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2009.04.22
yumeiro.jpg松本夏実「夢色パティシエール」(1)


今はまだ先生や樫野みたいに上手くなくても
ミルクレープみたいに一段一段昇っていこう
だってあたしの夢は始まったばかり



■2巻発売しました。
 天野いちごはケーキ大好きの、パティシエになるのが夢の14歳。あるとき訪れたケーキフェスタで、製菓学校の講師にその味覚と感受性を絶賛され、そのままその学校(聖マリー学園)に転入することになる。そこには才能溢れるパティシエの卵たちが、日々腕を磨いていた。そんな中に飛び込んだ、ケーキド素人のいちごは、初日の授業についていけず、メンバーから厳しい言葉を浴びせられてしまう。この遅れを、何とか取り戻さないと。必死の思いで自主トレに励む彼女の前に、スイーツの精霊・バニラが現れて…!?

 スイーツの精霊と一緒に、一流のパティシエールを目指す、新感覚スイーツストーリーです。ちなみにパティシエールというのは、女性のパティシエのことだそうです。名門製菓学校に転入したヒロイン・いちごは、ひょんなことからスイーツの精霊・バニラに選ばれ、パティシエールを目指します。精霊付きの生徒は彼女の他にも数人おり、無愛想な樫野くんにはショコラ、和に強い安藤くんにはキャラメル、プレイボーイな花房くんにはカフェという精霊がそれぞれパートナーになっています。精霊は精霊付きの人間にしか見えることはなく、自ずと彼らは一緒に行動するように。その中で、お互い切磋琢磨し合いながら、成長していきます。


夢色パティシエール
落ちこぼれコンビのいちごとバニラ。


 パティシエという職業は女の子にとって憧れの職業のひとつ。ファンタジックな要素を交えつつ、カッコいい男の子たちと共に、パティシエとして成長していけるというお話は、しっかりと女子小学生達のハートを掴める構成になっているんじゃないでしょうか。話の展開も無理している感は全くなく、非常に読みやすくなっています。低年齢向けの良作と言えるんじゃないでしょうか。

 小さなマスコットと共に、成長していくというと、「しゅごキャラ!」を思い出します。厳密には同じではないのですが、同じようなもんじゃんと思う私はそれだけ歳取ったってことなのかもしれませんね。そういえば昔「デリシャス!」っていう作品がなかよしで連載されていましたが、大好きだったなぁ。一臣が好きで、俺も料理できるようになりたい!なんて(笑)あとどうでもイイことですが、1巻表紙のいちごの格好、スカートがアポロチョコに見えますね。


【オトコ向け度:☆☆   】
→女の子のための作品という感じ。上で、「しゅごキャラ!」の名前を出しましたが、そういった系統が大丈夫なら問題なく読めるんじゃないでしょうか。
【私的お薦め度:☆☆☆  】
→低年齢向けの良作。大人が読んでも、それなりに微笑ましいという感じで、意外といけるかもしれませんが。ただ基本的には子供が読む作品です。


作品DATA
■著者:松本夏実
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん(平成20年10月号~連載中)
■既刊2巻
■価格:各400円+税

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