大岡さおり「ぷちパレード!!」(1)
この図鑑を完成させると
なんでもひとつ願いが叶う…■日和はかわいいものが大好きな中学1年生。宿題を忘れた罰として旧図書館の掃除をしているときに、何やらキレイな本を発見し、思わず手を伸ばす。すると、見たことのないカワイイ動物(?)たちが出現。「妖精だ」。かわいいものに囲まれてテンションMAXな日和にそう声を掛けてきたのは、同じクラスの滝川くん。なんでもこのかわいいヤツらは妖精で、さっき見つけたかわいい本は妖精図鑑らしい。しかも妖精図鑑を完成させると、何でも一つ願いが叶うらしくて…!?日和とタッキーの、妖精探しの毎日が始まった!
かわいい妖精達との出会いを描くファンタジーです。たまたま妖精図鑑を見つけた日和と、物知りの滝川くん。旧図書館で偶然このことを知った二人は、その後秘密を共有しながら妖精図鑑完成に駆け回ります。妖精図鑑は最初は白紙で、妖精に触れてもらうと自動的にページが完成するという仕組み。要はポケモン図鑑のような機能で、それを完成させると願いが叶うという設定になっています。また妖精を見るためには、「恋をしていない」という条件があり、この縛りがやがて二人を苦しめていくことになるのでしょう。

願いごとよりも、かわいいもののほうが大事な日和。
低年齢向けの作品ですから、その構図はいたってわかりやすいものになっています。妖精図鑑を完成させるというシンプルではっきりとした目的があり、妖精達もみなキャラが立っていて、かつかわいい。それをカッコいい男の子と、秘密を共有しながら協力していく。ただそれだけではなく、恋をすると妖精が見えなくなるという障害も用意。これだけあれば読者は充分満足するでしょう。展開もさせやすいでしょうし、これはおトク感がありますね(製作サイド的に)。
あと全く関係ないですが、1巻に同時収録されている読切り「ビーンズ」のヒロインが、「みなみけ」の内田ユカに似ている気がしました。性格は全然違うんですけどね。それがなんか新鮮で…ってホントどうでも良いことですね、すみません。
【オトコ向け度:☆☆ 】→性別云々ではなく、年齢的な問題でしょう。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】→低年齢向けの良作ファンタジー。こういう作品は話を展開させやすいですし、アニメ化したときも映える気がします。まぁアニメ化はさすがにないと思いますが。とはいえこの作品を大の大人が、それも男が読むとなるとキツいものがありますね。
作品DATA■著者:大岡さおり
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん(平成20年12月号~連載中)
■既刊1巻
■価格:400円+税