
ヘンな意味じゃなく協力してほしい
絶対ヘンなことしないから
■就活に挫折し、現在フリーターの寺田亜希(24歳)は、同棲していた彼氏にフラれ、友人の紹介でシェアハウスで暮らすことに。そこで再会したのは、中学の同級生で、初カレ兼はじめて「した」相手・本行智也だった。ここ2年ほど「たたない」という彼だが、亜希に偶然接触したところなぜか反応が!全体ヘンなことはしないという約束で、亜希は協力を求められて……!?
石田拓実先生のKISS連載作でございます。ちょいエロというか、下ネタ挟みつつ女子があれこれ考えるマンガということで、石田拓実先生らしい作品だなというのが物語を読んでの印象でした。
物語は冒頭のあらましの通り。就活で心折れ、自己評価が低くなっている中で、さらに彼氏にフラれどん底状態のヒロイン。まずは住処と、友達にシェアハウスを紹介してもらい訪れると、そこには中学時代の元カレかつ初体験の相手(←これが重要)が。学生時代からそうだったけれど、何を考えているのかわからない彼から持ち掛けられたのは、まさかのED治療の提案。どうもここ2年ほど全く息子が反応しない中、ふと亜希に触れたら反応したということで、これは現状を打開する一手になるやもしれん…と思ったのだそう。のらりくらりと押し込まれる形で受諾してしまう亜希でしたが。。。というお話。

解決の方法は「添い寝」。「何もしない」という約束があるので、ここまでしかしません。
「何もしない」という前提はありつつも、その方法は添い寝で体が密着、しかも結構勃ってるアレが背中越しに当たるという、なかなか異様でエロティックなシチュエーション。そんな異常なシチュエーションに、なんとなくドキドキしてしまうんですな、ヒロインは。大人びた元カレってのもあるでしょうし、初体験の相手ってことで更に意識してしまっている部分もあるのかもしれません。それに自分にしか反応しないってのは、種類はともあれ特別感があるのではないでしょうか。
また本行の本業(ダジャレ)は小説家でそこそこ売れっ子。ただでさえ自己評価の低くなっている所で、しっかりとした人に必要とされているという感覚が、いっそう断りづらくさせているきらいもあります。
忘れてはいけないのが、ここがシェアハウスであるという所。もし2人だけだったら一気になだれ込みそうなのですが、2人のほかに男女が1人ずつおります。1人は本行の元担当編集の年上の男性。彼は2人の関係を理解し後押ししてくれるのですが、もう1人の女の子が厄介なのですよ。彼女は作家である本行を信奉している信者めいた子で、ちょっと怖いくらいに本行が大好き。そんな彼女が目を光らせている中で、添い寝を敢行しているわけですから、ドキドキ感はいい意味でも悪い意味でも上がるもんです。
かくして添い寝が定着してきた中で1巻は終わり。この後どうなっていくのか、非常に気になる所です。このはしたなさを隠さないヒロインの心情描写がとても良く、石田拓実先生の作品なんだからそれはある種当たり前でもあるのですが、「かくかくしかじか」を読んだ後にこれを読んだので「こんなの描けるんだ」という無駄な感動が。
というのも、東村アキコ先生によって描かれていた石田拓実先生がこれですから…

すげえなって思いません?せん?ちなみに、本作の帯も東村アキコ先生が推薦文を寄せられています。
【男性へのガイド】
→このヘンなシチュエーションを受け入れられれば後は特にハードルもなく楽しめるのではないかと思いますです。
【感想まとめ】
→ひっついて寝るのは好きですし、そこでのドキドキ感も好きなので、まさにストライクな作品でございました。特に寝ながらお腹触るとこ!面白かったです、オススメで。
作品DATA
■著者:石田拓実
■出版社:講談社
■レーベル:KC KISS
■掲載誌:KISS
■既刊1巻
■価格:429円+税
■試し読み:第1話