
「おまえ
教師やらねぇか?」
「……え?」
■3巻発売。
No.1キャバ嬢・希帆(本名:猪木田菊代)はある日、一番の上客である青田社長に突然、高校の教師をやらないかと誘われる。確かに教員免許は持っており、以前ソレを話のネタにしたとはいえ、あまりに突拍子のない提案に、希帆は当然拒否。しかし、「引き受けてくれたら毎月1本ロマネコンティ入れてやる」という言葉を聞いて、思わず引き受けてしまう。ダサイ格好と本名で乗り込んだその先は、青田が買い受けた私立校!しかしその学校、生徒も先生も他人に全く無関心で…!?
キャバクラの上客の社長の鶴の一声で、なぜか高校教師をやることになったNo.1キャバ嬢のお話。希帆のキャバクラ勤務時の態度(気配りや懸命さなど)に教師としての資質を見出した青田は、ロマネコンティという最強の武器を使って、買い取った私立高校に教師として希帆を送り込むことに成功します。ロマネコンティ毎月ということで、キャバ嬢と教師の二足のわらじを履いた生活を送るようになります。教師がキャバクラで働くなんて問題なのでは、とも思うのですが、オーナーが知り合いな上、教師達が他人に無関心という設定なので、大丈夫なのでしょう。

なんだかんだでやる気のきーちゃん先生(27)
昼間は地味な格好で勤務する菊代。最初は乗り気でなかったものの、次第にこの仕事にのめり込んでいきます。そんな彼女の学校での居場所が美術準備室。校内で唯一タバコが吸えるこの部屋は、喜多苦部という、やることなのない連中が集まる場所になっており、流れで彼女が喜多苦部の顧問になります。話はここを中心に展開。学校内部に一つ拠点をつくることで、キャラ固定や話の運びの安定化に成功。上手いですね。
教師もので、かつガラの悪い主人公というのでは、「GTO」をはじめ、ネタが出尽くした感がありますよね。多分多くの方が「その発想はあった」と言うんじゃないかと。けれどもそれの作品と並べたときに、こちらが見劣りするかというと、そうでもありません。時に生徒と同じ目線から、そして時に人生の先輩として、押し付けがましくなく放たれる言葉や行動は、読んでいてとても気持ちがいいですし、カラッとした性格が利いているのか、無駄に正義感や常識を振りかざさない態度はとっても好印象。いや、既視感はあるけども。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→教師ものという意味では目新しさはありません。良質な焼き直しという感覚で読んでいただければ良いのかな、と。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→安定感がありますし、新鮮味に欠けるという1点以外はどれも及第点。あらまし及び表紙から受ける印象通りの内容だと思いますので、ソレを踏まえた上で購入を検討してみてください。
作品DATA
■著者:丘上あい
■出版社:講談社
■レーベル:KC デザート
■掲載誌:デザート(平成19年11月号~連載中)
■既刊3巻