
仲間のピンチは仲間が救うのだ
まかせなさいっ
■3巻発売、完結しました。
まりなは念力で物を動かせる、エスパー。といっても、何かに使えるほど強い力ではなく、またコントロールができないなど、今までで役に立ったことは一度もない。そんなまりなが、高校の入学式へ行く途中で出会ったのが、瞬間移動することができる城。同じエスパー!?誰にも打ち明けられない能力だけに、共感できる仲間ができた!!と、積極的に絡んでいくまりな。最初は嫌がっていた城だけど、いつしか心許して二人は友達に。さらに二人の他にも超能力の持ち主が現れて!?
使えそうで使えない、微妙な超能力を持った高校生達を描いたラブコメディです。高校での仲良し4人組、まりな、城、サオリン、小野寺くん。最初は3人だけが超能力を持っていたのですが、やがて小野寺くんまで超能力が開眼。誰にも言えない秘密を共有することになります。そんな彼らを襲う大小のトラブルを、超能力を使ったり使わなかったりで解決していきます。そんな中で育まれるは、まりなと城の恋心。お互い想いあっているはずなのに、なかなか素直になれない二人の関係を、時に陽気に、時に切なく描いていきます。

無敵(?)のエスパー4。皆わかりやすい性格してます。
まりなは物体移動、城は瞬間移動、サオリンは透視、そして小野寺くんは空中浮遊という能力をそれぞれ持っています。しかしどれもコントロールが利かず、力も微妙。このシチュエーション、何かに似ているな、と思ったら、あだち充「いつも美空」ですね。物を動かせるヒロインに、瞬間移動できる彼。また、仲間も超能力を持ってはいるものの、二人同様強力でないと、丸かぶり。とはいえ「いつも美空」が敵の討伐のような所に主眼が置かれていたのに対し、こちらは友情~恋愛がメイン。その分突拍子もない展開(ネタとしてはあるけど)にはならず、単純にコメディとして楽しめる内容になっています。松岡昌宏、広末涼子、多部美華子というキャストでドラマ化された「ヤスコとケンジ」の作者さんですので、まぁそのスタンスで読んでいただければいいんじゃないでしょうか。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→コメディ好きに…というワケでもないか。明るい作品(字面通り)が好きな方は。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→明るく愉快なコメディ。これといって強みがあるわけではないんですけどね。それは「ヤスコとケンジ」も同じ。やっぱりネタが面白い方がドラマ化されやすいんですかね?
作品DATA
■著者:アルコ
■出版社:集英社
■レーベル:超立!桃の木高校
■掲載誌:別冊マーガレット(平成19年12月号~平成21年2月号)
■全3巻