
あたし…
花火をつくりたい!
花火師になりたい
■2巻発売。
テキスタイル関係の会社に勤め、バリバリ働く24歳の絢音。恋人もいるし、仕事も順調。そんな彼女が心奪われたのは、出張先のロスで見た花火。帰国後もその興奮が覚めやらない絢音は、やがて各地の花火大会を廻るようになる。そんな中出された、海外転勤の辞令。海外で働くことは、長年の夢だった。けれど、何故か心躍らず、結局辞令を断ってしまう。今したいことは何か、夢中になれるものはなにか…。気がついたときには、会社を辞め、花火師になる決意をしていた。しかし、花火師への道は、思った以上に厳しくて
OLから一転、花火師を目指すヒロインを描いた物語です。花火師になる決意はしたものの、その門戸は驚くほど狭く、飛び込むことすらできません。それでもめげずに、姉に教えてもらった花火会社に足を運び、ついには見習いとして雇ってもらえることに。花火師の厳しさだけでなく、そこを取り巻く人間関係も絡めて物語を展開させていきます。

絢音の決意が職人の心を動かす。
Kissの連載は、何か一つテーマを決めて、そこにストーリーをつけていくというスタイルが多いのですが、今度は花火師ですか。職人の世界に、全く縁のない、しかも女性が飛び込み成長していく。印象としては昼ドラっぽいかな、と。親や恋人に相談せずに仕事を辞め、まさに裸一貫で飛び込んでいくのかと思いきや、花火師に関しては恋人は賛同。この辺、ちょっと都合が良すぎないか?とも思ったんですが、今後どうなることやら。姉と花火会社の関係者との間にも因縁があったりするのですが、どうもこれもとってつけたような感じが否めない。テーマはテーマとして良いのですが、読みたいのはあくまで物語なんですよね。その辺の擦り合わせが上手く出来てないような印象を受けました。
【オトコ向け度:☆ 】
→厳しいし、大変ってのはわかる。けど肝心な所で甘い。男性が納得できるラインかと言われると微妙。
【私的お薦め度:☆☆ 】
→どうも物語として上手く機能していない感じが。「Real Clothes」のように仕事一本に絞って展開できないものか…。いや、それは欲張りかな。
作品DATA
■著者:望月玲子
■出版社:講談社
■レーベル:KC Kiss
■掲載誌:Kiss(2008年No.12~連載中)
■既刊2巻