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Tag [新作レビュー] 2009.04.04
syounendolls.jpg響ワタル「少年ドールズ」(1)


3人いれば
思い出もきっと3倍作れるよね!
楽しい思い出もたくさん
総思うでしょ レオ 雪



■人形の声を聞くことができ、その魂を救うことができる人形師のあげは。一族には、代々受け継がれる、麗しい人形が   「レオ」と「雪」。彼らは人形師のキスによって、夜の間だけ人間の姿になることができる。今あげはの手元にある人形は、オレ様な性格の「レオ」。行方不明の相方「雪」を探して、レオとあげははとある危険な依頼を受けることに…。

 麗しい美形の人形2体と、それを従える女子高生人形師・あげはの活躍を描いた人形師活劇…みたいな。上記の「雪」は後に発見され、一緒に暮らすようになります。人形ふたりと共に暮らすあげはは、その生活を楽しみつつも、普通の女子高生らしく恋愛したり遊んだりしたい思っています。しかし代々受け継がれる人形師として、浮かばれない人形たちの魂を救わなくてはならないため、中々普通の生活を送れません。また、人形の声が聞こえるということで、ついつい人形(この作品ではぬいぐるみなども含む)と話し込んでしまい、周囲からは訝しげな視線を送られる始末。彼女が普通の女子高生として生活を送るようになるのはなかなか難しそうです。


神様ドールズ
あくまで人形達を軸に話が進行する。


 美形人形との主従関係というと、以前紹介した「ウィル・オ・ウィスプ」(→レビュー)なんて作品がありましたが、こちらもモチーフは一緒。基本ハーレムでありながら、他方でもう一つの物語を進行させるという構成。この作品では、人形師としてさまざまな事件(もちろん人形関係)に関わっていくことで話を展開。全体として大きな物語があるという感じではなく、水戸黄門的に毎度毎度トラブル解決というスタイルなので、不定期連載にはちょうど良い内容かもしれませんね。


【オトコ向け度:☆    】
→うーむ、女の子のために描かれたという感じが強いので、男性には向かないと思います。
【私的お薦め度:☆☆   】
→マイナスはないけれど、かと言ってプラスもない印象。「ウィル・オ・ウィスプ」もそうでしたが、もしかしたら単純に「美しい人形+ハーレム」という設定が、個人的に合わないのかもしれません。


作品DATA
■著者:響ワタル
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLa(平成20年4月~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税

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