
そういう意味
僕も
もっとがんばらなきゃ…
■臆病者の少年ミンツは、国民徴兵制度によって第7小隊の支援兵として徴兵されてしまう。戦闘初日に、あまりの恐怖から逃亡を図るが、敵兵との遭遇であえなく失敗、それどころか命の危機に。そんなピンチを救ったのが、同じ小隊の狙撃兵・ユリウス。冷酷な性格で、ミンツに対し「使えない奴に用はない」と言い放つ彼だったが、隊長の命により、二人はパートナーにされてしまう…
人気ゲームソフト「戦場のヴァルキュリア
話は、徴兵制によって招集された少年兵・ミンツの、第7小隊での成長を描いたお話となっています。初っぱなから逃亡を図り、あえなく失敗したミンツは、結局潔く軍人として生活することを決めます。そんな彼の仕事は、仲間のサポートをする補給兵。気が弱く、線も細い少年兵の成長と、個性派揃いの隊員たちとの関わりあいを描いていきます。

最初は嫌がっていたミンツも、やがて目標を見つけ奮闘するように。
単純な軍人ものというわけではなく、もう一つ物語を彩る要素が。彼が、差別を受けている少数民族(ダルクス人)だという設定があり、いかに隊のなかで自分のポジションを獲得していくか、というテーマが同時に描かれます。当然彼を良く思わない輩もいれば、全く気にせず仲良くしてくれる隊員もいます。また彼の所属する隊は義勇軍の一隊なので、その出自が謎に包まれている隊員もチラホラ。ミンツのパートナーのユリウスもその一人で、その過去についての話も、物語の中で展開されます。また女性兵士や少年兵、年くったオッサン兵も登場し、キャラの幅はかなり広いです。
面白かったです。私は原作全く知らないんですが、これを読んで、原作プレイしてみたいと思いました。戦争が題材になっていますが、描かれるのは兵士一人一人について。壮大なテーマをぶち上げて展開させるのも良いですが、よりリアルな戦争観て、むしろこっちなんじゃないかな、と。全体のことなんか把握できずに、放り込まれた環境で、自分のことで精一杯。「となり町戦争」みたいな感じですかね。
【オトコ向け度:☆☆☆☆ 】
→ナヨっとっした主人公や、やけにシュッとしたキャラ描写と、手を出しづらい要素はありますが、読み始めると全く気になりません。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→ゲーム原作の漫画は、初見の読者に不親切な場合が多いのですが、この作品はすぐに話に入り込めることが出来ました。話の展開のさせかたも上手。これは次も読みたいです。
作品DATA
■著者:時東穹生/セガ
■出版社:エンターブレイン
■レーベル:B's-LOGコミックス
■掲載誌:B's-LOG(2008年12月号増刊~連載中)
■既刊1巻
■価格:620円+税
■購入する→Amazon