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Tag [新作レビュー] 2014.01.16
1106349490.jpg桜小路かのこ「ラストノーツ」(1)


早く帰ろう


■香も、煙も、そして魂も。ひっそりと立ちのぼり、静かに消えてゆく…。“反魂香”……焚くと、その煙の中に会いたい死者が浮かび上がるという不思議な香木を取り扱うお店・仁藤香堂分店。下街の路地裏にひっそり佇むその店は、訪ねる客も、ワケありの人間ばかり…。そんなある日、反魂香の仕入れ相手・五嶋の孫という美少女・えみるがやってきて…!?香りが紡ぎだす極上の恋物語、待望の第1巻!!

 小学館漫画賞を受賞したこともある「BLACK BIRD」を描かれていた桜小路かのこ先生の新連載です。物語を彩るのは3人の男女(表紙に描かれている3人です)。両サイドの男子は同い年の兄弟。線香業界第2位の大企業の御曹司なのですが、気楽だからということで、下街の路地裏にある古民家で分店の香堂を営みながら気ままに暮らしているのでした。そんな彼らの前にある日現れたのは、香の仕入れ相手である五嶋の孫という美少女・えみる。五嶋は亡くなり、彼女が代わりに訪れたのだという。表向きには出していないが、この店で取り扱っている香は、“反魂香”という特殊な香。一度焚けば、煙が死者の姿形となって話が出来る。香木を持ち込む五嶋は、言わばこの店の命綱。謎に包まれる“反魂香”の真相を知るため、行き場のないえみるを保護し、一緒に暮らし始めることになるのですが…というお話。

 主人公は一応えみるってことになるんでしょうか。ただ比率的には3人がそれぞれって感じなので、それぞれが感情移入したい相手に入れ込んで物語を見れば良いのではないかと思います。物語は冒頭の説明の通り、死者と会うことができる不思議な香を巡る、男女3人の同居恋物語です。


ラストノーツ1
イケメン設定ですが、似ていない二人。というのも、兄弟ながら同い年で、誕生日は一ヶ月違い。その性格も正反対。しっかり者なのがハル(メガネ)で、おちゃらけた性格なのがアキ(黒髪)。あなたはどっちがお好み?

 
 最近映画になった「ツナグ」に代表されるように、死者と会えるという設定を使った感動物語は多々あります。ただ本作はそういう方向には進まず、謎に包まれている反魂香の秘密を探る方向へとシフトしていきます。その鍵を握っているのが、ヒロインである、えみる。彼女自身は反魂香についての知識は皆無であるものの、彼女の祖父が他ならぬ香木の供給者であり、彼女の暮らしの中に様々なヒントが隠されているようなのです。

 感動を生み出す装置となるファンタジー要素に、同居もの、さらに三角関係と、どこからでもどこへでも転がせるような欲張りな設定。これだけ盛り込むと時に消化しきれなくなってしまうのですが、さすが桜小路かのこ先生と言った所で、無理矢理感もなく綺麗に物語に落し込んでいます。1巻は物語が始まったばかりという感じですが、導入から背景説明、物語転換までが非常にスムーズで、2巻もキッチリ気にさせてくれるという親切設計。恋愛はまだ全く芽吹いていない状況ではありますが、シチュエーションからしてそういう方向に行かないわけもなく、さてこれからどうなることやら…と、こちらも同時に期待感が。


【男性へのガイド】
→シチュエーション、キャラ的にはやはり女性向けの感は強いかと思います。
【感想まとめ】
→これだけ色々な要素を詰め込むと味が濃くなってなかなか消化しきれなかったりするのですが、スッと物語が入ってきて楽しむことができました。未だ全容は見えないですが、先々を楽しみにさせてくれる1巻でした。


作品DATA
■著者:桜小路かのこ
■出版社:小学館
■レーベル:ベツコミフラワーコミックス
■掲載誌:ベツコミ
■既刊1巻
■価格:420円+税

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
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BEARBEAR
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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