
生まれて初めて思った
ちゃんと
ケンコウになりたいって
■高校生にして両親を亡くしてしまった蜜子。身寄りがなくなった彼女は、紆余曲折あって結局親戚の酒々井家で暮らすことになる。従兄弟の長介は無愛想で、安寿ちゃんはハッキリとものを言う性格だけど、酒々井夫妻はとっても明るく優しい。しかし、一緒に暮らしていて感じる、妙な違和感…。あれ、長介は飲尿してて、家族揃ってコーヒーで浣腸!?いえ、決して変態とかではないのです。酒々井一家は、筋金入りの健康オタクだったのだ!
あまりの徹底っぷりに、最初は抵抗感を持った蜜子でしたが、無理がたたって体調を大きく崩し、自分もケンコウになろうと心に決めます。とりあえずケンコウオタクにヒロインをもっていこうというのが1巻の役目かな。その指標としてウンコの事が延々語られるんですが、たかがウンコでここまで話は飛躍するものなのでしょうか。食べてるものが悪いと、臭いもヒドい、と。そういえば私も致命的な金欠時、パンとマヨネーズで凌ぐなんて生活を送っていましたが、さすがにあの時は色々ダメだったな、と今になって思います。ウンコとかじゃなく、全体的に匂いがね…。

1冊のウチで、これほどまでにウ○コが出てくる作品もそうはなかろう。
しかしこの設定はいかがなものだろうか。ケンコウというか、健康法がテーマになっているのですが、なぜヒロインを女子高生にしたのでしょう。10代が健康のことなんか考えていたら気持ち悪いと個人的には思うんですが。それも健康オタクの一家の中に放り込まれて…という展開はあまりに可哀想だろ、と。どこか宗教じみた、怖い感覚すら覚えました。別にこのテーマであれば、単純に作者の体験レポ方式にしても良いと思うんですが。ましてやKissの読者層は20代以上の働き盛りないし主婦だったりするわけですから。
【オトコ向け度:☆ 】
→女性以上に男性は健康に無頓着でしょう。それで良いんだと思いますよ。読み物としての価値もそこまでないような気がします。
【私的お薦め度:☆ 】
→そこまでヒットするようなテーマでもないと思うんですが。それに加えストーリーにも違和感が。Kissの特性が、悪い方向に全て出てしまったような感じを受けました。
作品DATA
■著者:栗原まもる
■出版社:講談社
■レーベル:KC Kiss
■掲載誌:Kiss(2008年No.20~連載中)
■既刊1巻
■価格:419円+税