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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2014.08.05
1106422026.jpgジョージ朝倉「夫婦サファリ」(1)


きみが座ってるだけでも
奇跡だった



■「バラされたくなければ…私と結婚してください」
 漫画をパクったことが編集者・日歌(元漫画家)にバレ、脅されたジョー(漫画家・バツイチ)。彼女は同棲7年のヒモを捨て、荷物ひとつで転がり込んできた。癒えない離婚のキズとかあるけど、バラされたくはない……。もう、再婚するしか道はない!!〆切ギリギリなテンパリ漫画家が暴走する、めおとコメディ!
 
 「溺れるナイフ」(→レビュー)などを描かれているジョージ朝倉先生のフィーヤン連載作でございます。最初に言ってしまいますが、もうとにかくめちゃくちゃ面白かった。何でしょう、これまで読んだどの作品よりも“ジョージ朝倉作品”だったという感覚。とにかくエネルギーに溢れていて、勢いが止まらないというか。個人的には今年1・2を争うヒット作でした。
 
 描かれるのは、担当編集(日歌)に脅されて脅迫結婚をした漫画家(ジョー)のお話。あらましは冒頭の通りで、編集がかつて描いていた作品をパクっていることがバレ、あろうことか結婚を迫られるという所から物語は始まります。7年寄り添った恋人を捨ててまで自分と結婚した彼女の意思は!?そこに愛はあるのか!?様々な疑念が渦巻く中、彼女に誘導されるがまま新婚旅行はアフリカに…。そこに愛はないのだから、もっと殺伐とすべき…と一歩引いて過ごそうとするジョーでしたが、日歌ちゃんは女性として妻として実に魅力的で、どんどんと彼女との結婚生活にのめり込んでいくのですが…という話。


夫婦サファリ1
こんな勢い。四六時中こういうわけではなく、ダウナーな状態からいきなりギアを切り替えてこんな感じになったり。


 描かれるのは結婚生活。登場するイベントも、新婚旅行・家を買う・子供の名前を考える…と言った結婚生活に普通に登場するものなのですが、いちいち勢いが凄くて、受ける感覚は非日常。主人公のジョーはバツイチでその傷も癒えておらず、加えてこんな訳分からん展開で二度目の結婚をすることになったため、疑心暗鬼に陥りがち。一方で女性として非常に魅力的で、また漫画家としての才能も感じている(パクってたぐらいですから)日歌ちゃんと結婚生活を送れるため、その面ではアガる。この主人公の情緒不安定から来る揺り戻しの幅・スピードがとにかく大きく、面白い。 

 情緒不安定なジョーとは対照的に、日歌ちゃんはブレないブレない。そんでもって、ジョーのことが好きなのかよくわからんという。こりゃあジョーも疑心暗鬼になります。妻としては申し分なく、これで日歌ちゃんの愛情が100%感じられる状況になれば彼の情緒不安定も解消されるのでしょうが、まぁ無いんだろうなぁ。当人として落しどころを見つけなければいけないのでしょうが、それが難しい。だって本心見えないんですもの。結婚・夫婦生活のシチュエーションとしてはなかなかありえない状況なのですが、驚くほど納得してしまうのはキャラの描き出しの上手さ故なのでしょうか。あと日歌ちゃんは割とリアリストで、ジョーは離婚経験している割にどこかまだロマンチストな感があるのも面白い所ですかね。


夫婦サファリ
日歌ちゃんの女神っぷりがすごくてですね。もうドストライクです。どこかミステリアスで信用を置ききれない感じも、妻として女性としてブレずに居場所を与えてくれる優しさも、時折妙にエキセントリックな所も、もう好きすぎてしょうがないです。


 作品の印象的に通じるものがあるのはIKKIで連載していた「平凡ポンチ」でしょうか。ジョージ朝倉作品には信仰対象となるようなカリスマ的な存在がおり、信奉者たるキャラ(大抵は主人公)が勢い良く自発的に振り回されるというパターンを取ることが多いのですが、信仰対象の女性とクリエイターの凡人という構図が本作と似ています。ただわかりやすさというか、取っつきやすさはこちらの方が数段上で、俄然プッシュしやすいところ。「平凡ポンチ」は正直何描いてるのかよくわからんという感想を持っていたので、「こういうこと描きたかったのかな?」と10年越しに抱えていたモヤモヤが少しだけ晴れてスッキリ。


【男性へのガイド】
→ジョージ朝倉作品は男性女性どちらもいけるとずっと思ってます。本作ももちろん。
【感想まとめ】
→あんまりちゃんと具体的に感想書けていないのですが、すごく面白かったのは確かなのです。とにかくこの勢いを感じる仁は読むのが一番ですから。試し読みは新婚旅行のみですが、本当に味が出てくるのはより日常的なテーマ・舞台に移ってからだとも思いますので、はい。


作品DATA
■著者:ジョージ朝倉
■出版社:祥伝社
■レーベル:FEELコミックス
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻
■価格:900円+税


■試し読み:第1話(編集部ブログ)

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
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レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
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レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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