
いろんなことが見えていて
ちょっと生き方がヘタっぴで
だけど人間として 母として
不器用に正しく歩いている
あなたから 目が離せない
■7巻発売しました。
思ったこと、感じたことを率直に言う。常に正しい行いをする。簡単そうで、なかなかできないのが世の中ってものだ。けれど、言わなきゃ何も変わらない。そんな簡単そうで難しく、勇気がいることを、斉藤さんはいとも容易にやってのけてしまう。そんな斉藤さんから、目が離せない。
観月ありささん主演でドラマ化もされた、「斉藤さん」のご紹介です。正しいことを、思ったことを、感じたことを、率直に言う、行動する。本当はそれが一番理想的なはずなのに、人間社会の中ではそれうするとかえって浮いてしまう。それでもめげずに、颯爽と自分の道を行く。そんな斉藤さんの生き様を、幼稚園のママ友である、真野さんの視点から描いていきます。
悪いことを「悪い」と言う。それが正しいはずなのに、世の中そうはなかなか出来ない。正しいかどうかは別として、それが一番賢い選択なのだ。けれど、斉藤さんはそれをしない。悪いものは悪いとちゃんと言う。それがたとえ、ガラの悪い高校生達であっても、目上のおじさんでも。それ故、いらぬトラブルに巻き込まれることも多い。そうすると、面倒臭がって離れていく人が出る。嫌う人も出てくる。けれど、それと同じくらい、味方も生まれる。やって欲しいと思うことを、自分でやりたいと思うことを、正しいことを、やってくれる人が見れるってのは気持ちがいいのだ。

当然ツンデレですよ、ハイ。そういった部分で人間らしさが表現されているのかな、と。
こんな世の中だからこそ、こういうマンガが登場し、受け入れられるのでしょう。悪を討って、正しさを説く。そのモチーフは、水戸黄門を始め様々な劇や物語で描かれてきました。しかし、こういった世の中で、それを行うと、どうしたって浮きます。現実の中で、理想の生き方をする。最も世の中を見据えて、現実を生きているはずの斉藤さんですが、その生き方は、現代において非常に現実感が薄くなるという不思議な現象が起こります。こういう生き方って良いよね、子供にはこういう生き方を教えたいよね、でも絶対にできないよね、と。本当は、こういう生き方を現実でするべき。けれど、実際はマンガの中で楽しんでいるだけ。少しだけ、少しだけで良いので、実生活で「斉藤さん」の部分を出してみませんか、そうすれば、斉藤さんはきっとソッポ向きつつ喜んでくれるに違いありません…なんてね(〃´・ω・`)ゞ
ちょっと良いこと言ってみようかな、なんて思ったわけですが、そういう気持ちにさせてくれるんです、この作品は。ま、絶対に受け入れられないって人もいるでしょう。でもそれはそれで正しいんですよね。どう捉えるかは人によって様々。さっきとは真逆にはなりますが、所詮作り話でもあるのです。あまり真に受けすぎず、少しだけ斉藤さんの気概を汲み取るってのが正しい読み方なのかもしれません。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→勧善懲悪は、老若男女問わず受け入れられるモチーフではあります。しかし、話題の中心が幼稚園など、子育てや友達付き合いに関することなので、男性の共感が得られる部分は、少ないかなと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆☆ 】
→こんなんねぇよ、って思う方もきっといることでしょう。でも私は好きです。実生活にフィードバックするも良し、ストレス発散に使うも良し。
作品DATA
■著者:小田ゆうあ
■出版社:集英社
■レーベル:オフィスユーコミックス
■掲載誌:office YOU('06年2月号~連載中)
■既刊7巻