
自分の未来が何も見えない
なんにも…
そのわけはあとでわかった
それは真昼の星のように
とても遠いところに
とても高いところに
予定されていたのだ……
■3巻発売しました。
イヴェエン・マグノリアは田舎の美少女。明るく元気で、頭も良い。しかし生まれた家が貧乏なので、日々の生活は苦しい。このままでは貴族の慰み者になって、一生を終えるのが関の山。そんなある日、彼女の家にスカウトマンがやってきた。それは女優でもなく、妾でもなく、公務員…それも魔法使いとしてのスカウトだった。失うものは、何もない。一も二もなく、生まれ育った町を飛び出した彼女は、一路「ローウッド魔法学院」へ向かう!!
韓国からの輸入作だそうです。魔法を使って魔物を退治する公務員・魔法師のお話を描いたファンタジーです。最初韓国の作品だと知らず、ページの開きが逆になっているのを「粋な演出だなぁ」なんて考えていました、すみません。話の内容云々ではなく、まずそこで引っ掛かりを覚える人がいるかもしれません。とはいえ数十ページ読み進めると完全に対応できます。

故郷を逃げるように去るイヴェイン。そしてそのまま魔法学院へ。
話の導入に、魔法師として一線でバリバリ働くヒロインの姿(バトルファンタジー然とした感じ)を描き、そこから一気に回想(幻想的雰囲気+笑い)へ。やがて彼女が魔法師になるまでの物語を写し出していきます。その導入との落差というのは否めないのですが、まぁどちらが良いということもないので、しっかり繋いでさえくれればOKかな、と。表紙などから受けるイメージとしては、回想のほうがしっくり来る感じはありますね。このヒロインの性格がかなり明るいので、なんとなくズレを生んでいるのか。だとすれば、最初からそういう認識で読めば問題なさそう。ファンタジーが好きな方は楽しめると思います。
前にも出しましたが、韓国で出版された作品ということで、ページの開きが逆になります。またそれ以外にも変わった点があって、フキだし外の手書き(であったとおぼしき)ネームが打ち込み文字になっています。翻訳して…という作業を挟む以上これはやむを得ない措置なのでしょうが、少女マンガでは手書きネームが笑いを誘う重要な役割を担っていることがままあるので、少しもったいないな、と感じました。また作者を作中でいじるシーンなども、リズム的に若干の違和感が。本筋に大きな影響を及ぼすようなポイントではありませんが、なんとなく翻訳の壁のようなものを感じてしまいました。
【オトコ向け度:☆☆ 】
→ああ、こういうの好きな女の子は確実にいるよね、と。男性にとなるとちと微妙か。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→わざわざ輸入するのだからそれなりの結末には持っていくのでしょう。しかしそこまでして読みたいかと言われると微妙。新書館でまったく違和感ない作品ですが、それがかえって個性を打ち消してしまっている気もします。
作品DATA
■著者:イム・ジュヨン 翻訳:佐島顕子
■出版社:新書館
■レーベル:WingsComicsDX
■掲載誌:issue(韓国のマンガ雑誌?にて連載)
■既刊3巻
■価格:各680円+税