ねむようこ「三代目薬屋久兵衛」(1)
魔女に会ったらよろしくね
■2か月前に地元に戻ってきた25歳の三久は、祖父の漢方薬局「薬屋久兵衛」を継ぐために修行中!店を訪れるお客さんの体と心のお悩みに、時に漢方で、時にはおしゃべりで、祖父と共に応える毎日。その一方で、初恋を忘れられずにいる三久だったが、植物好きの超人見知り青年・カナエに出会って、彼のことが少しずつ気になり始め……?本格漢方×大人の純情ラブ、開幕!
「午前3時の無法地帯」(→レビュー)などを描かれているねむようこ先生のフィール新連載です。フィールでの作品はこれまで現実世界が舞台となっていましたが、今回はちょっと不思議な雰囲気をはらんだ内容となっていました。主人公は25歳の三久。久しぶりに地元に帰って来て、就いた仕事は祖父の漢方薬局の見習い。漢方医でも薬剤師でもない彼女は、一人前の店主となるために、奔放だけれど面倒見のよい祖父の元で勉強を重ねています。そんな彼女はある日、魔女が出るという森の中で一人の青年と出会います。くすぶり続ける初恋の想い出に悩まされていることから、魔女に会いたいと感じていた三久は、彼を魔女と出会う手がかりだと感じ、彼に近づこうとするのですが……。
ヒロインの三久は25歳ではあるものの、人の言うことはすぐに真に受けてしまう過剰なまでの素直さがあり、その容姿も相まってなかなか25歳には見えなかったりします。なんていうか、不思議な世界でフラフラする感じは、ジブリ作品のヒロインたちに通じるような部分もあるのかも。また相手役のカナエについては、口数少ないシャイボーイというぐらいしかわからず、どういったバックグラウンドがある人なのかという事はまだわかりません。今後色々と紐解かれ、再び絡み合っていくのでしょう。
さて、あらすじ読んでいただいてもよくわからないと思うのですが、マジでわからないです。物語として破たんしてて意味不明とかいうわけではなく、色々と意図があってのことだと思うのですが、一つと物語として捉えるには、まだあまりに輪郭がぼやけていて掴みどころがないと言いますか。25歳で未だに初恋を引きずっているヒロインが、ひょんなことから興味を惹かれる男の子に出会うという流れはあるものの、その心の揺れ動きもまたおぼろげで、どういう展開を見せてどう着地するのか全く想像がつかない感じです。
不思議な感じは物語展開のみにあるわけではなく、描かれる世界が奇妙さに溢れているというのも特徴でしょう。一応現代が舞台だとは思うのですが、プードル専門のトリマーがいたり、かき氷屋と物さがしを兼業している人がいたり、近くの森には魔女が住んでいたり……そのどれもがごく自然に存在し、受け入れられている世界です。
不思議な雰囲気で心地よく初々しい恋を楽しむ大前提となるのが、そこが優しい世界であるということ。本作の場合、ヒロインをはじめ、悪人は全く登場してくることなく彼女を包んでいるため、読んでいて非常に気持ち良いです。ただなんとなく、ヒロインの過去など後ろ暗そうな部分もありそうで、2巻以降どういった雰囲気で進むのかはちょっとわからないところ。しかしいきなりこういうふんわりした雰囲気の作品を投入してきたのは「トラップホール」の反動もあるのかもしれないなぁ、とかふと思ったりしました。
【男性へのガイド】
→ふんわりした雰囲気で来るタイプの作品って、割と女性向け度が高い印象があります。
【感想まとめ】
→如何とも形容しがたい内容で、未だに掴みあぐねている感もあり、判断が難しい所。読んでいての心地よさはあるので、2巻以降で判断してみたいと思います。ねむようこ先生ですし。
作品DATA
■著者:ねむようこ
■出版社:祥伝社
■レーベル:フィールコミックス
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻
■価格:900円+税
■試し読み:第1話
魔女に会ったらよろしくね
■2か月前に地元に戻ってきた25歳の三久は、祖父の漢方薬局「薬屋久兵衛」を継ぐために修行中!店を訪れるお客さんの体と心のお悩みに、時に漢方で、時にはおしゃべりで、祖父と共に応える毎日。その一方で、初恋を忘れられずにいる三久だったが、植物好きの超人見知り青年・カナエに出会って、彼のことが少しずつ気になり始め……?本格漢方×大人の純情ラブ、開幕!
