されていないはずで、ラスボスは鷺坂かな。さて、どのような展開を見せるのか気にしつつ、続きを待ちたいと思います。


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