このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2014.02.16
1106359180.jpg高梨みつば「スミカスミレ」(1)


存分に
青春とやらを楽しんでください



■如月澄は、祖母・父・母を介護し続け、気がつけば恋もしないままに60歳になっていた。母の葬儀を済ませ独りきりになったある日、澄のもとに黎と名乗る化け猫が現れ「青春をやりなおしたい」という望みを叶えてやるという。17歳の少女・すみれとして若返った澄は高校に通う事になるけれど…!?

 「紅色HERO」や「悪魔で候」の高梨みつば先生のCocohana連載作です。最近は田島みみ先生といい、別マやマーガレットで活躍されていた一線級の先生方が、こぞってCocohanaに移っているという状況。十代向けの少女漫画がしんどくなってきて、こちらに移って自由に、ということなのでしょうか。そういう流れの中でも、「今日は会社休みます」(→レビュー)の藤村真理先生みたいな例も出て来ていますし、何にせよ、馴染み深い漫画家さんが多いので、非常に注目しております。
 さて本作ですが、あらまし紹介にもあった通り、チャレンジングな内容になっています。スポ魂ものが流行っていない中で、バレーボールものを描き上げた高梨みつば先生らしい取組と言いますか。なんと、主人公は60歳。還暦です。別マからCocohanaへ移って読者の年齢層が上がったとはいえ、さすがに還暦女子はターゲット層ではありません。すごい。

 ヒロイン・澄は、親たちの面倒を見るために高校を途中で辞め、以来ずっと家で親達の介護をしてきました。それが先日、母を亡くした事でたった独りに。そんなある日、家を片付けていると、猫が描かれた古びた屏風を発見。アクシデントで、その屏風に血を付けてしまいます。その夜、彼女の目の前に現れたのは、大きな化け猫。望みを言えと言われた中で、「青春をやりなおしたい」と伝えると、次に目覚めた時には若返った身体になっていたのでした。その日から、17歳の少女として生活することになる澄ですが、初めての経験に戸惑いばかりで…というストーリー。


スミカスミレ1−1
年齢的な問題でなく、単純に恋愛経験に乏しい。なので、恋愛ごとのそのすべてが初体験。反応が初々しいのですよ。まさに女子。


 ヒロイン・澄の若返りをサポートするのは、化け猫の黎。人間の姿になり、彼女と一緒に暮らしながら諸々手伝ってくれます(表紙の青年は黎です)。なんで手伝ってくれるのかというと、そこには黎なりのメリットがあって、契約主(澄)の願いを叶えることで、彼自身の願いも叶う仕組みとなっているという。澄の願いである「青春のやりなおし」には、単なる若返りだけでなく、友情や恋という要素も込められているため、すぐにはミッションコンプリートとはなりません。
 
 おばあちゃんが若者に紛れて、ジェネレーションギャップで浮く…というのは容易に想像がつく展開。ただ、澄の場合はずっと家にいたという設定があることから、変に年を食って擦れておらず、非常に純粋で、初々しさに溢れているという。恋すらも一度もしたことがない(処女です、はい)ため、その全てが初めてづくし。最初はもちろん浮いてしまうのですが、その真っ直ぐさで相手と対峙することで、興味を持ち寄って来てくれる人もいたり。


スミカスミレ1−2
読んでいて気になるのが、ヒロインがクラスメイト達に同年代的な視点で接するのか、年上目線で接するのか。基本的には同年代的に接しているのですが、時に年上的に接するから面白い。


 一番のハードルとなるのが恋愛と思われ。一応相手役っぽい子も登場するのですが、表紙を見る限り全く登場しておらず、さてどうなることやら。黎と…という展開でもよろしいのですが、黎にも実は想いを寄せる相手がおり、それまた障壁になるというね。いずれにせよ設定からどうにでもできるので、これからどう転がっていくのか楽しみです。


【男性へのガイド】
→ヒロインに想いを重ねて読むタイプのお話ではなく、応援してあげたい的な気持ちで読む作品ですから、思いの外ハードルは高くないのではないのかと思います。
【感想まとめ】
→まったく需要のなさそうな設定から、普通に“読める”作品に仕上げてくるのはさすがの一言。結構面白いですし、続きが気になるところです。



作品DATA
■著者:高梨みつば
■出版社:集英社
■レーベル:マーガレットコミックス
■掲載誌:Cocohana
■既刊1巻
■価格:419円+税


■試し読み:第1話

カテゴリ「cocohana」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。