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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2014.02.23
1106359444.jpg君塚祥「ホムンクルスの娘」1巻


しっかり守ってくれたまえ


■震災からの復興も進まず、景気は悪い。食うにも困る人々は宗教にも縋る。そんな昭和初期の日本。ごろつきの青年・九二郎は、ひょんなことから第11帝国陸軍技術部研究所特務・洩矢機関所属の軍人として召し上げられる。そして、無理矢理宗教施設へ潜入捜査を命じられ、神秘的な美少女、月子と出会い……。昭和初期の帝都を駆け抜ける超能力×オカルトサスペンス、堂々開幕!!

 君塚祥先生の、これは初単行本ですかね?ゼロサムオンラインにて連載されているファンタジー作品になります。物語の舞台は、昭和初期の日本。震災の後、復興もままならない日本の帝都で、親も無くごろつきをしている二十歳の青年・九二郎がこの物語の主人公になります。徴兵検査でひと暴れして、もちろん不合格だろうと思っていたら、何やら怪しげな場所へと連行され、軍人として登用されることを告げられます。彼が所属することになったのは、第11帝国陸軍技術部研究所特務・洩矢機関…国内の“呪物”と呼ばれるオカルト的なものを集め軍需利用を目指す、一風変わった部隊。彼の任務は、国中から呪物を探し出し、回収すること。手始めに、新興宗教への潜入捜査をすることになった九二郎ですが…というお話。
 

ホムンクルスの娘1-1
ここまでのあらすじ紹介だとあまりファンタジックな要素は少なそうに見えるかもしれませんが、結構盛りだくさんですから。それがあらわになるのは、初っぱなの宗教施設への潜入で超能力者の人造人間である美少女・月子を助け出すことから。以降、この超能力者の月子を守るという命が課せられ、彼女とコンビで呪物を探すことに。


 部隊の仲間には、超能力者や異形のものもおり、さらに敵もそういった類いの人間が多数と、中盤以降一気に超人祭りの様相を呈してきます。昭和初期と、文献的にも文化的にも怪しげなものがまだまだ残っていた混沌の時代背景もあり、そういったものと雰囲気的にも上手くマッチするのですよ。超人類的な能力者たちのバトルというところで、イメージ的に一番近いのはドラマの「SPEC」あたりでしょうか。


ホムンクルスの娘1-2
能力者たちが多くいる中で、主人公は実に普通の人間。月子といることで超能力が発現することもありますが、それは稀。気さくなキャラクターで非常に親しみやすいです。また見ため的には軍服ということから、そういった要素がお好きな方にはたまらないのでは。またパートナーの月子も猫耳チックな髪の毛に僕っ子となかなかツボを押さえているキャラでございます。


 物語は基本的に呪物の回収をベースに進む、数話完結型の進行ではあるのですが、どうもその先に国家転覆を目論むような大きな組織がいるようで、物語の進行とともに物語の枠組みは広がりを見せていきます。一応こちら側も国家の後ろ盾がありますから、拡げようと思えばいくらでもスケールを拡げられそうな設定。とはいえ、ゼロサムオンラインで長期連載…ということもあまり考え難く、人知れず戦い人知れず平和が訪れるような、あるべき枠に落ち着くんじゃないかな、という予感もあります。
 
 物語の進行とともに枠・人物を拡げていくサイジング調整は絶妙。また物語も割と整然として一本筋が通っており、読みやすいです。絵も綺麗でキャラも立っているため、本当にデビュー単行本なのかと思ってしまうような出来映え。ちょいと良い掘り出し物を見つけた感覚がありました。この作品自身がウケるかはわかりませんが、なんとか定着して欲しいですね。


【男性へのガイド】
→主人公は男性で、つれない僕っ子を相手にした物語と、そこそこ取っつきやすい下地はあるのではないかと思っています。
【感想まとめ】
→絵柄、ストーリー、設定、それぞれ手堅く、デビュー単行本っぽくない感じが。作品共々、ちょっと覚えておきたい漫画家さんです。


作品DATA
■著者:君塚祥
■出版社:一迅社
■レーベル:ゼロサムコミックス
■掲載誌:ゼロサムオンライン
■既刊1巻
■価格:590円+税


■試し読み:第1話【PC】スマホ/タブレット

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