「午前3時の無法地帯」(→レビュー)などを描かれているねむようこ先生のフィール新連載です。フィールでの作品はこれまで現実世界が舞台となっていましたが、今回はちょっと不思議な雰囲気をはらんだ内容となっていました。主人公は25歳の三久。久しぶりに地元に帰って来て、就いた仕事は祖父の漢方薬局の見習い。漢方医でも薬剤師でもない彼女は、一人前の店主となるために、奔放だけれど面倒見のよい祖父の元で勉強を重ねています。そんな彼女はある日、魔女が出るという森の中で一人の青年と出会います。くすぶり続ける初恋の想い出に悩まされていることから、魔女に会いたいと感じていた三久は、彼を魔女と出会う手がかりだと感じ、彼に近づこうとするのですが……。
ヒロインの三久は25歳ではあるものの、人の言うことはすぐに真に受けてしまう過剰なまでの素直さがあり、その容姿も相まってなかなか25歳には見えなかったりします。なんていうか、不思議な世界でフラフラする感じは、ジブリ作品のヒロインたちに通じるような部分もあるのかも。また相手役のカナエについては、口数少ないシャイボーイというぐらいしかわからず、どういったバックグラウンドがある人なのかという事はまだわかりません。今後色々と紐解かれ、再び絡み合っていくのでしょう。
さて、あらすじ読んでいただいてもよくわからないと思うのですが、マジでわからないです。物語として破たんしてて意味不明とかいうわけではなく、色々と意図があってのことだと思うのですが、一つと物語として捉えるには、まだあまりに輪郭がぼやけていて掴みどころがないと言いますか。25歳で未だに初恋を引きずっているヒロインが、ひょんなことから興味を惹かれる男の子に出会うという流れはあるものの、その心の揺れ動きもまたおぼろげで、どういう展開を見せてどう着地するのか全く想像がつかない感じです。
不思議な感じは物語展開のみにあるわけではなく、描かれる世界が奇妙さに溢れているというのも特徴でしょう。一応現代が舞台だとは思うのですが、プードル専門のトリマーがいたり、かき氷屋と物さがしを兼業している人がいたり、近くの森には魔女が住んでいたり……そのどれもがごく自然に存在し、受け入れられている世界です。
不思議な雰囲気で心地よく初々しい恋を楽しむ大前提となるのが、そこが優しい世界であるということ。本作の場合、ヒロインをはじめ、悪人は全く登場してくることなく彼女を包んでいるため、読んでいて非常に気持ち良いです。ただなんとなく、ヒロインの過去など後ろ暗そうな部分もありそうで、2巻以降どういった雰囲気で進むのかはちょっとわからないところ。しかしいきなりこういうふんわりした雰囲気の作品を投入してきたのは「トラップホール」の反動もあるのかもしれないなぁ、とかふと思ったりしました。
【男性へのガイド】
→ふんわりした雰囲気で来るタイプの作品って、割と女性向け度が高い印象があります。
【感想まとめ】
→如何とも形容しがたい内容で、未だに掴みあぐねている感もあり、判断が難しい所。読んでいての心地よさはあるので、2巻以降で判断してみたいと思います。ねむようこ先生ですし。
作品DATA
■著者:ねむようこ
■出版社:祥伝社
■レーベル:フィールコミックス
■掲載誌:フィールヤング
■既刊1巻
■価格:900円+税
■試し読み:第1話