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Tag [新作レビュー] [オススメ] 2014.08.18
1106433636.jpgいがわうみこ「ちぇみと三兄弟」(1)


えらい所に来てしまった


■…ちぇみ、うちで一緒に暮らさないか?
 わたしを置いて逝ってしまったお母さん。その後を追うように死んだ亀の行一郎さん。17歳で、ひとりで、バイトしながら狭いアパートで暮らしていた。幼き頃にきょうだいだった彼が、迎えにくるまでは…。
 
 「虹の娘」(→レビュー)などで昨年話題をさらったいがわうみこ先生のオリジナル連載になります。レーベルはFC Swingというあまり聞き慣れないものなのですが、連載媒体はフィールヤングということで、お馴染みの場所。
 
 主人公は表紙にも描かれている女の子・ちぇみ。見た感じちびっ子小学生という感じですが、こう見えても17歳で、母を亡くして以来たった一人でバイトをしながら生計を立てて暮らしている苦労人です。そんなある日、彼女の元を訪ねてきたのは、亡くなった母の元結婚相手の息子…一時は、きょうだいとして暮らしていた“兄”でした。ちぇみが一人でバイトをしながら生きているという情報を聞きつけ、一緒に暮らさないかと持ちかけてきたのでした。お言葉に甘えて一緒に暮らすことにしてはみたものの、そこでも待っていたのは一筋縄ではいかないクセ者兄弟達で…というお話。

ちえみと三兄弟1−1
このちょっと腹立つ感じわかりますかねー。妙なくどさがあるといいますか。ちなみに彼は一番真面目な長男です。なおちぇみ自身は臆病なちびっ子というイメージで、おろおろ感があるものだから兄弟達からマスコット的にかわいがりにあっております。


 ストーリーはヒロインであるちぇみが、同居先の三兄弟と心通わせる中で芽生える気持ちのアレコレを描いた青春ファミリーコメディとなっているのですが、そこにいる人たちがなかなか食えない。基本的には歓迎ムードで、お父さんなんかはもう大切にしてあげたい感が溢れ出ているという。ただしお仕事が忙しくてあまり家にいないという。長男の見は社会人なのですが、彼が一番まともというか、普通。次男の見はチャラチャラ遊んでいる子で、人に甘えながら生きているぶん人間観察に優れたタイプ。三男は美形なのですが自分大好きで口が悪いという野郎。ただまだ高校生でピュアさも存分に持ち合わせており、これからの動きが楽しみなタイプであります。さらにここに加えて、長男・見の彼女もしばしば家に来るのですが、この人もまた食えないタイプなんですよ。この人のキャラは見てからのお楽しみなのですが、物語展開に大きな影響を与える人であることには違いありません。
 
 兄弟3人が結託しているという感じはなく、ちぇみの投入で兄弟間の関係もちょっとずつ変化を見せていきます。ちぇみ対兄弟という構図だけでなく、兄弟同士の絡みも面白いので、そちらも是非注目。
 

ちえみと三兄弟1−2
個人的には三男の聞が好きですかねー。ピュアな感じと、割を喰う末っ子感がたまらなく可愛らしくて。ラブの匂いもしてきませんかね、ないですか、そうですか。というわけで一応恋愛が絡みそうな余地はあるのですが、今のところ本格的に動いてはおらず、最終的にどういう着地をするのかは現段階では判然としません。


 最初はいがわうみこ先生ということで、どんだけ変なキャラが登場するんだろう、どんだけ変な間で進むんだろうと期待と不安が入り交じりつつの読み始めだったのですが、おもいのほかまともに物語は進みます。さすがに短編の濃度で進んだら持たないか。とはいえ独特の間、キャラの立ち方は健在で、相変わらず笑える物語に仕上っています。ごろごろと物語は転がって、続きが気になる形で1巻は幕切れ。捻れ捻れて2巻でどうなるのか。楽しみですね。
 
 
【男性へのガイド】
→男達のキャラについていけるかでしょうか。結構クセがあるので。
【感想まとめ】
→どういう展開を見せてどういう着地となるのか、あまり想像つかないので先が気になります。面白かったです。


作品DATA
■著者:いがわうみこ
■出版社:祥伝社
■レーベル:FC Swing
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻
■価格:680円+税


■試し読み:第一話

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かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
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