
…柳のこと考えると
わけわかんなくなってやだ…
■6巻発売しています。
「柳だったら、嫌じゃないよ」
九条にとっての友達の距離感に悩み悶える柳。だけど、酔った柳は夢だと思って、九条にまさかの!?同窓会、誕生会、夏合宿…楽しい夏休みは、柳、相馬の眠っていた衝動を呼び起こし、ドキドキの連続に!!
〜怒濤のラブコメ〜
6巻発売しています。女子のライバル登場によってだんだんと柳に追い風が吹いてきた感のある5巻ですが、6巻では風力を増して柳に吹きすさびます。もうね、なんだこのラブコメってぐらいにラブコメ。しかもなんだか、絡み方に色々なパターンがあるという贅沢っぷりでございますよ。

まずはプラネタリウムでド定番のこれ。付き合う前、付き合った直後、初めての映画でありがちなやつです(あくまでマンガ・アニメの世界での定番ですから)。しかも腹立たしいことに、これデートとかじゃなくて、天文サークルの面々で行った時にやってますからね。これリアルであったとしたら、気づかれたら結構気まずいことになりそうです(笑)

続いてはこんなの、付き合って長年経ったカップルが見せがちな「夫婦?」というアレ。付き合ってすらいないのに、この空気感はすごい。男女としての関係に進展が見られずやきもきしていた柳ですが、友達的な関係性から見ればこんなにも自然に打ち解けられているという。小中高の流れからすれば、これでもすごい進歩なんですけどね。なんとなくですが、付き合ってしばらく経って落ち着いたら、きっとこんな感じになるのだろうと予感させるものがありました。
しかしなんといってもこれですよ、これ…

色々とニヤニヤポイントはあったのですが、やはりポイントが高いのは、普段フラットな九条さんが取り乱す瞬間でして。そしてその取り乱しっぷりが大きければ大きいほど、そのポイントは高くなるという。あの一件以降取り乱しまくり、赤面しまくりの九条サンですが、ついに「ばか」発言ですから。
九条さんはこれまで決して柳に対して「ばか」なんて言いませんでした。相手を卑下することもなく、そして冗談を言う事もなかったから。それを踏まえた上でこの発言を振り返ると、実に味わい深い。もうこれだけでご飯5杯くらいいけそうです。思わずこんな発言をしてしまうほどに、彼女に余裕がなくなっている、そしてこんな言葉を発せてしまうほどに、柳を親密に捉えている、と。他にも色々とにやけポイントはありましたが、発言が持つ意味ではこれが段違いにポイント高いのです。
〜相馬くんが不憫すぎる…〜
さて、このまま一気に成就か思ったのですが、正念場を迎えそうなのはむしろ相馬の方という。まさかまさかの…。しかし彼の周囲に巻き込まれている/動かされている感はすごいですね。それはその他の脇役の意思でもあり、作者さんの意思でもありなのですが、彼の想い通りに事が運んだシーンがまぁ無いこと無いこと。今回も不憫の極みとでも言うべき状態で、実家に押し掛けられる → 高校時代想いを寄せていた子に再会 → 親父と喧嘩 → 予定外のラスト という怒濤の流れ。そろそろ彼に幸せが訪れてほしいものです。
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