
「喜べ お前は今日からホッケー部員だ」
「ちょっ…」
■12巻発売しました。
とにかく寝ることが大好きなハナは、1秒でも寝たいからと、家から最も近い名門・明倫館高校に執念で合格する。今日も寝ぼけ眼をこすりながら、学校への道(直線200m)を歩いていたその時、あろうことか黒塗りの高級車に轢かれてしまう。ボンネットはへこみ、ミラーは折れた…しかしハナは、無傷。そんな彼女を車の持ち主・織田泉は気に入り、ホッケー部に強引に(壊された車をネタに)入部させてしまう。女なのにホッケー!?しかもポジションはキーパーって…。果たしてハナの運命は!?
ホッケーをしないホッケー部を舞台に描く学園ラブコメディです。期せずしてホッケー部員になったハナですが、ホッケー部の実態は、金持ち達の集まる旅行部でした。一応ホッケーの練習はしてみるものの、人数は集まらず、行く先々ではトラブル続きと、試合をするまでには至れません。ホッケー部というのはあくまで入れ物にすぎず、ボンボンの部員達と、ヒロイン・ハナとの掛け合いを描いていくというのがメインになります。要は学園コメディなわけで、ホッケーという設定は「遠征」と称して各地を回るための口実作りになる、といった程度の役割です。「極楽青春ホッケー部」というタイトルを見ると、どうしても「ホッケー」に目がいきがちになりますが、重要なのはむしろ「極楽」「青春」の方。

ホッケーの道具などは登場するものの、試合はしない。
「行け!!南国アイスホッケー部」といい、どうしてホッケーを題材にするとホッケーをしなくなるのだろう…。タイトルや表紙から、「ホッケーやりつつメンバーとの関係が描かれていくんだろうなぁ」なんて想像する方はきっと多いはず。いえ、しませんよ、ホッケー。そこのギャップで面食らう場合が多いと思うのですが、それさえ事前に踏まえておけば、学園コメディとして充分楽しむことが出来るでしょう。
お金持ち集団ということで、非日常系のネタを仕込んで話を展開。リアルを追求しようなんて考えは毛頭なく、ネタをネタとして楽しもうというスタンスですね。また、一応ハーレム設定なのですが、恋愛云々に関する描写は薄めなので、男性が読んでも拒否反応を起こすことはないと思います。
同じ作者さんの作品で「僕と彼女の×××」という作品がありますが、男性にお勧めするなら断然そっちかな、と。極楽も面白いんですが、より少女マンガ色が強めな感じ(設定的に)。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→オトコ受けする感じはあまりない。同時に敬遠する要素もあまりないですね。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→安定感のある学園コメディ。そりゃあこれだけ個性的な面子を集めれば動かしやすいよなぁ。
作品DATA
■著者:森永あい
■出版社:講談社
■レーベル:KC別フレ
■掲載誌:別フレ(連載中)
■既刊12巻