
「私たち離婚しようと思うの♡」
それが
あたしの受難の日々の幕開けだった
■小石川光希は高一年生。ある日突然の両親の離婚宣言にたじろぐ。なんと旅先で出会った松浦夫妻と、それぞれパートナーを交換し、全員で同居したいというのだ。当然大反対の光希だが、松浦夫妻の息子で、同い年の遊は全く動じる様子がない。クールで生意気、けれど見ためはカッコいい遊に、光希の心はざわめいて…。前代未聞の同居生活に、光希はどうなる!?
同居ものの金字塔「ママレードボーイ」のご紹介です。アニメ化もされ、大ヒット。もはや知らない人はいないと言っても過言ではない同作、15年以上たった今でも全く色褪せません。話は両親の離婚から始まります。小石川夫妻と松浦夫妻で、それぞれパートナーを交換して同居。彼らに関してはそれ以上の説明はなく、以降同居の様子が当たり前のように描かれます。余計な説明をしないって所が逆に良い結果を生み出しているんでしょうね。そして物語は、松浦夫妻のひとり息子・遊との恋愛を中心に進みます。中学からの友達に、高校での新しい友達、そして遊の中学時代の友達と、登場人物の出自は様々。それがまた話を良い塩梅に入り組ませてくれるんだ。

甘くて苦いママレード。この後光希は、「辛いばっかのマスタード・ガール」と切り返される。
改めて読んだ感想としては、遊ってこんなに生意気な奴だったっけ?と。クールってのは結構覚えてるんですよ。当時は自分の中で「ママレード・ボーイ」→「こどものおもちゃ」というブームが起こっていて、くせ毛金髪のクールボーイ(遊と葉山ですね)がモテのスタンダードなのだな、なんて思ってたので、その印象が強いのかもしれませんね。作中には、幼なじみの男の子が出てきたり、教師と生徒の恋愛があったり、自分の出生について悩んだり、モデルの女の子が登場したりと、少女マンガのスタンダードな要素がコレでもかと詰め込まれています。それでもごちゃつかず、単純に楽しむことができるのは、レベルの高さからなのか、はたまた思い出補正がかかっているだけなのか…。いや、でもやっぱり面白いと思いますよ。
個人的にはこの作品が少女マンガの原体験となっているのですが、当時は色々と衝撃でしたね。いきなりの離婚宣言→同居。特に遊も銀太も、光希に突然のキスをしたりのですが、「コレいいのか!?」みたいな(笑)今でもカラオケに行くと、アニメ主題歌「笑顔に会いたい」を歌ったりします。これがなかなかウケが良いんですよ。最近はケンコバによって再評価されていましたね。最初の「ツクテーン☆」とか、「あっまっくってっにっがい(鼻声)…マーマレーだっけっどっ」とか、確かにネタになる要素は多いかも。あと間奏が異様に長いです。
【オトコ向け度:☆☆☆ 】
→まさに少女マンガの王道をいくような作品ですが、意外と読める男性は多い気がします。
【私的お薦め度:☆☆☆☆☆】
→多少の思い出補正はあるかもしれませんが、それを差し引いても十分面白い作品だと思います。再読したときも、懐かしさ以上に驚きや感心といった感想が強かったです。
作品DATA
■著者:吉住渉
■出版社:集英社
■レーベル:りぼんマスコットコミックス
■掲載誌:りぼん(1992年5月号~1995年10月号)
■全8巻(完全版は全6巻,文庫版は全5巻)表紙画像は文庫版です。
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