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2009.04.14
tonarino801tyann.jpg仁/小島アジコ「となりの801ちゃん―腐女子的高校生活」(1)


初めて、
初めて三次元に萌えてしまったァァァ   !!!



■3巻発売しました。
 腐女子中学生・星野れい、アダ名は801ちゃん。もう三次元とかいいから二次元に住みたい。そんな考えを持っていたれいだったが、ある日シャアの面影を持つイケメン高校生に一目惚れしてしまう。初めて三次元に萌えてしまった…。その日から、憧れの赤い彗星の王子先輩に再び会うため、勉強にダイエット、メイクにオシャレと努力の日々が始まった…。そしてついに、念願の高校合格に、完璧な擬体ゲット!憧れの高校生活がスタートした。しかしそれは同時に、うちに秘められた801の自分との闘いの日々の始まりでもあった…。
 
 一時話題をさらったマンガ、小島アジコ「となりの801ちゃん」の少女漫画版です。といっても小島アジコさんが原案を務めただけで、ストーリー自体は全く別ものになっています。このお話でのヒロインは、三次元萌えの力によって華麗な変身を遂げた腐女子高生・星野れい。中学時代は醜い容姿をしていたのですが、努力によって高校入学時にはカワイイと話題になるほどまでに生まれ変わります。すると自然に周りには人が集まるように。そんな中で、いかに801の部分を隠し、憧れの先輩に近付けるかというのが大筋になります。


となりの801ちゃん
別フレ読者に果たして「めぐりあい宇宙」を知っている人がどれだけいるのか。

 
 先日紹介した「腐女子彼女」(→レビュー)もそうですが、腐女子のヒロインが、本気出せばカワイイってのはどうなんだろうな、と。いや、実際そういう人もいるんでしょうけどね。その方が話が動かしやすいのかなぁ。でも個人的には「海月姫」(→レビュー)みたいな腐女子の方が、らしくて好きです。さて、そんなヒロインを取り巻くのが、幼なじみのメガネくん・正太郎、腹黒美少女・黒月ルナ、そして憧れの先輩・赤井くん。キャラ配置、展開ともにベタで勝負。そう、大事なのはどれだけディープにパロれるかなのです。
 
 パロディものの宿命として、元ネタを知らないと全く笑えないというのがありますが、こちらも例外ではない模様。ネタの主流になるのがガンダムで、初代4:SEED4:その他2ぐらいの割合。初代は分かるけど、SEEDについてはサッパリな私としては、このネタを楽しめないのが残念で仕方ありません。ただネタの幅は広く、男性声優から王道マンガ、さらには萌えアニメまでカバー。隙あらばネタをねじ込んでくる心意気には感心させられます。そのためテンポが非常によろしい。ラブコメを謳っているものの、その展開自体もネタ臭いので、ソレ含めてコメディとして捉えるべきなんでしょう。とにかく元ネタを知っているか、それに懸かっていると思います。


【オトコ向け度:☆☆   】
→BL関連のネタが薄めなのが救いか。ガンダムやカイジ(ざわ…フォントだけだけど)、エヴァなら分かるでしょ?大丈夫!(何が?)
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→王道パロディネタが多いとはいえ、元ネタ知らんとね。そうするとオススメはしづらいかな、と。テンポよくて面白いですし、個人的には楽しめておりますが。


作品DATA
■著者:仁/小島アジコ
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレデラックス
■掲載誌:別冊フレンド(2008年1月号~連載中)
■既刊3巻

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