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2015.01.28
1106481684.jpgカム「キラキラ光る嘘の粒」



嘘をつきすぎて
弥次郎が本当のことわからなくなったら
私が見つけてあげるから




■嘘つきの言葉から本当の言葉を探すにはどうしたらいいの?
 嘘をつかずに生きてきた「占い姫」と嘘をつき続けて生きてきた「弥次郎」。
 相反する二人が傷つけ、支え合い、その先に見つけたものとは?
 異彩・カムが描く、輝く嘘の物語。

 短編集「山響呼」(→レビュー)で単行本デビューしたカム先生の連載作です。それでは物語を紹介しましょう。メインキャラは2人。1人は何でも未来を見通せる力を持つ「占い姫」。彼女は自分の占い結果を信じてもらうため、生まれてからたったの一度も嘘をつかずに生きてきました。時には相手の死すら隠すことなく伝えてしまうため、周囲の人間は少しでも嘘をついてトラブルを招かぬようにしてほしいと望んでいます。もう一人は嘘ばかりついて生きてきた弥次郎。各地を回り商売をしている飛行艇に乗って旅をしている男で、非常に口が上手い世渡り上手。ひょんなことから弥次郎は占い姫の嘘の先生となり、飛行艇に乗って世界を回ることになるのですが・・・というお話。


 物語は2層構造。行く先々で出会う人々は何かしらの問題を抱えていて、それらに占い姫や弥次郎が介入し、その問題を解決することで、1話あたりの物語が転がっていきます。もう一つ、1巻通しての流れとしては、それらの問題を通して「人はなぜ嘘をつくのか」と占い姫が感じ学び、段々と変化していく様子が描かれます。


きらきら光る嘘の粒
変化は見せつつも真っ直ぐな性格は相変わらずで、占い師の割に後先考えずに行動して度々危険な目に遭うことも。そんな暴走しがちな彼女を守り支えるのが、嘘つきの弥次郎というわけです。


 占い姫は当初、とにかく真実を伝えてあげることこそすべてであり、人が嘘をつくことへの理解は薄いところがありました。それでも弥次郎と出会ったことで、人がどうして嘘をつくのか、そして嘘をつく人をどう信じれば良いのかということについて、自分なりの答えを見出すようになっていきます。

 「嘘をつくのが良いのか悪いのか」という所に答えはなく、双方の落としどころとしては、あくまで自分なりの嘘との付き合い方を固めるというところ。それぞれに嘘のつき方にポリシーがあるわけですから、相手ごとに自分の姿勢・考え方というものを変えなければいけません。そのため物語的には、誰かのつく“嘘”を見据えるというよりは、嘘をつく“弥次郎”や嘘をつかない“占い姫”という、個別の人間関係に帰結していくことになります。「嘘と真実をめぐる…」なんて言うと大きな物語に聞こえるかもしれませんが、割とこじんまりした世界を優しく描いたお話なのだと個人的には感じています。


【男性へのガイド】
→男女での壁というよりは、こういう独特の作風を好くか否かという気がします。
【感想まとめ】
→カム先生ということで、絵柄も世界観も独特。割と好き嫌いが分かれるんじゃないかとも思うのですが、好きな方はドハマりしそう。テーマ自体は誰しもに通じる普遍的なものだと思いますので、とっつきやすさはあると思います。私は好きなクチですので、もちろんオススメ。どういう話なのかは、まずためし読みをチェックしてもらえればよいかと。


作品DATA
■著者:カム
■出版社:講談社
■レーベル:KC ITAN
■掲載誌:ITAN
■全1巻
■価格:702円


■試し読み:第1話

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