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Tag [新作レビュー] 2014.05.06
1106390008.jpg渡辺カナ「ステラとミルフイユ」(1)


誰でも誰かを好きになるの


■父への反発から決めたことが2つ。
 それは志望高校を変えたことと、家を出て独り暮らしをすること。
 周囲を拒絶することで始まった新生活は、
 寂しさと眩しさがたくさん詰まっていました。
 
 「花と落雷」(→レビュー)の渡辺カナ先生の新連載になります。ステラとミルフイユって何のこっちゃと思われるかもですが、読んでてもあんまりよくわからなかったので大丈夫(何が?)。欧風ファンタジーすら想起させますが、描かれるのは中二病気味の面倒くさい男子の日常を描いた青春ドラマでございます。
 
 物語の主人公は、とある高校に独り暮らしをしながら通うことになった男子・葉山銀河。医者をしている父の厳しい教育に反発するように、父に黙って親に言われた高校とは別の高校に入学し、寮生活とウソをついて独り暮らしを始めたのでした。独り暮らし初日、新しい生活に胸躍らせている中出会ったのは、お隣さんの桃野さん。見ためヤンキーあがりな年上の女性・椿さんと、その娘(?)のさくらちゃんの2人暮らし。独り暮らしをした経緯を話したところ、以来「弄りがいのあるやつを見つけた」と言わんばかりに生活に介入してきて、銀河の人間関係は広がりを見せていくのですが…というお話。


ステラとミルフイユ
弄りがいのある性格の主人公。中二病を拗らせ気味なのですが、それが愛すべき性格とでも言いますか。


 別冊マーガレットは学園ベースでの恋愛+友情って感じで回していく印象なのですが、本作は男性主人公で恋愛要素は非常に薄めであり、またメインフィールドも学校半分、アパート半分という感じ。非常に個性的な登場人物達が揃っており、笑いも生み出すのですが、当人達は至って真面目に青春しており、つまるところ一口で「このジャンル」と言えない不思議な風合いの作品に仕上っています。
 
 ベースとなるのは、抑圧からの反発で青春をこじらせた空気読めない男子高校生と、ワケありな元ヤン女性との関係。そして彼女を起点に、アパートの各住人と顔見知りになり、またそこを起点に学校のクラスメイトにまで人間関係が派生していくという広がり方。主人公はお金持ちであり、家を出たとは言っても仕送りしてもらっている上に執事が離れつつも色々とサポートしてくれるという甘い環境におり、またそれが原因なのかどこか浮世離れした感覚&性格の持ち主。一方で周囲にいる人たちは安アパートに住んでいるなりの経済状況の人たちで、個々人に色々と事情もあったりするのです。そんな人たちと触れあうことで、まともに青春を享受できていなかった半人前の男の子が、ようやく人並みの感受性だとか人付き合いの方法を体得し、青春というものを楽しむことができるようになるという。
 
 1巻は登場人物の相関図の整理という段階であり、それぞれどういう形で矢印が伸びているかわかってきた段階。主人公は恋愛云々という段階になく、あるとしてももうちょっと先のことであろうと思います。人物間でのぶつかり合いも少ないため、1巻はちょっとしたズレみたいなものから生まれる笑いがメインかなぁという印象ですが、これから関係が醸成されることで、もう少しシリアスに切り込んだ感動が生まれてくるのでしょう。またそれぞれが個性的だからか、互いの会話がガチャガチャとした印象であるのは相変わらずで、好き嫌いの別れそうな所。なんというか野島伸司的なエッセンスも感じられなくもないのですが、それは私だけですかね。


【男性へのガイド】
→男性主人公ですが、彼に共感するのはなかなかハードル高く。とはいえベタベタな恋愛要素もないので、取っつきやすいとは思います。
【感想まとめ】
→独特の風合い、台詞まわしをどう受け取るか。1巻時点では、個人的には前作の方がお気に入りですが、今作の方がじっくりめに構えている感もあり、まだどうこう言うのは尚早という感じでしょうか。


作品DATA
■著者:渡辺カナ
■出版社:集英社
■レーベル:別冊マーガレットコミックス
■掲載誌:別冊マーガレット
■既刊1巻
■価格:400円+税


■試し読み:第1話

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
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シリウスと繭
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レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




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いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
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売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




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池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
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かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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