
女子高生のコスプレした
大男がやってきた
■元男子校に、ついに女子生徒が入学する!沸き立つ校内だったが入学してきたのは、威圧感すさまじい漢女子・れもん。意気消沈する生徒たちだったが、女の子のように可愛らしい男子・三木はれもんに近づき、「この学校のアイドルになろう」と提案してきて……?漢女子×少女男子ラブコメ!!
大きな女の子がヒロインの作品ってここ最近のトレンドなのか、結構出て来てますよね。本作もそんなジャンルに属する1作になるかと思います。物語の中心となるのは、元男子校にただ一人だけ入学してきた女子・れもん。名前はこんなにかわいいのですが、その見た目は大男そのもの。ファーストインプレッションは「女子高生のコスプレした大男がやってきた」。女子生徒が入学してくると期待感たっぷりだった男子たちは意気消沈します。けれども性格はとても優しく素直なれもん。女子的な見た目で男子たちの人気を博するクラスのアイドル・三木と仲良くなるのですが……というお話。

ミキティこと三木くんとの関係はこんな感じ。俄然れもんの方が男前です。優しく素直な性格で、丁寧語デフォルトという男前っぷり。割と性格に関しては非の打ちどころがないという印象です。
身長は180センチで体格もがっしり目。見た目は屈強な男ですが、その性格はものすごく穏やかで素直。見た目にも大きなコンプレックスを抱えているわけではなく、実に自然体です。とっても良い子なので、三木をはじめ特定の仲の良い友達はできるのですが、恋愛となるとなかなか難しいという。三木は友達として仲良く接しようとするのですが、それをれもんは嬉しく思い、恋心を抱いてしまうわけですね。大きな女の子が、小さな男の子に恋をしてしまうという凸凹を楽しむコメディ。
大きなヒロインの方をいじったり動かしたりして笑いに持って行っても良いかと思うのですが、繰り返し言うようにとにかく「いい子」なので、なかなかいじれません。ゆえに相手役のミキティこと三木くんが奔走する形になり、実質彼の奮闘と迷走を楽しむというコメディになっています。小さい男の子で本気で学校の男子から口説かれたりするという面白いエピソードはあるのですが、どうにもヒロインのインパクトがデカいので、かき消されがちという。
【男性へのガイド】
→ほぼ唯一といえる女の子はこういう感じで、男の子は優男と女子っぽい子と、ピンと来るキャラがいるかどうかという所でしょうか。
【感想まとめ】
→設定や表紙からはもの凄い破天荒なストーリーがイメージできるかもしれませんが、むしろ至極真っ当にすれ違いコメディで、読み手によってはちょっと肩透かしを食らうかもしれません。ちょっとしたコンプレックスを抱える少年少女たちの一筋縄では行かない青春模様を、楽しんでみてください。
作品DATA
■著者:寺岡さこ
■出版社:マッグガーデン
■レーベル:アヴァルスコミックス
■掲載誌:アヴァルス
■全1巻
■価格:571円+税
■試し読み:第1話