
舞ってるお前は
笑って…楽しそうで
俺は好きだ
■2巻発売しました。
踊り子のリースの胸には、綺麗な花の模様が刻まれている。生まれたとき心臓が動いていなかった彼女は、悪魔と契約を交わし、16年という期日を条件に心臓を借り受けているのだ。後一年で契約の期限、そうなれば心臓は返さなくてはならない。そんな彼女は今、相棒・シヴァと共に契約者である悪魔を探す旅を続けているが
後一年で契約の期限。何とか命を延ばす方法を探すため、まずは契約の相手である悪魔との再会を目指し、相棒・シヴァと共に各地を回っています。この相棒シヴァは、幼くして孤児になったリースを引き取り、そのまま一緒に旅をしているという間柄。親や恋人というよりも、まさに相棒という表現がしっくりくる関係。各地を回る間、リースは踊り子として、シヴァはその時々仕事を探して日銭を稼いでいます。彼らの他に、なぜこんなに自由に動けるのか不思議なワガママ王子や、今ひとつ使えない指輪の精が登場し、物語を彩ります。

花の模様は悪魔との契約の印。そのことは世間にもある程度知られており、ヒロインは幼い頃から迫害を受けていた。
このお話のポイントは、相棒のシヴァが、実は契約した悪魔だということ。そのことをリースはもちろん知りません。どうしてずっと近くにいるのかは謎なのですが、ずっと側にいてリースを守り続けます。しかもシヴァはかなり上級の悪魔なので、ヒロインがピンチになっても必ず救われる状況。よって幾度も訪れるピンチを切り抜けて…っていうラブロマンスとは毛色が異なります。描かれるは恐らく、「愛は運命を超えるか」ってところ。契約上あと一年で心臓を返さなくてはならないヒロインと、そばにいることで感情を知ってしまった悪魔。向かう先は悲劇…と見せかけて…といった感じ。
とはいえいくつか釈然としないポイントも。いや、目に見えて「ここがっ!」ってワケではないんですが、設定の割に話に入り込めないなぁ、と。描きこみが結構ごちゃついてるのが原因のような気もするのですが、ここまでくるともう相性なのかもしれません。とはいえ同じ作者さんの「少年ドールズ」(→レビュー)に比べると、設定がスッキリしていて、また完全な異世界でファンタジーが展開される分こちらのほうが読みやすいな、という印象はあります。
【オトコ向け度:☆ 】
→男性向けではないと思います。
【私的お薦め度:☆☆☆ 】
→合わないのは単純に相性の問題?同作者の「少年ドールズ」読むのであれば、こちらを読む事をオススメします。
作品DATA
■著者:響ワタル
■出版社:白泉社
■レーベル:花とゆめCOMICS
■掲載誌:LaLaDX(平成19年7月号~平成21年3月号)
■全2巻
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