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Tag [新作レビュー] 2015.02.04
1106472773.jpg青桐ナツ「あめつちだれかれそこかしこ」



わかってる
私が怪しいのはわかってる




■ヒゲとこどもと高校生が。
 両親を亡くし、身寄りは他にないと思っていた青司にもたらされた、祖父の遺産相続話。よくわからないうちに相続したのは、平屋の古民家。しかも住んでみると、自分以外の住人が……!?土着日常奇譚の幕開けです。

 「flat」の青桐ナツ先生の新作です。今作は、神様と繰り広げる家庭内バトルという、ファンタジックな要素を含んだ一風変わった日常コメディです。主人公は両親を亡くし、天涯孤独になってしまった青司。ところが最近になって親族が見つかり、祖父から古い平屋の一軒家を相続することになります。その家で暮らすことにした青司は、煤けた家の掃除を手始めにすることに。だんだんと家がきれいになっていくのと同じくして、何やらヒゲのおじさんの姿が濃く見えてくるように。声まで発するそのおじさんの言うことには、彼は年神という存在とのことで、彼との不思議な同居生活が始まるのでした。さらに納戸には子供の神様がおり、ヒゲと子供との3人暮らしに。さらにこの家は、得体のしれない何かを引き寄せる力があるらしく、度々ヘンなことが起こるのですが、、、というお話。


あめつちだれかれそこかしこ0007
この傍若無人な神と、それに全く動じることなく対抗する青司。この淡々としたペースで繰り広げられる、どこかローテンションなネタ。いいです。


 「flat」は小さい子供にあれこれ振り回される脱力系日常コメディでしたが、本作も構成する要素こそ変化があれど、そのスタンスは大きくは変わっていないのではないかと思います。青司は日々平穏に生きたいと願っているのですが、それに反して2人の神様はそれぞれ彼の日常を乱します。子供の納戸神は働きもせず、家でテレビばかり見て、働きもせず散らかすばかり。さらにはあれやこれやと青司に命令をしてきます。おじさんの年男は、穏やかな性格で比較的無害なのですが、いざというときに頼りにならず、時折青司をイライラさせます。

 神様相手ですが青司はひるむことなく立ち向かっていきます。「自分のことは自分でやれ」と堂々と立ち回り、その態度で神様をある程度従わせてしまうという、なかなか肝の据わったキャラクターです。両親を失い、もう怖いものは何もないということなのでしょうか。こういう不思議な存在を相手にしたときでも、これと言って動じることなく話が流れていくのは、青桐ナツ先生ならではという印象がありました。やいのやいのやりあいつつも、振り返ってみればにぎやかで楽しく、しっかりとそこに自分の居場所があったという類の日常ものでしょうか。

 古民家自体が得体のしれない存在には居心地が良いらしく、不思議な出来事が様々起こります。この流れは「夏目友人帳」に通じるものがあるのですが、驚きはしつつも言うほど動じてないところなどは夏目に似ているかも。ただ手段選ばずあれこれやる冷酷さも持ち合わせており、いわゆる夏目的な感動話は一切ないことはお断りしておきます。あくまでコメディなので、コメディ。



 
【男性へのガイド】
→男たちの同居というと、BL的なアレがアレでという想像もできるのですが、普通に読んでいる限りではあんまりその辺は強く感じることはありません。女性キャラが少なく、桃色要素が少ないのは確かにありますけれども。
【感想まとめ】
→巻数表示ありませんが、どうも本誌では連載が続いているようで、またお話がたまれば続刊発売があるんじゃないでしょうか。どんな状態の時でも楽しく読める、脱力系の日常奇譚ということで、幅広い人におすすめできる作品ではないでしょうか。



作品DATA
■著者:青桐ナツ
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:ブレイドコミックスアヴァルス
■掲載誌:アヴァルス
■既刊1巻
■価格:571円+税


■試し読み:第1話(案内ページ)

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