このエントリーをはてなブックマークに追加
--.--.--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
カテゴリスポンサー広告||TOP▲
このエントリーをはてなブックマークに追加
Tag [新作レビュー] 2015.02.12
1106481875.jpg三島衛里子「私立ブルジョワ学院女子高等部外部生物語」



私は……
サロンの一員になれる!!




■誰もが羨むセレブ女子校「ブルジョワ学院女子高等部」。中でも中等部から内部進学した“内部生”たちの日常生活は庶民派の“外部生”えり子にとって驚天動地の連続で……!?セレブ女子校の内情と、セレブと庶民の埋められない(!?)格差を描く、カルチャー・ギャップ・セミ・ドキュメンタリー!

 「高校球児ザワさん」の三島衛里子先生による、セレブ女子高の日常を外部生の視点から描いた半自伝的作品になります。「ザワさん」が共学の学生生活っぽい要素をたっぷり詰め込んだ作品だったので、てっきり三島先生は共学出身かと思っていたのですが、どっこい実は女子高出身でしかもお嬢様学校に通っていたという。ブルジョワ学院として描かれているその高校は、中等部からの持ち上がり組(内部生)がお嬢様を地でいく人たちであるのに対し、外部生はガリ勉でモサイ感じが拭い切れず、どうしても越えられない壁というものが立ちふさがります。えり子は当然のことながら外部生。入学して驚愕した数々の出来事と、その中でいかにして生き抜いていったかという様々なエピソードが、面白おかしく描かれております。


ブルジョワ学院
日常的にバイオリンをするなんて想像がつかないし、していたとしてもそんなところにアザができるなんてわかりもしない。この文化的格差。そして「内部生はいけてるしそういうこともしているだろう」という、下世話な偏見。なかなか相容れません。


 描かれる時代は、ギャルを意味する渋谷系が最もイケているとされた時代。ルーズソックスに茶髪全盛というころでしょうか。女子校生はイケイケで、様々なメディアでもてはやされたころだそうです。自分はまだ小学生とかそのくらいでしたでしょうか。この頃は特定の高校がブランド化しており、ブルジョワ学院も例外でなかったそうで。。。

 私は大学まで一貫して国立・公立だったので、私立高校ならではの雰囲気とか内部生と外部生の帰属意識とか、そういったものには触れずに来たのですが、やはりわかる人にはわかるものなのでしょうか。資金力や育ちの良さ、それに裏打ちされたあか抜けた感…洗練されたおしゃれリア充な路線を走る内部生と同じラインで勝負するのはどうしても分が悪い。それ以外の路線で勝負せねばならない(と思い込んでいる)外部生たちは、あれこれと考えを巡らせて自分のアイデンティティを探っていきます。ただどうしても外部生根性が抜けないのか、内部生から認められるとなんか嬉しいっていうあたりは、なんだかわかる気も(笑)

 ザワさんとはだいぶ異なった作品のようにも見えますが、外から入ってきた異質な存在が織りなす笑いやほっこりといった構造は、同じなのかなと思います。こちらの方が自伝である分、自虐的に笑わせてくる部分が多くなってはいますが。また多分にバイアスがかかっているように思いますので、これがこの学校の真実かというと、もちろんそうではないはずですので(時代も違いますしね)。


【男性へのガイド】
→女子高ならではの内容で色気もへったくれもないですけれども、脱力しつつ楽しめる読み物で、ハードルはかなり低めかと思います。
【感想まとめ】
→掲載紙が休刊となったことで1巻完結、なんとなくふわっと終わっている感はあるのですが、終始肩ひじ張らず楽しめる作品でした。



作品DATA
■著者:三島衛里子
■出版社:秋田書店
■レーベル:motto!
■掲載誌:motto!
■全1巻
■価格:680円+税


■試し読み:第1話

カテゴリ「もっと!」コメント (0)トラックバック(0)TOP▲
コメント


管理者にだけ表示を許可する

この記事にトラックバック
検索フォーム
最新記事
カテゴリ
タグカテゴリ
月別アーカイブ
リンク
プロフィール

Author:いづき
20代男、Macユーザー。野球はヤクルト、NBAはマジックが好きです。

文章のご依頼など、大事なお話は下記メールアドレスへお願い致します。


■Twitter
@k_iduki

■Mail
k.iduki1791@gmail.com
※クリックでメール作成
RSSフィード
▽最新記事のRSSを購読

a_m.jpg
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

Power Push
2012年オススメはコチラ→2012年オススメ作品集


かくかくしかじか
東村アキコ「かくかくしかじか」(1)
レビュー
東村アキコ先生が贈る、美大受験期の自伝漫画。東村アキコ作品らしい勢いの良さだけでなく、急転してのシリアスな締めなど、一冊に笑いと感動が詰め込まれた贅沢な作品。




王国の子
びっけ「王国の子」(1)
レビュー
稀代のストーリーテラー・びっけ先生が描く“影武者”もの。王位継承権を持つ王女の影武者に、町の芝居小屋で役者をしていた少年が選ばれるというストーリー。良く練られた背景を説明するために、1巻まるまる使うような、重みと読み応えのある一作。




シリウスと繭
小森羊仔「シリウスと繭」(1)
レビュー
2012年で一番の掘り出し物。独特の絵柄で描き出すのは、どこにでもあるような高校生の恋愛模様。けれどもそんなありふれた感情を、ゆっくりと丁寧に描くことで、なんともいえない味わい深さが生まれています。出会いから仲良くなる過程、そして恋を自覚し、葛藤する様子まで、その全てが瑞々しさに溢れていて、なんとも愛おしい。




トーチソング・エコロジー
いくえみ綾「トーチソング・エコロジー」(1)
レビュー
売れない役者が、役者仲間を亡くしたと思ったら、お次は隣に高校の同級生が越してきて、さらには何やら自分にしか見えない子どもの姿が見えるように…。どこかゆるさのある不思議なテイストのお話なのですが、いくえみ作品で実績のある「ある者の死と、残された者の感情」を描き出す類いの作品ということで、この先きっと面白くなってくることでしょう。




BEARBEAR
池ジュン子「BEAR BEAR」(1)
レビュー
高校生には到底見えないロリっ子ヒロインが好きになったのは、遊園地のクマの着ぐるみ。着ぐるみの中身は同じ学校の子で、結局付き合うことになるものの、その後も変わらず相手はクマの被り物をしているという、シュールな光景が繰り広げられます。なんとも奇妙な相手役、かつなんともかわいらしいヒロインの、初々しいやりとりに終始ニヤニヤ。




かみのすまうところ。
有永イネ「かみのすまうところ。」(1)
レビュー
期待の若手作家・有永イネ先生の初オリジナル連載作は、宮大工の世界をファンタジックに、そしてファンシーに描いた青春ストーリー。宮大工という伝統ある重厚な世界を、美少女な神様をはじめ、これでもかとポップに描き出します。かといってシリアスさがないわけではなく、コミカルとシリアスが丁度良いバランスで推移。まだ1巻のみですが、これから先の展開を大きく期待させてくれる作品です。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。